表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したらものの5分で最強セージにエンカウントした俺のその後の話  作者: すずき 虎々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/61

61.最後の手紙

数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。

この物語は、本日をもって終わりとなります。

今まで読んでいただけた皆さま方に、心からの感謝をお伝えしたいと思います。

次回作以降も皆さまに楽しんでもらえるよう頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

「よし、みんな集まったかな。それでは、重大発表をしたいと思います。」


 メリルとシャクヤクさんは、あまり興味がなさそうだ。

 プルは無い毛の毛づくろいをしている。

 リースとレイア、そして最愛の娘ミシャは、面倒くさそうな顔をしている……。

 君と過ごす時間はもう無いんだから、そんな顔するなよ、パパ傷ついちゃう……。


「引っ越しをします!」


「「「は?」」」


「えっ?」


「ニャ?」


「ほう。」


 うんうん、それぞれ良いリアクションですね。


「えぇと、実は、ムーシルト城の裏手に森があるんだけど、その森一帯の土地の権利って、実は師匠が持ってたりするらしく、その権利を俺に譲ってくれるそうで、この常に結界を張っていなくてはならない城壁の外よりも、中に住めるならその方が良いかなと思ったので、この屋敷を丸ごと中に移動します。その方が、生活や買い物なんかも便利でしょ。今よりも商店街に近いし。」


「それは良いね。」


「パパにしては良い提案だね。」


「ちょっとミシャちゃん、パパにしてははないんじゃない?パパ傷ついて夜もぐっすり眠れちゃうよ。」


「寝れるなら良いじゃん。」


「話とは、それだけなのかえ?」


「いや、実は、まだもう一つあるんだよ。その森の奥に、古い小屋があるのだが、そこはなんと、幼少期のマスターシェラと英雄ケイラ様の遊び場だった、思い出の場所らしく、その場所の地下にはマスターの隠し埋蔵金がある。」


「「「「「「おぉ!」」」」」」


「そして、更にその下の、地下の地下だな。なんと、そこには英雄ケイラ様の隠しアイテムがあるらしい。」


「「「「「「おぉ!」」」」」」


「ということで、さっそく今から、ムーシルト城の裏の森に、この家を移設ようと思いますので、皆さんは家から出て、ムーシルトに行って商店街で買い食いでもしててください。俺が森の整地を終えて家を設置し終わったら、皆さんを迎えに行きたいと思います。」


「「「「「「は~い!」」」」」」


 俺は、皆を家から出すと、自分の部屋へと向かった。

 皆に面と向かって、今後の事を、冷静に話すのは難しいと思ったので、それぞれに手紙を残すことにしたのだ。


 この世界に来て13年が経ったということは、この家に13年住んでいるということだ。

 棚ボタみたいに手に入れた家だけど、これだけ住むと思い入れもあるものだ。

 思い返すと、本当に色々なことがあった。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()異世界転生。

 神様にお説教されながらも、もう一度生き返らせてもらってから今まで、思い描いた“まったりライフ”ではなかったけど、それでも、仲間が出来て、別れもあって、妻が出来て、子供が生まれて、毎日成長する娘に感動する事が出来て、凝縮されてはいるのだろうけど、なんだかんだで、とても楽しい異世界ライフだったと、今は感じている。




 ミシャ、レイアへ


 君達がこの手紙を読んでいる頃、俺はもう、君達のそばにはいないだろう。

 でも、どうか誤解しないでほしい、俺は死ぬとか、そういうわけではなく、俺は、神界に留まることになったというだけなので、まぁ、その、なんというか、神様の仲間入りをしなくてはならなくなったということになる……。


 神様になるということは、世界全体の構造の一部になるということで、それは、個人としての時間を手放すことになる。

 君たちと過ごす日々、笑い合う時間、手を繋ぐ瞬間、それらを手放す代わりに、世界そのものを守る役割を引き受けることになってしまった。

 俺にとって、君達との時間以上に大切な物なんてないが、俺がこの役割を引き受けなければ、この世界は今の形を維持することが難しいらしい……。


 出来れば、他の誰かに押し付けたい気持ちでいっぱいだけど、残念ながら俺にしかできないことがあるらしい……。

 それは、事象を変化させる力、ファクトチェンジという力を持ってしまった者の宿命でもあるようだ。


 ミシャ

 君が生まれた日のこと、今でも鮮明に覚えている。

 君の小さな手が俺の指を握った瞬間、俺の世界が変わった。

 君の泣き声が、俺奮い立たせた。

 君の笑顔が、俺の生きる理由になった。

 君が歩き始めた日、俺は泣いた。

 君が初めて「パパ」と呼んだ日、俺は全てに感謝した。

 君が怒った日、俺は自分の未熟さを知った。

 君が眠る姿を見て、俺はこの世界を守りたいと願った。

 君は、俺の誇りだ。

 君がどんな道を選んでも、俺は君を信じている。

 君が誰かを愛し、誰かに傷つき、誰かを守る日が来たら、そのすべてを、俺は遠くから見守っている。


 レイア

 君と出会って、俺は“生きる”という意味を知った。

 君の言葉が、俺の弱い心を支えてくれた。

 君の怒りが、俺の浅はかさを教えてくれた。

 君の優しさが、俺の寂しさを癒してくれた。

 君と過ごした日々は、俺の人生の中で最も美しい時間だった。

 君がいてくれたから、俺は“父”になれた。

 君がいてくれたから、俺は“人”でいられた。

 これからも、君が家族を導いてくれると信じている。

 君は誰よりも強く、誰よりも優しく、誰よりも愛深き人だ。

 俺がいなくなったとしても、君ならきっと皆を導いてくれると信じている。


 でも、たまには俺のことを思い出してくれたら嬉しい。

 この家、この時間、この記憶、すべてが、俺の宝物だ。

 最後に、お願いがある。

 ミシャ、レイア。

 どうか、幸せでいてほしい、どうか、笑っていてほしい、俺がいなくても、前を向いてください。

 俺は、君たちを愛しています。

 それは、何になろうと変わらない、絶対の真実です。

 また会える日が来るなら、その時は、何も語らず、ただ君達を抱きしめさせてほしい……。

 それが、俺の最後の願いです。



 君達のフィンより




 リビングのテーブルに置いた手紙を、俺は一度だけ振り返って見た。


 窓から吹き込んだ風が、この世界での記憶を優しく包んで、消えていった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

この物語はこれで終わりとなりますが、今作と前作でこれから描く物語の世界観が完成しました。

今後は、期間を置いて、いくつかスピンオフ的な短編を挟み、この世界観をベースとした別の物語を書いて行きたいと思います。

しばらくは週一くらいで短編を書いて行く予定でいますので、よろしければそちらも読んでいただければ幸いです。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、この物語が面白いと思っていただけたなら、評価やコメントなどいただけるとありがたいです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
完結、お疲れさまでした。 ≪君たちのフィン≫っていうところ、心に空白ができるような、また、それは埋めてはいけない空白のような気がして、少しの寂しさと、これで良かったのだという納得とが入り混じったような…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ