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異世界に転生したらものの5分で最強セージにエンカウントした俺のその後の話  作者: すずき 虎々


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22.冥界と天界を隔てる結界が限界

数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。

読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

 5年前~金竜の部屋~


『リーフ、貴女にしか頼めないの。』


「懐かしいの、我をその名で呼ぶものはもう其方だけかもしれぬ。」


『今はまだ、シェラの足を止めるわけにはいかないの、神獣の脅威はまだ続いている。』


「それは承知しておる。我は何も嫌だと言うておるわけではないのじゃ。自信がないのじゃ。冥界と天界を隔てる結界など、我の力でどうにかなるとは思えんのじゃ。」


『そこはほら、私だって、ただ何もせずにお願いするわけじゃないわ。必要があれば、ファクトチェンジがあるから、貴女の力を何倍にだってすることが出来る。』


「う~ん……。わかった。其方がそこまで言うのであれば、協力はしよう。ただし、我の力を遮る方の結界は、しっかりと頼むぞ、その状態の我を放置すれば、どんな邪悪な者の依り代にでもなってしまいかねないのだからの。」


『安心して、そこは私よりもイアロの方が得意だから、イアロに頼んであるわ。』


「一抹の不安を煽る名じゃのう……。」



 冥界~某所~


『あぁ、さっきのが三途の川だったんじゃろうな。』


『しかし、誰もおらんのじゃの、ここは……。閻魔様もおらんのかい。』


『ワシは死んだんじゃろうが、それにしてもなんだか、ここは少しばかりおかしいんじゃないのかのう。』


『ん?ありゃなんじゃ?あの光は……。あそこに行けということかい。』


 老人の霊体は、彷徨っていた。

 本来進むべき道からは、とうに逸れているのにも気づかず、只々、赴くままに進んだ。

 目指すは、遠くに見える、黄金色に輝く場所。


『あんなに輝いているんじゃから、きっと天国か何かだろうよ。』

 老人はやがて黄金色に輝く物がある場所へたどり着いた。

 そこにあったのは、巨大な牢獄のような物の中で、山のような巨体を黄金色に輝かせ、神々しさすら感じさせるような、竜の像だった。

 なぜこんなものが、こんな場所にあるのか。

 誰が、何の目的で置いたものなのか。

 何一つ、一切わからなかったが、その竜の像を覆う牢獄のような岩は、竜のサイズであればそのまま捕らえることが出来るのだろうが、人ほどのサイズであれば、いくらでも行き来が出来る造りとなっている。

 ただ、人が通ることを想定している部分もあり、そこにはしめ縄が張られ、門柱にはお札がびっしりと敷き詰められていた。

 が、地面に一枚のお札が落ちている。

 通常であれば、そのお札は柱にしっかりと貼り付けられていなければならない。

 もし、そのお札がちゃんと貼られていたのであれば、老人がここにたどり着くことはなかったかもしれない。

 そのお札は、他のお札と一緒に効果を発揮するもので、ちゃんと貼られていれば、強力な結界を発生し、中にある竜の像を、視認することも出来ないような仕組みになっていた。

 当然、結界を突破するにも、相当難解な魔法を駆使しなければならなかっただろうし、それなりの魔力が必要になっただろう。


 地球の人間は、魔法を忘れて、はや数千年が経過している。

 この結界を敗れる術式を構築できる者もいなければ、起動に必要な魔力を持つ者もいない。

 つまり、この結界があれば、何の問題も起きるはずがなかったのだ。


 だが、問題は起きた……。


 見えないはずの物が見え、たどり着けないはずの場所にたどり着き、越えられないはずの境を越え、触れられないはずの物に触れる。


 種の存続のための、本能としての生殖。


 その理を覆し、一人の赤子が生まれる。




「あの、カオウさん。スミレさんも、この状態の古竜様に触れたことはないんですよね?」


「「ないわ。」」


「なるほど、ちょっとだけ、触れてみてもいいですか?」


「別にかまわないんじゃない?」


「母様も一応女の子だから、変なところ触っちゃダメよ。」


「えぇ、古竜様には触れませんよ、っていうか、触れられませんよね。結晶体に触れるんです!」


 俺は、誰も喜ぶ者のいない、空しい突っ込みを入れつつ、古竜を覆う結晶の観察を始めた。

 結晶体の状態としては、非常に硬度が高いように見えたので、“クリエイト”で、採取用に使えそうな、ハンマーやピンセット、空容器などを作り、結晶の先端を叩いてみたりもしたが、軽い力では、先端といえどもビクともせず、そこそこ破壊する気持ちで、振りかぶって殴ってみても、反動で手が痺れるだけで、傷一つ付かなければ、欠けることもなく、頑丈は頑丈なんだけど、そういう感じではなく、魔法的な力を感じるのだった。


「ホントにビクともしませんね。」


 今度は魔法による干渉が可能かどうかを確認するために、水属性の魔法で、電動丸鋸の刃のような物を作り、それを回転させて結晶体の切断が可能かを実験してみたが、今度は、刃が結晶体に触れると同時に、水の刃は霧散し、魔素へと返ってしまった。


「これは検証は無理っぽいな……。」


「フィン、ババ様はどうなるのかえ?」


「今のところは全くもって何にもわかりませんが、おそらく、どうもならないと思います。古竜様の元の御姿を知らないので、なんとも言えませんが、ミシャを見てる分には、衰弱している様子もないですし、たぶんこれ、生きてる人が次元収納に入っちゃった的な状況なのではないかと思います。つまり、ミシャと古竜様の時間が停止していると考えるのが妥当なのかなと。はっきりとしたことは何もわかってないので、推測にはなりますが、おそらく古竜様の現状とミシャの封印には因果関係があると思います。ミシャの出生についても、おそらく古竜様が何かしら関係していると思います。ただ、これはこの地上ではわからない領域の話だとも思います。つまり、神様にでも会わなければ、この状況を理解するのは難しいと言うことになりますね。」


『だったら少し話てみる?』


「「え?」」


『貴方達をご招待してあげましょう。』


 俺達は、突然どこかに飛ばされたような感覚を覚えた。

 そして、一瞬にしてホワイトアウトのような感覚に陥るが、ホワイトアウトではない。

 視界に入るもの全てが白い世界。

 見覚えがある、というか、つい最近お邪魔した場所、天界だ……。


「ここはどこじゃ。」


 シャクヤクさんは初めてだろうから、辺りをきょろきょろと見回して、それでいて、全く理解が追い付かずに、完全にテンパっている。


「ようこそ天界へ。私はキラ、貴方達の世界を統べる神です。」


最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

このお話が面白いと思っていただけたなら、評価やコメントなどいただけるとありがたいです。

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