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私の瞳に大切な人がいますー時を遡る5

「嬉しい、居てくれたのね」

 舞の目から嬉し涙が溢れる。

「なぜ、来たのかと聞いていいですか」

「はい」

 幸樹は舞を思い切り抱き締めたかったが耐えて尋ねた。

「改めて聞きます、なぜ、危険を犯して、僕に逢いに来たのですか?」

「あなたの愛に応えるために来ました」

 舞が顔を真っ赤にして言った。

「何という幸せな僕なんだろう。ありがとう舞さん、でも、僕には命を賭けた約束があるので、舞さんを愛する資格がありません。しかし、どんな運命が待っていても恐ろしく無いし、後悔もしいません。でも、私がどれほど舞さんを愛しているかだけは、舞さんに知ってほしかったので、愛していると言ったのです」

 と強く手を握った。

「私も貴女に負けないほど、貴女を愛しています。だから、心置き無く、約束を果たしに行ってください」

「ありがとう」

 言って、ふと、気付いたように尋ねた。

「舞さんは、僕が誰か知っていたんだね」


「はい、知っていました」

「何時から?」

「大阪城公園へ行ったときです」

「なぜ、分かったのですか?」

 幸樹は、突然舞が現れたため、頭の整理が付かない。

「はい、本当の声を聞いたからです」

「声で、分かったんですが、なるほど、確か、あなたが僕の膝の上に倒れてきた時にはマスクをして居ませんでした」

「貴方は電車の中で私が倒れた時に、大丈夫ですかと声を掛けてくれました。あの優しい声は忘れたことがありません」

「そうか、そういえば、あの時、僕は舞さんの前で初めてマスクを外しました。マスクが僕の正体を隠していたんだ」

「貴方は、なぜ、もっと早く、私に電車で逢った者だと教えてくれなかったんですか」

「舞さんの不幸を見ると、何も言えませんでした」

「もしかしたら。私の不幸を見て、同情心から愛してくれたの?」

「誤解しないでください。僕は舞さんと逢ったときから愛してました。しかし、少女のことを考えると、舞さんを愛することが罪のように思えたのです」

「よく分かります」

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