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異世界に転生したらものの5分で最強セージにエンカウントした俺のその後の話  作者: すずき 虎々


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49.リコレクション

数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。

読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

「しかし、この世界って、よくできてるよな。」


 夕食の席で、俺はふとそんなことを口にした。

 誰に向けたわけでもない。ただ、思ったことをそのまま言葉にしただけだ。


「また急にどうしたの?」


 リースがスプーンを止めて、俺を見る。


「いや、別に……。ただ、改めて思っただけだよ。国という概念を作らずに全世界が共通の経済圏で纏まっていて、種族間の紛争や対立もなく、この構図を描いて実際に立ち上げた人って、天才だなと思ってさ。一つは人類共通の敵を作ってあって、その敵があまりにも強大であり過ぎず、それでいて途切れることが無いように出来てるから、人類同士で争うという発想が起きにくく調整されてるってところが素晴らしいじゃん。もう一つは課税だよ。稼ぎが少ない人にとって、平等にとか、公平にとか言われて税金を取られると、もうそれ以上何かもう一つ上のステージにって思うことが難しくなるというか、そこで人生が小さく纏まってしまうんだけど、そういう人達から税金を取らずに、むしろ最低限の収入を確保出来ない人に対して、保証するというシステムが素晴らしい。そして、この世界自体が、エネルギー産業での安定収入を確保してるから、高所得者への過剰な課税もしないから、不満も出にくい。そもそも論として、世界を運営するための資金を税金ではなく、世界自体の収入で賄おうという発想が素晴らしい。こんな世界は、おそらくそう多くはないと思う。」


「え?それってどういうこと?世界って、この世界だけじゃないの?」


「この広い宇宙に、知的生命体が俺達だけと考えること自体、傲慢以外の何物でもないんじゃないかな。ましてや、パラレルワールド的な考え方だってあるわけだし、あらゆる世界があって当然だと思うよ。」


「ん?んんん???ますますわかんない、宇宙って何?」


「なるほど、そこからか……。じゃあ、リース、この世界は平らか?丸いか?」


「は?丸かったら、立っているのだって大変じゃん!平に決まってるでしょ?」


「うん、不正解。丸いといっても、広大な表面積を誇る星だから、人間のような矮小な生命体からすれば、ほぼ平の連続なんだが、ほぼ平の地面が、ほんのり曲がっていくと、最終的には丸になるんだよ。そして、この星は丸いんだ。星というのは、大体が球体なんだよ。信じられないくらい巨大なな。」


「ちょっと、皆フィン君がおかしな話してるよ。この世界が丸い球体だとか、意味わかんないよね。」


「……………………。」

「……………………。」

「……………………。」

「zzzzzzzzzzzzzz。」


「オイ、一人寝てんなぁ……。」


「って、何この沈黙、え?フィン君の言ってるのが正解なの?」


「リースって、子供のころから、皆の世話焼きみたいな感じだったから、学校に行ってもちゃんと勉強してなかったもんね……。」


「ちょ、レイア……。」


「いや、リースの基礎的な学力の話は置いといて、魔物を人類共通の外敵として、完全に排除しなかったのも大きい。ダンジョンて、つまりはアレだろ。地上にあふれてた魔物を倒して迷宮核使ったんだろ。そして、それを完全に根絶やしにするんじゃなくて、人間の力でなんとか対処出来て、それでいて途絶えることのない様に、絶妙なバランス感覚で残されてるんだろう。最早神業としか言えないだろこんなの。って、実際問題神様がやったんだろうけどさ。」


 魔素は、空気中に漂っていて、それが物質に定着すると、魔物になる。

 魔物を倒せば魔物を構成している魔素は霧散し、またどこかで再結合して、魔物になる。

 それを繰り返すので、魔物は減らない。

 倒しても、一定の期間が経てば、また現れる。

 それが“リポップ”ってやつだ。


「昔、神様が倒した魔物も、おそらく復活してたんだよな。だから、生活圏がいつまでたっても浸食されたままだった。それで、解き放たれたままの魔素を迷宮核で集めて、ダンジョンを作ったと。あの迷宮核も、元々はそのための道具だったんだ。」


 俺は、スープをひとくち飲んで、続けた。


「ただ、中央大陸のあのダンジョンだけは、絶対適当に作ったに違いないと思ってるんだ。あんなの人が中に入ることなんて、絶対に想定していないと思うんだ。アレが、あのままどうにもできないものだったなら、マジで迷惑極まりない遺物だったんだろうけど、迷宮核さえあれば、中身を作り替えられるというのは、本当に助かったよ。あの機能が無ければ、魔王ダンジョンやカーミオのダンジョンでは物足りないし、中央大陸のダンジョンに入れば即死確定とか、無理ゲー過ぎるだろ。」


「無理ゲー?」


「あぁ、これも聞き流してくれ。俺の故郷の言い回しみたいなものだから。」


「フィン君の故郷か……。行ってみたいなぁ。」


「えぇと、行ったらお互い色んな意味でパニックになるだろうな……。」


 食器の音が止み、夜の静けさが戻ってくる。


 俺は、窓際に座り、カップに入ったワインを飲みながら、夜空を見上げた。


 星が、魔鉱石の欠片みたいに瞬いていた。



「ホント、この世界は、よくできているよ。だからこそ、大切にしないといけないんだよな……。」


最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

このお話が面白いと思っていただけたなら、評価やコメントなどいただけるとありがたいです。

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