56 透明人間(4)
少々喜び勇んで1階へ降りていくと、ドクターフォリーがいたので、これまで学校で起こったことやマントが2階にあり、破廉恥な事件の首謀者は息子のドロールであることを得意満面で告げた。
するとドクターフォリーは
「話は分かりました。実は私も薄々そんなことじゃないかとは思ってはいたのですが。それにしてもあんたは人の家に勝手に入りこんで何をしたかったのですか」
「勝手にって、あのー、まあ、お宅に許可なく入ったことはお詫びしますが、お宅の息子さんがマントを使って学校で悪さをして多くの女子が傷ついているので何とか解決したいと思ったんです」
「それでは私が息子にもうこのようなことを決してしないよう諭し、マントを取り上げればよろしいですかね」
「いえ、高校生とはいってもやったことの責任を取ってもらわないと」
「責任を取るってどんな風に?」
「ドロール君が首謀者だったことを学校の先生に報告し、処分を受けるんです」
「嘘でしょ?何かを壊したわけでも誰かを殴ったり蹴飛ばしたわけでもなくてただスカートを捲った(めくった)ぐらいで?わしも子供の頃はよくやったもんです。なかなかスリルがあっていいもんですじゃ」
「何を言っているんですか?そんなこと幼い頃ならともかく、高校生にもなって許されるわけないでしょ」
「あなたが保護者として学校に本当のことを言わないのなら私が連絡するわ」
「ねえ、お姉さん、まだ未成年なんだから多めに見てもらえないかな」
「何十人も犠牲者がいるんですよ。ちゃんと一人一人謝罪してもらわないと」
「そんな、何人もの女子学生に息子がやったってことがバレたら総スカンを食らうこと間違いなしじゃ、つまり女子とセックスができなくなってしまう。それじゃ息子がかわいそうすぎる。そう思わんか?」
「どうしてそこまで話が飛躍するんですか。女子からは嫌われてしまうでしょうが、それは身から出た錆よ。しっかりと反省させないと」
「いや、息子が女子学生全員に嫌われてしまったら辛い学校生活になってしまう。どうか、この通りじゃ、もう2度とこんなことはしないよう、しっかり言い聞かせるのでお慈悲を」
「ここは絶対に譲れません。それでは私が学校に連絡します」
ドクターフォリーはその場で土下座して頼み込んだ。
「どうか、この通り。今回だけはお見逃しを」
「ダメです」
「ここまで頼んでも見逃してくれないのなら、仕方がない」
ドクターフォリーは近くにある赤いボタンを押した。すると天井から何かの機械が現れた。と同時に2本の赤いテープ状のものが伸びてきてマーガレットの両手に巻きついてしまい、それはいくら彼女がもがいても外れず、結局彼女は身動きができなくなってしまった。




