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異世界に転生したらものの5分で最強セージにエンカウントした俺のその後の話  作者: すずき 虎々


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13.異世界に転生したら養父になった件

数ある作品の中から、私の作品を見つけてくださり、ありがとうございます。

読んでいただける方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

 俺達が自宅に戻ると、そこではとんでもない事態になっていた。

 以前見つけた迷子の青い髪の女の子が、俺の自宅のソファに座っていたのだ。


 いや、ここが街の中であるなら、まぁこういうこともあるかくらいで済む話かもしれないが、まず、ここは街中ではない。

 そして、この子が児相からここまでを歩いてくるというのも、なかなかに無理がある話だし、外には魔物がいるのだ。

 まして、この子は俺の家には来たことが無いので、場所を知っているというのも不自然だし、たまたま偶然見つけた家が俺の家だったというのも、これまた無理がある話だろう。

 ということで、今挙げただけでも、数々の不思議がぎっしりと詰め込まれているが、これまた、考えてもわからないことに時間をかけて悩むのも無駄というものだ。

 俺は、シャクヤクさん達に家で休んでいるように伝えると、青い髪の女の子に、どうしてここにいるのか、どうやって来たのかなどを尋ねるが、相変わらず返答は帰ってはこなかった。


 仕方が無いので、俺はこの子を連れて児相に転移することにした。


 児相に着くと、児相内がざわついているように見えたので、中に入っていくと、職員の一人が俺を見るなり駆け寄ってきて、よかったと声を上げた。


 他の職員に大声で「青ちゃん見つかったよ~!」と伝えると、改めて俺に向き直り「ありがとうございます、この子が突然いなくなって、皆で探していたんです。」と言った。


 俺はこの子が、街の外にある俺の自宅のリビングにいたことを伝えると、児相の職員は騒然としていたが、結局、今回の事態を明確に説明出来る者はおらず、皆の頭の上には?マークが見えるような気がしたが、実は俺の頭の上にも?マークがついていたかもしれない。


 とりあえず、俺はこの子を児相に預けると、児相を出て、転移で自宅に戻った。

 児相を出てから、一人で転移を使ったのだ。


 俺が家に戻ると、その直後に、青い髪の女の子が再びリビングのソファの上に現れた。


「え?」


「「「?」」」


 俺は今、確かに一人で転移したはずで、俺の周りには誰もいなかったはずだった。

 しかし、この子は今、俺の目の前で俺の家のリビングのソファの上に転移してきた。


「あぁ、これ児相じゃ無理なやつだ……。」

 俺は、再びこの子を連れて児相に行くと、児相の責任者との面会を求めた。


「この子が何をどう思っているのかはわかりませんが、どうやらこの子は転移の魔法を使えるんじゃないかと思うので、ここでこの子を見るのは難しいんじゃないでしょうか。」


「今まではおとなしかったんだけどね、まぁ、何も話さないから、おとなしいも何もないんだけどね、ただね、魔法となるとね、確かに他の機関に協力を要請しなくてはならない場合もあるよね。」


「そこで、なんですが、俺がこの子を引き取ることは可能でしょうか。」


「法令上は問題はないはずだね。貴方は確か、満15歳を超えているんだよね?」


「はい、今は16です。」


「うん、成人しているのであれば、後は安定した収入もしくは、一定以上の資産を所持していて、人格的にも問題がなく、周囲にこの子を健全に育成する為の補助をしてくれる人がいれば、むしろ、こちらとしてはありがたい話ではあるんだけど、資産状況とかお話してもらえる?」


「はい、大丈夫です。今現在の話だと、俺は今Sランク冒険者証の発行を待っている状況で、厳密にはこの街以外では、まだSランクとは認められないようですが、ついさっきも、ハーコッテでSランク討伐をしてきたばかりなので、まぁ、Sランク冒険者と考えていただいて差し支えないと思います。前回と今回の討伐で得た収入が、併せて50万ミル程度ですが、今後もある程度は稼ごうとは思っています。さっき話したハーコッテでの討伐で、言語に障害が出てしまった女の子の面倒を見ることになったんですが、その子の幼なじみの女の子が、その子の面倒を見るために一緒に生活するとの同意を得ているので、この子の面倒を見るうえでも力を貸してもらうことが出来ます。あと、これは裏付けの取りにくい話にはなると思うので、単なる俺の言葉でしたありませんが、幼女に対する性的な嗜好を持っていないと誓います。この子が、この才能を十分に生かして生きていけるように、正しく育成することも、併せて誓います。」


「わかりました、一応後で、貴方の口座の残高を確認させてもらっても良いですか?」


「はい、もちろんかまいません。」


 こうして俺は、この青い髪の女の子を、養父として引き取ることになった。

 法的な手続きを済ませ、ギルドに行って、口座の残高を確認してもらい、十分な生活能力を証明出来たので、最後に教会に行って、宣誓をすれば終わりと言われ、教会に行った。


 教会では、宣誓の文言を言った後に、キラ神様の像に手をかざすと、宣誓が真実ならば眩い光が差し、宣誓に偽りありと認められた場合は、キラ神様の像から、血の涙が流れると説明され、宣誓をするように促された。


「我この清浄なる魂を 正しく導き誘うことを誓います」


 おれが言われた通りの宣誓をすると、キラ神像の背後から暖かい光が差し、礼拝堂全体を優しく照らすと、やがてその光は静かに消えていった。


 俺に宣誓書を手渡してくれた神父が、これで手続きが、全て完了したことを告げてくれた。


 このシステムがどういう仕組みになっているのか、俺には全く理解できなかった。

 俺が今どういう心情でこの宣誓書を呼んだのかを把握する術があるとは思えない。

 しかも、今後、今の考えが変わる可能性だってあるし、突然おれが不埒者に変わる可能性だって捨てきれない。

 本当に今の俺の考えと、未来を見据えて間違いないと断定できるとしたら、これはものすごいシステムだ。

 神の御技と一言で済ませるにはもったいない技術だと思うが、残念ながら、今の俺には全くその構造について、想像もつかない代物だが、それを解明したいとも思わなかった。

 ただ一言「すごいな……。」とつぶやくだけで、ファンタジーのような世界であれば、そういうこともあるのだなと、納得してしまっていた。


 俺達は家に戻ると、休んでいた3人に、青い髪の女の子を紹介しようと思ったが、既にシャクヤクさんは寝ていたので、リースとレイアに一緒に暮らすことになったことを話した。


 リースの方には、女の子の世話をするにも、俺が男である以上、不適切な部分もあると思うので、手伝ってほしいと伝えると、もちろんと言って、快諾してくれた。


 レイアは相変わらずちゃんとした会話は出来ないが、俺が言った言葉を理解しているようで、青い髪の女の子の前でしゃがみこんで、頭を撫でると、「おーえ」と声を出し、右手を差し出して、握手を求めるようなしぐさをしていた。


 これはつまり、俺が言った事を理解しているのであれば、まず、耳が聞こえているということと、その聞こえた音を言語として認識できているということ、ようするに、記憶を失っていない可能性が、一段と増してくると言うことだ。


 この家には、まったく話をしようとしない青い髪の女の子と、話したくても話せないレイア、その世話をするために来てくれたリース、そして、食べている時以外は寝ているシャクヤクさん、そして俺という5人で生活することになったのだが、俺以外の性別が全員女という、非常に肩身の狭い環境になってしまった。

 これでは事故が起きてしまうのも必然だ。

 そういう事故をむしろ歓迎する人も多いかとは思う、男性ならば。

 だが、俺はそうではない、全ての男性がラッキースケベをラッキーと感じると思ったら大間違いで、俺の場合は、逆に変な意識をしたり、気まずくなったりすることをストレスに感じるので、そもそもの話として、そんな事故が起こりようのない環境を整備すれば事足りるのだ。


 ということで、俺は、どこまでも結界の届く範囲であれば、俺の敷地と言い張っても良いそうなので、今度、貰って来た屋敷の横に、俺専用の家を作ることにしよう。


 それはさておき、青い髪の女の子を、いつまでも青い髪の女の子と言うわけにもいかないし、そもそも言いづらいというか長いので、名前を教えてもらう、若しくは名前を付ける必要があると思うのだが、俺はかろうじて「おなかいっぱい」と言ったのを聞いているので、話せないわけではないということは知っているが、どうやら児相の人達には、声すら聞かせてないようなので、先ずはコミュニケーションを図らねばなるまい。


「今日から君のお父さんということになりました。俺の名前はフィンと言います。年齢は16歳なので、お父さんというにはちょっと頼りないかもしれないけど、君は遠慮せずに、俺の事をお父さんだと思ってわがままいってくれて大丈夫です。君のことは何て呼べば良いかな?」


 青い髪の女の子は、俺のことをじっと見つめて、両手で俺の顔をなぞるようにすると「フィン?」と一言つぶやいた。


「そう、俺の名前はフィン。君の名前は?」


「ミシャ。」


「ミシャちゃんていうの?」


 ミシャは頭を上下に数回振った。


「そっか、そっか、ミシャちゃんか、話してくれてありがとう。このお姉さんは、今はお話出来ないけど、名前はレイアさん、あっちのお姉さんが、リースさん。前に会ったことのある、赤い髪の大きいお姉さんがシャクヤクさん。」


 ミシャはそれぞれを指さして、「レイア。」「リース。」と言ったが、この場にいないシャクヤクさんのことは「シャクアクどこ?」と言っていた。


 どうやら彼女も俺達の事を家族と認識してくれたのか、名前だけは言ってくれた。


「いやぁ、良かった良かった。俺達の名前は覚えてくれたようだから、まずは第一歩目のコミュニケーションは成功かな。」


 すると、ミシャは俺のズボンを引っ張って、俺の注意を引こうとしていた。

「ミシャちゃんどうしたの?」


「フィン、お腹減った。」


 名前を憶えてくれただけでも大成功と思っていたら、ちゃんと自分の意思を主張してくれたので、今後は問題なく共同生活をすることが出来そうだ。

 となると、なんで児相では一切言葉を発しなかったのか、今度本人に聞いてみることにしよう。


「よし、それじゃあ、何か作ろうかな、何か食べたいものはあるかい?」


 俺はミシャが好きなものを知りたかったので、彼女のリクエストを聞いてみることにした。


 すると、ミシャの口からは意外な答えが返ってきた。


「カレーライス。」


「カレーライス!?」


 俺は思わず大きな声で聞き返してしまった……。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

感謝の言葉しかありません。

よければ次のお話も読んでいただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

このお話が面白いと思っていただけたなら、評価やコメントなどいただけるとありがたいです。

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