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異世界に転生したらものの5分で最強セージにエンカウントした俺のその後の話  作者: すずき 虎々


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14.ミシャの中の人

数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。

読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

 お腹が空いたというミシャの好きな食べ物を知りたかった俺は、リクエストを聞いた彼女の口から“カレーライス”という言葉が出てきたことに驚きを隠せずにいた。


 リースにカレーライスを知っているかと尋ねても、首をかしげるだけなので、この世界にカレーライスが存在するとは思えないが、一応念のため、ライブラさんに確認してみた。


『ライブラさん、つかぬ事をお尋ねしますが、この世界にカレーライスという物は存在していますか?』


 [回:この世界にカレーライスという物は存在しませんが、マスターの記憶から解析した結果、同様の味を再現するための材料は存在します。]


『であれば、カレールーをクリエイトで作ることも可能?』


 [回:可能です。]


『ん?ちょっと待てよ、ライブラさん、カレールーを何もないところから作れるということは、もしかして、食材をクリエイトすることも可能?』


 [回:可能です。]


『豚肉的なものってある?』


 [回:ピープ肉の使用を推奨します。]


『え?ということはだよ、俺、今まで飯の為に結構なお金を使って来たけど、もしかして、自給自足出来ちゃう?』


 [回:可能です。]


『マジか……。今まで結構無駄遣いしてたのね。ちょっと待て、じゃあ、俺もしかして、働かなくても、俺が魔力を回復してしまえば、永久に衣食住に金掛けなくても良いって事じゃん。俺ってもしかして、局地的永久機関?』


 [回:可能です。]


「クリエイト。」


 俺は、魔法で食材を調達すると、作り慣れたカレーを作ることにした。

 何を隠そう、独身の30歳なりたての男なんて、金もあるわけじゃないし、生きていくためには自炊の一つや二つ出来なくては成立しないのだ。

 部屋の環境整備にだって気を遣う、いくら着ていく服を小綺麗にしたところで、部屋の中が異臭を放つような状態では、どうしてもその匂いはしみついてしまうので、部屋の中にも気を使わなくてはならない。

 それは何故か!世の中には、女性という男性とは異なる性質を持つ性別があるからです。

 男同士ならさして気にならないようなものでも、女性の前にでるのであれば、配慮が必要になるのです。

 これはちょっと小耳にはさんだ話だけど、男性が良い匂いと感じる匂いと、女性が良い匂いと感じる匂いには若干の差があるようで、どちらの性別の人も良い匂いと感じる匂いは、シャ〇ルのなんとかこんとかという、あぁ、なんだっけ、なんとかパルファム?いや違うな、なんとかかんとかの、なんとかパルファム?ダメだ、わかんない。

 まぁ、とにかく、限られたものだけらしいので、男性諸君、気を付けるように。

 話が大幅にそれたが、ようは、独身男性だったし、高い給料を貰っていたわけではないので、当然自炊くらいしていました、という話なのだが、ことカレーにおいては、拘りがあるのですよ、ワタクシには……。


 ただね、ルーもクリエイト産だし、あまり過度な期待は禁物ですよ。

 と、思っていたら、俺の記憶ベースの配合だからなのか、とても美味いカレーが出来た。

 ただ、カレーというものは、俺が美味いと感じるからと言って、隣の人が美味いと感じるかと言えば、答えは“否”だ。

 これには成育環境というものが、大いに関係してくるのだ。


 まずは、酸味つよつよ系カレーか、コクウマカレーか、大別するとこの2種に分かれ、そこからはもう好みの問題なので、多岐に分かれることになる。

 自信はあるが、確信はない。

 そんなカレーが出来上がったので、皆を呼んで早速いざ実食!


 手ごたえは悪くない、というか、むしろ上々と言えるのではないだろうか。

 リースとレイアは貪るように食べ、無くなるとお代わりを要求していたし、何もしゃべらなくても、その表情を見れば、満足しているのがわかる。

 シャクヤクさんは、まぁ、大体何を食べていてもこんな感じなので、少なくともマズイとは思ってはいないようだ。

 シャクヤクさんについては、質より量が重要となる。


 問題はミシャだ。


 カレーを食べたいと言ったのは彼女だが、その表情は微妙なものとしか言いようがない。

 微妙というよりは、なんだか評論家のような顔で、頷いたり、驚いたり、小首をかしげたりと、子供が美味しいものを食べて喜ぶという感じの表情ではないところが気になる。


 俺はついついミシャに尋ねてしまった。


「口に合わない?ちょっと辛すぎたのかな?」


 するとミシャは、食べていたスプーンを皿の上に置いて、俺を見上げた。


「美味い、子供用と侮って、甘ったるくしたものでも出そうものなら、皿毎叩きつけてやろうかと思っていたが、しっかりルーの味を生かしつつも、ミルクと果実の身を煮込んであって、コク、酸味、甘味、旨味、そして辛さのバランスが絶妙じゃ。十分及第点を出せる代物ではあるぞ。しかしながら、ワシならここに隠し味として、コーヒーを入れるだろうな。そうすればルーの味は完璧になっただろう。あと、この肉、ピープ肉だったか?これの下処理が良い、臭みがなくなるまでじっくりと煮込んであるのに、パサついておらずジューシー。それでいて噛むと溶けるようになくなっていく。この処理は優良。全体を通してみても、ワシが美味いと言ってやれる代物となっておる。」


「……………………………。」

「……………………………。」

「……………………………。」

「……………………………。」

「……………………………。」


「めっちゃしゃべるやん!しかもお年寄り風!!」


 俺はついついそうこぼしてしまった。

 するとミシャは不敵な笑顔を作り、そのかわいらしい声とのギャップが激しい言葉を放つ。


「誰もしゃべれないとは言っとらんだろう。ただ、どうもこの年頃の子供の話し方というのが馴染まんので、しゃべると驚かれるんじゃ。だから用が無ければ話さないというだけのことじゃよ。」


「え?えぇ?え?ちょっと待った、中身おじいちゃん?あ、いや、ちょっとミシャちゃんこっちに来て。」


 おれは混乱しながらも必死に頭の中を整理して、とりあえずこの場で皆に話を聞かれる前に、状況を確認しておく必要があると判断し、ミシャを隣の部屋に連れて行った。


「ミシャちゃんは、この世界の人じゃなくない?」


「そのとおりじゃ。」


「ていうか、日本人?」


「そうじゃ、フィンもそうなんじゃろ?」


「そうだけど、なんでわかったの?」


「初めて会った時に持っておったのが“たい焼き”に“おにぎり”じゃからの、あの組み合わせでピンと来たんじゃ。コイツも日本人じゃないのかとな。」


「でも、この世界には日本の食文化が定着してるのに、それだけでわかったの?」


「まぁ、はっきりとわかったわけではないが、何となくそうじゃないかと思っただけじゃ。ただ、これははっきりとわかったぞ。フィンは普通じゃない力を持っているとな。ライブラとはなんじゃ?」


「え?どうして?」


「ワシはな、聞こうと思った相手の心の中が見透かせるのじゃ。ただ、フィンの心を読もうとした時、フィンの声とは別の、雑音のようなものが聞こえたんじゃよ。その雑音が何を言ってるのかはわからんが、フィンがその雑音をライブラさんと呼んだり、会話している風に聞こえたんでな。ワシと同様に特殊な力を持っているのではと思ったんじゃ。さぁ、ワシは話たぞ、今度はお前の番じゃ。」


「あぁ、うん、まぁいっか、ていうか、好都合か。俺は30で事故死して、この世界に来たんだけど、確かに神様に特別な力を与えてもらった。ライブラっていうのは、鑑定とか解析とか、そういう感じの事が出来るスキルだよ。あと、神様からもらった力で、魔法がかなり得意になったかな。あらゆる魔法を行使することができるよ。」


「ワシも魔法なら使えるが、ワシの場合は戦闘には全く使えないものばかりじゃ。この体事態も若くて健康だが、いかんせん脆い。なので、ワシを戦闘に巻き込むなよ。」


「戦闘に関しては、俺とシャクヤクさんで十分間に合ってるから大丈夫だよ。それにしても、そのしゃべりかたにその容姿と声は違和感しかないね。」


「これでも、大分馴染んできたんじゃ。最初に比べたらな。あと、感覚というのか、そういうのも変化してきているというか、ワシはこの通りもとはおじいちゃんと呼ばれるような歳じゃった。68じゃ。足腰も大分弱っていたし、糖尿ももってたからの、インスリンが手放せなかったんじゃが、この体は良い。自分の歯があるし、目が見えるんじゃ。近くても遠くても、明るくても暗くても、腰が痛くて朝起きるのも苦労していた体が、今じゃ朝になると飛び起きることが出来るし、いつまでも寝ていることも出来る。寝て起きれば元気いっぱいよ。どこまでも走り続けることが出来るし、じっとしていても足も腰も痛くなんてならん。若いということが、これ程尊いことだったのだと、初めて気づかされたわ。ただ、女子の体になってしまったからの、色々と困りごとはあるんじゃが、それも最近では気にならなくなってきておるんじゃよ。心持も順応してきているかのようにな。」


「そうなんですか、俺は30から16なので、それ程差を感じませんけどね。」


「その体を大事にせぇよ。若いうちは無理が効くからと、無鉄砲を繰り返せば、歳をとってから辛い思いをするんじゃぞ。」


「あ、はい、わかりました。って、これじゃどっちが親だかわかんないな……。」


「まぁ、そんな些末なことは気にせんでも、その内馴染むじゃろ。」


「そういうものでしょうかね……。 あ、ただ、このことは二人の秘密にしておきましょう。他の人が聞いてどうなるかが不明瞭なので、別に自分達で吹聴して歩く必要があることでもないでしょうし、我々の出自を知らないからといって、誰かが不都合を感じることも無いでしょうし。あと、やっぱりミシャさんは人前ではあまりしゃべらないでください。違和感しかないのでw」


「そのつもりじゃよ。」


 こうして俺は、ミシャの驚くべき正体を知ることとなったのだが、この後、知ることとなる事実に比べれば、これはほんの序の口ということになるのだろう。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


一件告知事項があります。

明日の15話から、勝手ながら公開時間を20時から21時に変更させていただきます。

ご愛読いただいている皆様方にはご迷惑をおかけすることになるかもしれませんが、なにとぞご了承のほど、よろしくお願いいたします。


このお話が面白いと思っていただけたなら、評価やコメントなどいただけるとありがたいです。

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