36.安心安全メリル強化大作戦発動!
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リースとレイアが戻ってきた。
これでパーティーメンバーは6名になった。
ただ、正直な話をするのであれば、シャクヤクさんはタンクで、リースはボウガンを使うレンジャー、レイアが双剣使いのアタッカー、メリルがヒーラーで、プルが召喚士。
プルは以前は虫専だったが、最近はバルログ、蚩尤、フェンリル、シャクヤクさんと、最後はまぁアレとしても、炎最強と氷最強と言っても過言ではない火力を誇っていると言えるろうし、蚩尤ついても、単体力としてはまぁ置いといて、デバッファーとしてはかなり優秀な部類に入るだろう。
俺のバフがあれば、相当いい線行けるメンバーだと言えるだろうし、無くてもそこそこの線は行ける、それなりに優秀なメンバーと言えるだろう。
ただし、そこに俺がいる必要性が感じられない。
俺がいる場合と、俺がいない場合での戦闘を比較した場合、例えばダンジョンの到達階層を比較してみたと仮定した時、俺がいるからたどり着けたとする階層と、俺がいなくてもたどり着くことの出来た階層にほとんど差が出ない。
これは、ひとえにヒーラーの限界値に起因するのではないかと考えている。
一定の耐久値を超えるダメージを受けた場合、メリルでは内臓や血液の製造が出来ないことが原因で、ヒールで表面的に治せたとしても、その後の症状を改善させられないので、死に至る。
当然深い階層に潜るチャレンジをしていたとしても、味方を殺してしまった時点で、それはもうゲームオーバーと言えるだろう。
ならば、完全回復させることの出来る俺がいれば、この問題はクリア出来るのではないかと思われるかもしれないが、意外とそうでもない。
メリルの限界階層の次の階層に俺付きで潜ったとしよう。
そうすると、今度はメリルの限界ではなく、他のメンバーの耐久力の問題が発生しだし、更にもう一階層下に潜ると、ほぼ全員が魔物の攻撃に耐えられずに次々と死に至るのだ。
では、俺が単独で潜るとしよう。
そうすると、おそらく魔王ダンジョンでは魔王を討伐出来ると思う。
カーミオダンジョンでも、最終階層に到達出来るだろうし、中央大陸のダンジョンであったとしても、仲間への被害を考慮せずにそれなりの火力の魔法をぶっ放せるなら、少なくても1階層目は攻略出来そうだなと考えている。
つまり、何を言いたいのかというと、俺がいてもいなくても一緒なのであれば、俺の同行無しでパーティーを組んでもらい、Aランク程度の討伐をこなしてもらい、俺は俺でSランク依頼をこなしまくると、お金が沢山貯まって良いことづくめなのではないかと提案したいのだが、そんなことを言い出したら、天上天下唯我独尊とか、自己中野郎とか、好き放題言われそうなので、今言い方を考えている。
「君達さ、タンクにレンジャーにアタッカー、ヒーラー、サモナーと、何気にバランスの取れたパーティーな気がするんだけどね。ただ、俺単体で君らに勝てないかと言われると、多分勝てちゃうんだよね。そうなると、非常にバランスの悪いパーティーということになってしまうから、今後、君達は俺抜きで、Aランク討伐依頼をこなしまくって、連携強化と個人の地力強化に努めてもらいたいかなと思ってるんだけどどうだろう。」
「その間フィン君は何をするの?」
「俺、単体でSランク以上の討伐こなしまくって、お金を貯めつつ、皆に役立つアイテムをゲット出来ればなと考えていたんだけど。」
「そうだね、いいかもね、フィン君程ではなくても、私達もある程度は稼げるだろうし、Aランクの依頼でもそれなりのアイテムは出るだろうし、それを売るんじゃなくて、それぞれに適したアイテムが出たら、各自で使うようにすれば、更に各個人の強化につながるんじゃない?」
「君達の地力アップに最も重要なピースがあるんだけど、それは、メリルの魔力上昇なんだよね。」
「それは、どういうことでしょうか?」
「うん、実は俺、ずっと考えてたことがあったんだけど、要はさ、ダンジョンに潜ったとして、どの段階でそのパーティーの限界になるかというと、死人が出るタイミングだと思うんだ。じゃあ、死人が出なければ、何処までも戦えるのかというと、それもまたちょっと違うのかもしれないけど、それはちょっと置いといて、例えばシャクヤクさんが捌ききれないダメージを負ったとか、レイアがしくじって動けなくなったとか、パーティーで行動していれば、色々な事は起きるけど、でもメリルが全てを回復してくれさえすれば、それまでのダメージが無かったことになれば、まだ戦えるということになるでしょう。でも、メリルはもちろん、一般的なヒーラーだろうが、治療院の治癒士だろうが、俺のようなクリエイトが使えない時点で、失った血や、傷ついた内臓を回復させることは出来ない。だったら、クリエイトが使えなくても、ある程度の血液や内臓の損傷を、自分の細胞を使って回復出来る魔法さえあれば、完璧な治癒とまではいかなくても、少なくとも俺の所に連れ帰るまでの延命が出来さえすれば、死ぬことはなくなるし、死んでいなければ、俺なら完治させることが出来る。ということで、作ったんですよ。そうだな、“アルティメットヒール”とでも言おうかな。ただ、やっぱり、世の中そんな簡単に物事解決するわけがなく、このアルティメットヒールを使うには、尋常じゃない程の魔力を消費するわけよ。まぁ、もったいぶっても仕方ないので、言うけど、魔力を8万消費するんだよね。今のメリルの魔力総量じゃ、とてもじゃないけど使えないというか、余裕で総量超えてるでしょ?しかも、これバッテリーでなんとか出来るような量でもないし。なので、まずは、第一目標として、メリルの魔力を上げることの出来るアイテムをとにかくゲットする。それがうちのパーティーの最優先課題ということになるかな。」
「なるほどね、死にさえしなければ、何とかなるということね。確かにそうだったものね。あの時、誰一人として、レイアが今、息をして普通に生活出来ている未来なんて想像できなかったと思うけど、でもフィン君はそれをやってのけた。つまり、フィン君の所まで命の火を絶やさずにつなげられれば、それはもう私達の勝ちと言ってもいいだろうし、その為のメリルちゃんの魔力総量と考えれば、私達全員分の命綱みたいなものだし、そうと決まれば、それ系のアイテムなんかがドロップしたダンジョンを片っ端から潜ってみようよ。」
「なんだか、私の為にすいません……。」
「違う違う、メリルちゃんの為なんじゃなくて、私達全員の命を繋ぐためなんだから、むしろメリルちゃんにはありがとうだよ。」
「えぇと、えぇ?そうなんですか?」
「「「うんうん。」」」
「よし、じゃあ、“安心安全メリル強化大作戦”発動だな!」
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