56.たった一本の至高
数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。
読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
はい、前回までのお話で、この物語がリア充の自慢話に移行したと感じた人挙手!
はい、今手を挙げた人、女の子の父になるということが、どういうことか全くわかってない!
リア充?はっ、笑わせてくれるじゃないですか。
え?何をそんなにヤサグレているのかって?
別にヤサグレてなんかいませんよ、ただね、俺は今まで、ミシャに対して、掛け値なしの愛情を込めて育ててきたつもりですよ、所謂イヤイヤ期ですか?あれだってね、耐えましたよ、感情のコントロールが未熟なんだから、仕方ないよねと。
でも、流石にこれはないと思うんですよ、もうね、3日もあの娘の声を聴いてないんですよ。
いや、「友達にはパパなんていないって言ってるから、外で会っても話しかけないで!」とか「パパ臭いから、洗濯物一緒にしないでって言ったじゃない!」とか「その服のセンスなんとかならないの?恥ずかしいからホント近寄らないで!」とか、まだ、どんなに抉られる言葉であっても、言葉攻めならまだ耐えられるんですよ。
でもね、極力顔を合わせずに、会ってもそっぽ向いて、話しかけてもガン無視とかね、もうこの星、消し炭にして星と心中してしまいたくなるんですよ……。
前世でも30年生きてて、今世でも16スタートで、今29なんで、13年生きてる計算で、トータル43年生きてるわけですが、これだけ長い間生きてきても、9歳の娘のガン無視がどんな攻撃よりも効くんです。
私ね、これでも、今までの人生の中で、神獣と呼ばれている、魔物なんか比較にならない程ヤバイ奴等を4体も倒してきてるんですよ。
それがどういうことかと言うと、まぁ、私が倒した神獣とは、神獣のレベルが桁違いのようですが、今のこの世界を守護されてる神様がいまして、その神様が神獣を倒したことで神に至ったという話をマイマスターシェラがおっしゃっていたのを覚えていますので、それほどの敵ということなんですが、その神獣からだって、これほどのダメージを受けた記憶はありません。
つまり、そういうことなんですよ、娘を育てる父というものは……。
あぁ、これ“メンタルブレイク”とか名前つけて、精神を追い込む魔法として成立しないかな。
後で、こっそりライブラさんに聞いてみようかな。
ていうかね、そもそもこの現状を生み出した原因となるような出来事があって然るべきだとだと思いますよね、なにせ、3日前の朝までは、割と普通に接していたんですよ。
それが、突然何があったのか判然としない中、ちょっとした買い物の為に街に行って、帰ってきたらもうこの状態なんですよ。何か問題となる行動をとったとか、発言がまずかったとか、明確な答えが欲しいじゃないですか。
それなのに、なんとなく距離を感じるとか、そういうんじゃないんです、明らかなヘイトを買ってるんですよ?これが飲まずにいられるかって話なわけで、もうね、この世界がどうなろうが、神獣が来ようが、知るかって話ですよ……。
え?あぁ、酒はね、それこそ、この間買い物に出たときに、缶ビールをたらふく買ってきたので、それこそ売るだけストックがあるので、問題ありませんよ。
え?痛風?この年で痛風の心配とか、いや、大丈夫ですって。
え?あなた、27歳で痛風になったんですか?それは、ご愁傷さまでした……。
あぁ、このまま酒に溺れて死んでしまいたい……。
「ちょっと、あなた、昼間っから、少し飲みすぎなんじゃないの?」
「ママ、これが飲まずにいられるかって話でしょ……。もう3日もミシャの声聞いてないんだよ?俺の人生はもうおしまいだよ……。」
「何を大げさに。それに、今日はあなたのお誕生日でしょ?今日はリースと私でご馳走作るんだから、夜になって飲みすぎだから食べられないとか許さないわよ!プルとメリルとシャクヤクの3人も今日のパーティーの為に遠征から帰ってきたんだから。」
「ん?あぁ、俺、誕生日か、あ?じゃあ、今日で30か……。」
「そうよ、今日から30歳なんだから、しゃきっとしてよね。」
「でもさ、ミシャが……。」
「ミシャだって本気でパパが嫌いなわけないでしょ。あのくらいの歳の女の子なんて、特に理由なんかなくても、パパには反抗したいものなのよ。ほぅって置けば、その内普通に戻るわよ。」
「そうなのかな……。」
「そうよ、だからビールはもうこれでやめて、やることないなら、庭のお花に水でもやってきて。」
「はぁい……。」
夜になると、皆が俺の誕生日を祝うパーティーを開いてくれ、各々が楽しい時間を過ごしていた。
俺はどん底な気分だけどね……。
ミシャは隣に座ったプルと楽し気に話している。
年齢は大分離れているが、どうも精神年齢が近いようで、メンバーの中ではプルが一番仲良しらしい。
この際だから、プルから情報を引き出せないかなと漠然と考えながら、二人の方をボーっと見ていると、ミシャと視線が合った。
ミシャは案の定プイっとそっぽを向いてしまったが、プルと何やら話をし、背中をポンポンと叩かれると、怪訝そうな顔で席を立った。
俺は、ミシャにそっぽを向かれたのがショックで、がっくりと肩を落としていると、目の前に、勢いよく紙袋が置かれた。
何かと思って顔を上げると、ミシャが腕組みをしてそっぽを向いたまま言った。
「パパは売るほどビールがある様だから、私からのプレゼントなんか要らないかもしれないけど、私が持ってても仕方ないから、あげる!」
俺は、即座に反応出来ずに、顔を上げたり下げたりして、口をパクパクさせていると、後ろから、背中を勢いよく叩かれた。
「ほら、パパ、良かったじゃない、ミシャがパパに誕生日プレゼントだって!ミシャお小遣いで買ってくれたんでしょ?偉いね。」
「別に、いつもパパが私にしてくれることを考えたら、こんなの普通だし……。」
「ミシャ……。」
「もう、あなたったら、顔が大変なことになってるわよwほら、これで顔拭いて。」
「だって、パパ、ミシャに嫌われたのかと思って……。」
「別に、嫌ってなんかないし……。」
「ミシャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
「もう、パパ近すぎ、ウザい、離して!」
「ミィシャァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
女の子の父親って、本当に難しいんですね……………。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
感謝の言葉しかありません。
よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。
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私父親というものになった経験がございませんので、全て想像で書いておりますが、それでもやはり、お子様を育てるというのは大変な労力を要する行為だろうと想像しております。
子は日本の宝と申します、全ての日本の親御様に、感謝と敬意を表したいと思います。




