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悲しき再会3

和歌子が今、気付いたように言った。

「どうか、それはやめてください」

「なぜですか」

 和歌子が尋ねると、

「何も取られていませんから」

「あんな悪い人を見逃すのですか」

「見逃したくたくありません。でも、警察やマスコミに聞かれるのが嫌なのです」

「先生、どうしましょう?」

 幸樹は舞の心を推し量った。

(警察に届けたら、自分の不幸が他人に知られる、それを彼女は恐れているのか、も知れない。もし、そうなら、僕にも知られたくないと思っているかもしれない。どちらにしても、僕と彼女の関係は、医師と患者で居るのが最良である)

 幸樹は、舞が近くにいるときは、絶対マスクを外さないと決めた。

「和泉さんの気持ちはよく分かるから、被害届けは、僕が和泉さんの名前を出さずに、こんなことがあったと、警察に届け、和泉さんの面倒にならないようにしょうと思っています。それでいいですか?」

「はい」


 幸樹は、舞を医院に連れて帰り診察したが、思ったより軽症で、一週間もすれば全治することが分かったが、舞には伝えず様子を見る事にした。

 診察後、幸樹は舞を自宅へ送り届けた。

 和泉家には、誰もいなかったので、幸樹は三日後に診察にくるから、家にいるようにと言って帰った。

 三日後、幸樹は和歌子と一緒に舞の往診に行った。

「先日は、舞の治療をした上に、今日も往診して頂いて、有り難うございます」

 舞の養母が挨拶した。

「いえ、通り合わせたものですから、お礼を言われるほどのことはしていませn。それより、舞さんの容態は?」

「案外、軽症なのか、もう、歩いています」

「それは良かった、でも、油断すると危険ですよ」

「そうでしょうね、先生から良く注意してやってください。さあ、どうぞ、舞の部屋に案内します」

 養母は幸樹を舞の部屋に案内した。

「来て頂いてありがとうございます」

 舞が見えない目で幸樹の顔を探す。

「どう、痛くない?」

「ええ、少し痛いけど、もう歩けます」



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