2/2
第2話 少女、広報係になる
第2話お題【絶】
文字数300文字以内です!
ギルドマスターは絶句した。
重い沈黙が室内を包む。
冒険者だと思っていた相手は受付係。とんだ勘違いである。
ギルドマスターは高速で思考していた。
――無かった事には出来ない。嘘……冗談……ドッキリ……駄目だ。ろくなアイディアが無い。なんだドッキリって。
「あの」
少女の声が、沈黙を破る。
「ちなみに、給与の方はどうなるのでしょうか?」
【ギルドの危機】という単語をものともせずに、少女は言った。
「? 勿論、特別手当をつけるが――『やります』」
「え?」
「臨時収入……コホン。ギルドの為に私。広報係やります」
少女の顔は、やる気に満ち溢れていた。