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鬼神 -onigami-  作者: 紫月
第2章:眠り鬼
5/8

*新たなる災いの鬼守*

たどたどしい文章ですが、どうか読んでやってください!!




何故(なぜ)、あなたが…ッ!!」

 翠憐(すいれん)達の背後に現れたのは、

「……()……璃呪(りじゅ)?」

 青ざめた顔で立ち尽くす、緋誓(ひちか)であった。

「……どういう、事だ……?」

「……それは……」

 緋誓は()うた。静かな声で、強い口調(くちょう)で。(おび)えたように緋誓を見つめる翠憐を見据(みす)えて。

「……いや……。まさか、そんな……。あり得んな……」

「……」

 ぶつぶつと言い続ける緋誓の(わき)で、翠憐とその侍女(じじょ)は、何やら苦し気な顔をしていた。と、緋誓はふと疑念(ぎねん)(いだ)いた。

「おい、翠憐。お前……言葉――…」

「翠憐様! 翠憐お嬢様!!」

「おーい、緋誓?」

「?」

 緋誓の言葉を(さえぎ)ったのは、走ってくる白衣姿の2人の男と、緋誓付きの鬼狩(おにがり)である愁杜(しゅうと)であった。

「翠憐御嬢様、ご報告が―…! あぁっ、これは鬼神(おにがみ)様!」

御尊顔(ごそんがん)(はい)せるなど、何と喜ばしい事か!」

「!?」

 口々に(さわ)ぐ男達の勢いに圧倒される緋誓を見かね、愁杜が緋誓を守る態勢で間に入った。

「おい! 何なんだお前達は!?……知り合いか、緋誓?」

「い、いや……私は知らん」

 言いながら緋誓は愁杜の上衣(うわい)(すそ)(にぎ)る。多少腰が引けるのは愁杜がいるからこそだ。

「……!?」

 途端(とたん)、顔色を変えた男達は、次いで愁杜を頭の天辺(てっぺん)から足の爪先(つまさき)までをも見定め、最後に腰に()びられた対鬼刃器(ついきじんき)を見止め(わら)った。

「鬼狩……ですか。何故(なにゆえ)(うるわ)しき鬼神の(きみ)(かたわ)らに鬼狩などが……」

「まあ、じきに鬼守(おにもり)片割(かたわ)れ様が目覚められるのだ。鬼狩などすぐに(はら)えよう」

 白衣の男達は暗く、悪辣(あくらつ)に嗤った。

「……準備が整ったの?」

「えぇ! もうじきお目覚めになるものかと」

「そう……」

「……お前達は……間違っている……!」

 そう言うと、緋誓は視線を落とし、黙り込んでしまった。

「何を(おっしゃ)るのです、鬼神様。元来(がんらい)、鬼神様の御側(おそば)にあるべきは鬼守であって―…」

「黙れ……ッ! 事情も知らぬ人間(ヒト)風情(ふぜい)が!! 鬼狩であろうが、深く鬼に関わる者ならば我等(われら)を多くも語れよう。だが……お前達はそれ程深く我等を知りもせず、適当なことを申しておる!」

 (わず)かも抑えられることなく放たれた言葉は、(たが)えようのない怒りを(はら)ませていた。

「緋誓……。大丈夫……か?」

「ああ。悪い、私は大丈夫だ。……行こう。これ以上は彼らが危険だ……」

「ああ、わかった」

 言うが早いか、緋誓は愁杜を(ともな)(きびす)を返した。

「ひ、緋誓姫様!!」

 翠憐の声も聞かず、緋誓一度も振り向くこともなくその場を去った。




 パタン……ッ

「……どうした?」

「……」

「あんなに怒るなんて……。俺が来たとき以来(いらい)じゃないか」

「……」

 止まることなく歩き続け、2人は地下室へと来ていた。緋誓はどこか上の空といった様子で、何を言っても反応しない。

「……緋誓?」

「! あ……何だ?」

 名を呼ばれ、緋誓はやっと上の空の異空間(いくうかん)から(かえ)ってきた。

「……はぁ……。大丈夫か、コレ?」

「……?」

 意味が分からない緋誓に、彼が指差したのは、彼の服の(そで)を強く握る緋誓の手だった。

「……ッ!! わ、悪い!!」

 (あわ)てて離した緋誓の手を愁杜がとる。

「震えてる。独りで抱える必要はない」

「……あ……」

 愁杜は緋誓を優しく抱き寄せ、そしてその頭を優しく()でた。

「……璃呪……は……」

「ん?」

 緋誓の(かす)れた声を聞き取れず、愁杜は()き返した。

「音璃呪は、今は()き、鬼守の片割れ。……翠憐の……兄だ」

「……」

「あれを殺したのは―…」

 後に、戦乱の火種(ひだね)ともなろう事実を……。




「あれを亡き者にしたのは……私だ」




 世界は(まわ)る。嗤いながら、(ささや)きながら、舞い踊る。全てを巻き込み、(きし)みながら、叫びながら。全てを、狂気の(ふち)へと、(いざな)いながら――…。



ここまで見て頂き、ありがとうございました!! まだまだ続きますので、飽きずに見てやって下さると光栄です!!

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