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悲しき再会5


「はい、喜んでお仕事をさせて頂きます」

 舞は嬉しさのあまり、飛び上がろうとした。

「あっ、痛い!」

「気を付けてくださいよ、僕は一日も早く勤務して欲しいと思っているんだから」

「はい、すいません」

 舞が恥ずかしそうに俯いた。

「じゃあ、歩けるようになったら、何時でもきてください」

 舞が涙を出して喜んだ。

「何から何までお世話して頂き、嬉しくて感謝の言葉を表せません、どうか、舞をよろしくお願いします」

 養母が恐縮して言った。

「任せてください」

「ところで、先生がマスクをしているのは流感に罹っておられるんですか」

「そうなんですよ。医者の不用心でね」

 幸樹が、マスクを外さなかったのは、舞への配慮と、目が見えなくなったり、歩くことが出来ない患者には、絶対に風邪をうつしてはならないと考え、例え、自分が風邪に罹っていなくても、マスクをはずさないようにしていた。

 なぜなら、健常者より、何倍、否、比べられない程の苦痛を受けると考えたからだ。


  しかし、これからは、舞に正体を感づかれないために、一層、マスクを外すことが出来なくなった。

 一週間後、舞が病院へ来た。

「良く来てくれたね、さあ、貴方の事務所に案内しますからね」

 幸樹は、舞の為に作った事務所へ案内した。

 この事務所は、診察室と看護師や患者の受付室と簡単に連絡が取れるようになっていた。

「ここが貴女の事務室、誰も入って来ないから、気楽にしてください。もし、電話がかかってきたら、用件を聞き、分からなかったら、診察室や受付の電話に繋げてください」

「わかりました」

「勤務時間は、朝の九時から夕方六時迄です。休憩は、十二時から十三時までですが、適当に休憩を取ってください」

「そんな簡単なお仕事だけですか」

「最初はね、でも段々難しくなりますよ、音を上げるのであれば今のうちですよ」

「いえ、絶対に音を上げません」

「じゃあ、今日からこの事務室の管理者は和泉舞さんです。退屈したら、自分のしたいことをして、気分転換をはかってください」


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