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組織との対決

「どきなさい、術士でもない貴方が我々を相手にできるはずがない」


「そうだな……だが、時間稼ぎにはなる! 増援ももうすぐ来るだろうしな」


「やっぱり、総出で襲撃した方が良かったのでは?」

「そーだ、そーだ!」


「黙りなさい、レストはともかく私が負けることはないわ、それよりあんたらは人質の一人でも捕まえて来なさいよ! 次しくじったら許さないわ」


「おまち下さいお嬢様、人質など必要ありませんよ、こいつらは、私が全て始末して差し上げましょう」


「ほんとにあんたの無駄なプライドには心底イライラするわ……ならさっさとそこの男を始末しなさい」


「了解いたしました!」


「守衛隊が一人、エルトアいざ参らん! どりゃあ!」


エルトアが剣を振って飛ばした衝撃波をものともせずレストが一瞬にして迫り来る。


「おっと、流石に一筋縄ではいかないか」


レストの一撃をエルトアが剣で防ぐ。


「遅いですね……実に」


「なっ……ぐぁぁー!」


レストは剣をはねのけ、エルトアを蹴り飛ばした。


「身の程を知りなさい、貴方では私に傷はつけられない」


「くっ……、だがこの先には…


「ふん、もはや私が手を下すまでもない、お前たち後処理は頼みましたよ」


「「いぇっさぁー」」


「ちょっと、こいつらは私の専属の部下なんですけどぉ? あんたにも二人の男が付き添いでいるでしょ?」


「知りませんね……あんな捨て駒がどうなろうと知ったこっちゃない」


「まてぇー!」


「今度は誰です……お、お前は……」


「村いちば……いや、この町一番の戦士である、アレックス様の登場だぜ! 性懲りもなく現れやがって……今度こそ俺が成敗してやる」


さっきまで町をほっつき歩いていたアレックスが、騒ぎを聞きつけ現れた。


「再開まで時間はかからないと言ったはずですよ、まぁ、あいにく用があるのは、お嬢さんの方ですがね……」


「げっ……お前は」


「あれぇー? そこにいるお嬢ちゃんは……はて? どこかで見た事があるような……」


「ひ、人違いですぅー」


「……お、お嬢様」


レストは困惑している。 するとそこへ……


「大丈夫か! エルトア」


「あ、あぁ……」


「大変、いますぐ治療を!」


「何故、アレックスがいるんだ……」


女性二人を引き連れて、ゾルダンが駆けつけた。


「よぉ! セティア見てくれよこれ、じゃーん! 名付けてアレックスアックス、そこの武器屋で護身用の斧を買ったぜ、どうだかっちょいいだろ?」


「そんな物が護身用なわけがないだろう……」


セティアは呆れたが、ツッコミが出る分この男の言動にも慣れてきたということか……嬉しくないが。


「まぁ、とりあえずさっそくこいつの出番のようだな!」


「くっ……次から次へぞろぞろと……まぁ、いいでしょう最悪お嬢様を盾にすれば……」


「何か言ったかしら?」


「いいえ何も……ご安心を、あのセティアという女術士は、まだ無力……あちらの大将である炎の術士を撃ち取ればこちらの勝利です」


「そう……じゃあさっさとやってちょうだい」


「えぇ、迅速に」


「この町で好き勝手はさせんぞ!」


「申し訳ないがこちらも悠長にはしていられないのでね、早々にご退場願いますよ!」


「それは……こちらのセリフだぁーー!」


レストの一撃とゾルダンの炎が激しくぶつかり合う。


「術士とはいえ、貴様のような組織の犬が私を討ち取ろうなどと……思い上がるな!」


ゾルダンは炎を宿した剣でレストに斬撃を叩き込む。


「黙りなさい! 貴方も王族の犬でしょうが」


レストは、その斬撃をなんとか受け止めている、致命傷にはなっていないようだ。


「ドフレー様ぁーレストの奴、大口叩いたわりに手こずっているようですが……どうされます?」


「そろそろ俺達の出番来ちゃう系ですかね?」


「ふん、身構えるくらいはしておきなさい、いつ飛び火が来てもいいようにね!」


例の黒幕の娘とその部下は余裕の表情である。


「なぁ、セティアあのレストとか言うやつの後ろにいるのも組織のやつらだろ? 俺らで蹴散らしてやろうぜ」


突然アレックスが嬉しそうに話かけてきた。


「たしかにこのまま戦況を見守るだけと言うのも得策とは言えないが……しかし」


セティアはあの組織の女がやけに余裕そうにしていることが気がかりであった、おそらく相当の実力があるのだろう。


「どうした? 不安なのか、セティアらしくねぇーな」


「煽るな! 私は、お前と違って慎重にやるタイプだ」


「そのわりには感情的な発言が目立つけどなぁ? まぁいいや、なら作戦は、お前さんに任せたぜ、セティア」


そんな事を言われても、私は軍師ではないので何が効果的なのかはわからない、ただ……真正面から突撃することが危険なのはわかる。


「安直な考えだが、やはり後ろから……」


「客人の方! お取り込み中の所すいません、エルトアさんの治療が終わりました」


治療を終えた、緑髪の魔術師がセティアに話しかけてきた。


「あ、すまない自己紹介がまだだったな、私の事はセティアと呼んでくれ」


「はい! 私はメルス……メルス・カーティーです……本来報告はゾルダンさんにするべきなんですが……この際セティアさんに報告するのが無難かと思いまして」


「バスターフレア!」


「この私にそのような攻撃は通じません!」


未だにゾルダンは、レストと一歩も譲らぬ接戦を繰り広げている、実力は互角といったところだろう。


「まだ、終わらないのかしら? あんまり待たせるようなら私だけで帰るわよ?」


「そーだ! そーだ」 

「レストさんいけぇー! やってしまえー」


相変わらず組織のお嬢様? とその部下二人はやる気がない様子。


「そうか、何もアレックスと二人だけで奇襲する必要はないじゃないか!」


「セティアさん?」


「メルス、戦える力はあるか?」


「い、一応私も術士です! エルトアさんほどの実力はありませんが……やろうと思えば!」


「わかった、エルトアは?」


「すまない、俺は町の人を避難させなければ……」


「そうか……よし、アレックス! メルス! 私の作戦を聞いてくれるか?」


「はい!」


「おう!」


「後ろから奇襲してあそこにいる組織の女を討ち取る!」


「俺はお嬢ちゃんの部下をやるぜ、男が女に手を上げるわけにはいかねぇからよ」


「門の近くの茂みに隠れて下さい、もしもの時は私がなんとかしますから!」


「了解した……いくぞ!」


セティア一行は行動を開始した。


「まずい、俺達が隠れている茂みの方に主人公が来る!」


「向井さん、向井さん」


「どうした? 影山」


「あのアレックスって男と組織のレストって男の相性を占ったら……なんとびっくりぴったんこ! 運命ですねぇ」


「まぁ、なんとなくわかる気はするが……ってそんなことしてる場合か! 場所変えるぞ」


「了解です」

「りょーかぁーい」


次回

驚異のドフレー


次も俺達の活躍見ていてくれよな



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