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始まりの終わり―――否、終わりの始まり……あれ、どっちだっけ?

  


   

まえおかない

 「ねぇ、私の名前ってどう思う?」

 真白(ましろ)さんは僕にそう訊いてきた。実に唐突である。『唐突』―――――――――

 真白貞子(ましろさだこ)を言語に置き換えるとそうなる――――否、

 そうせざるおえないのだろう。

 「私の名前、変じゃない?」

 「さあ。いい名前なんじゃないですか?かわいらしくて」

 若干名前負けしてはいるけれど。

 「でもさー、幽霊の名前っぽくない?」

 「実際真白さんは幽霊ではないのだからそれでいいじゃないですか。それに、気にすることありませんよ。名前なんて」

 所詮記号だしね、と僕は笑わなかった。開け放した窓から入る四月の生ぬるい風が隣に居る真白さんの長い黒髪を揺らし、僕の頬を擽る。

 「本当……嫌なガキだよね、まったく」

 常時セーラー服姿の自称女子高校生の真白さんに言われても説得力が皆無だ。寧ろマイナスに近い。

 「あなたに言われたくないですよ」

 「四月だってーのにひきこもりやがって……」

 四月。

 そう、今は四月なのである。

 四月は始まりの季節。

 これから、僕の終わりが始まるのであった―――――



しまらない

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