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作戦会議

作戦会議


「おいおい、ボーイズなラブに抱き付くのは良いが、結局どうする?目下の問題は体育祭の練習が出来てないことだ。もちろんクラスの問題として弓木さんと本村さんの喧嘩の経緯は明らかにしていった方がいいんだろうけど、このままじゃ全員リレーはまだしもムカデ競走は悲惨だぞ?」


 こう言う時もっともな指摘をしてくれる松田さんは貴重な人材だ。私なんかよりずっとリーダー向きで、学級委員代わりませんか?と言いたくなる。時折り混じる性的な発言を除けば‥という注釈付きだが。


「んーん。そうなんだよなぁ。こうなると全員の練習は諦めるしかないかなぁ。」

「そしたらさ、練習動画を共有するのはどう?幸いこのクラスに唯一と言っても良いほど全員が繋がるツールがあるだろ?」


 そう言ってスマホを取り出した進藤君を見て私はピンと来た。


「あ!クラスLINE!」

「そう!ほんと何となく4月当初に作ったクラスLINEは全員が参加してる。まあ今のままでは誰かが抜けるのは時間の問題だけど。ま!そこは置いておいて、このクラスLINEで練習した日の動画を共有して、練習内容とかを知っておいてもらうんだ。そうすれば否が応でも練習の様子を知るだろ?そうすれば練習は出来てなくても、少しは意識が変わると思うんだ。どうかな?」


 進藤君の提案に私は激しく頷いた。


「いいよ!進藤君!これならそれぞれが自由な時間に見れるし、練習を振り返りたい人も見れて一石二鳥!」

「なるほど!それは妙案だ!まあ苦肉の策でもあるけど。」

「いや、やるしかないだろ。全員参加の練習は出来ないと思った方がいいし、このクラスの今後の文化祭とか合唱コンクールを考えるとこのまま放置というわけにもいかないしな!」


 ううう。

 

 その言葉を聞いた私は胃が痛くなる。そうなのだ。このクラスはまだ始まって1ヶ月半、残り10ヶ月半も残っており、順当に行けば10月に文化祭、2月に合唱コンクールが待ち受けている。12月のマラソン大会は個人競技だから考えなくても良いとしても、後二つはクラスで乗り越えないといけない障害がある。まだ修学旅行というクラスがギスギスしてる時に最もやりたくない行事がない事は不幸中の幸いだろう。


「んーん。ほんとね。そう言えば文化祭実行委員は誰だっけ?」

「女子は演劇部の篠塚と、男子は放送部の武田だな。」

「んーん。弱い!これは文化祭も崩壊の予感‥頑張って結城ちゃん。」

「えええ!なんでそんな不安にさせるような事言うんですかー。」

「うん。正直言って俺らでも学級委員に頼ったレベルの崩壊を篠塚と武田で修復出来るとは思んな。ハッハッ!」


 凄まじい開き直りに涙目で睨みをぶつけると、罰の悪そうに佐伯君はゆっくりとそっぽを向く。


「いや、真面目にクラス崩壊は避けたいよな。まあ、とりあえず体育祭はこれで乗り切るとして、さっき言ってた、弓木と村本の件はなんとか調べてみるよ。あてはあるんだ。」

「ほう?進藤、お前って交友関係は最低限の人間じゃないのか?てっきり佐藤一択かと思ってたよ。昼も一緒、休み時間も一緒、教室移動も一緒だろ。てっきり浅からぬ関係なのかと‥。」


 佐伯君のその言葉を聞いて私ははっとした。浅からぬ関係?つまり男性同士だけど、そう言った、所謂恋愛感情を基にした身体的、肉体的関係があるってこと?


 それって男性のアレが、アレに、アレして、アレがああってなって、あああってなって、アレがアレになるまでするってこと?あれあれ?でも男性同士ってどうするの?アレはどこへ行くの?アレってどこに‥まさか!アレはあそこに??まさか!そんな事があるなんて‥あわわわ

 

 プシュー

 

「ああ。なんか結城ちゃん妄想爆発して脳内メモリー焼き切れちゃったようだな。純粋な子羊ちゃんにBLはまだ早いかー。」

「おい。勝手に佐藤と自分の関係をBLにするな。あいつは小学生からの腐れ縁だ。とにかく。体育祭で協力した恩はいつか返してもらうからな。分かってるな?」

「おうおう!進藤の仕切りなら従うしかないな。」

「そうだな。乗り掛かった船、来年のクラス替えまでなんとか共闘と行こう!ってほんとに意識ないんですけど、結城ちゃん‥結城ちゃーん!」



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