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喜びの後7

近くから、女性の悲痛な声が聞こえてきた。

 幸樹が振り向くと、老女が倒れていた。

 驚いた幸樹は、マスクを外していることを忘れ老女に声をかけた。

「どうなさいました」

 老女に駆け寄った幸樹が尋ねた。

「大丈夫ですか?」

 その声を聞いた舞が、あっ、と驚きの声を上げ、見えぬ目で、声の方を見た。

 だが、老女の容態が心配な幸樹には聞こえなかった。

「何でもありません、ただ、木の根っこに躓いて倒れただけよ」

 老女が気丈に答えた。

「でも、足を擦りむいていますよ」

「あら、大変だわ」

 老女は血を見て、急に震えだした。

「僕は彼方幸樹という外科医です。治療しますからね」

 幸樹は、舞の所へ戻ると

「舞さん、怪我をした女性の治療するため、少し、一人で居てください」

 舞は驚きのあまり声がでない。

 幸樹は、携帯用治療用具を持ち老女の所へ行った。 

(先生がお兄さんだったんだ)

 舞の驚きは大変なものだった。

(なせ、声が違っているの?)

 舞には理解できなかった。

 幸樹が患者に言った。

「少し、ズボンの裾を捲りますよ」

 幸樹は老女のスボンの裾を捲り、薬を塗り包帯を巻いた。

「さあ、終わりました」

 幸樹は、老女を助け起こしながら言った。

「骨折はしていないか、調べたいので、歩いてください」

 老女は、恐る恐る歩きはじめたが、異常を感じて無かったのか、安心したように言った。

「どこも異常ありません」

「それは良かった。もし、後で痛くなったら、出来るだけ早く、病院へ行きなさい」

「どこも異常ありません」

「それは良かった。もし、後dえ痛くなったら、出来るだけ早く、病院へ行きなさい」

「はい、有り難うございました」

「じゃあ、お気を付けて花見を楽しんでください」

(和泉葛城山の展望台で私に言った時と同じ、やっぱり、先生がお兄さんだ)

 舞は、声の似ている人が居ることを知っているので、先生の声が少し、お兄さんに似ていても、確かめようとは思わなかった。


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