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使い魔インキュバス編 A)

魔法バトルものから始まり


使い魔インキュバス編


「おお、おお、痛いわ」

産婆が女に天井から吊るした紐を持たせた。

「ほれ、きばれ」

暗い寝屋の中一人の女がお産をしている。


やがて産声が聞こえた。

「おお、マイベイビー、私の最愛の子よ」

縮毛の褐色の肌をした女が、血を流して産んだ子が、へその緒を切る臍帯の血を流す前にその腹の上で息を切らさず弱々しくうずくまっていた。

 産婆がその赤子をさかさまに持ち上げると、背中を強く叩いた。

「おぎゃー」

 赤子は弱々し気に、やがて泣き声を強く上げた。

 妻と似た夫と思われる縮毛の男が神に祈りをささげる。

「神よ、わが新しい子が産まれました、どうか祝福を」


 その寝屋の暗がりを照らすように、一人の乙女が白い巻衣をまとった、金髪を揺らして現れた。

「バーニー、祝福に来てくれたのかい」

 夫らしき男が、白い陶磁の様な肌の乙女に引用1)「神は聖なるもの、神は聖なるもの、神は聖なるもの」と感謝の意を告げた。

「神よ、この新たな生命に祝福を」

 バーニーと呼ばれた乙女は胸に手を当てると、引用.2 神に感謝の聖歌を歌った。

「神は聖なるかな、神は聖なるかな、神は聖なるかな♬」

 そして夫婦二人と同様に赤子を祝福した


 彼女は強いレモンの香りをまとい、その髪には茨の冠を刺していた。

 バーニーの頭上には乳白色の天の川が広がっていた。

 彼女の祝福の純なる祈りを、神への感謝と産まれた赤子の幸せを願うもとに現れたモノは。

 一陣の風が吹いた。

 それがバーニーの金髪を揺らした。

「なにかしら」

 そいつはバーニーの望んでいるモノではなかった。

引用.3バーニーの元へ乳白色の、白い精液のような液体が飛ぶ。

 どこからか、生臭い声が聞こえる。

「やはり女は若いほうが良い」

「きひひひ、我が名はインキュバス、女を犯すモノだ」

 そいつはひどく生臭く、ぬめぬめとしていた。

「ひいっ」

 バーニーはインキュバスから逃れようと、背を向けた。

だがインキュバスはさらにその精液の飛礫を飛ばして追いかける。

 白い生臭い精液がバーニーを捕らえた瞬間、彼女が聞きなれた音が聞こえた。

 ばるるるる、バイクの音だ。

引用4.「Crazy Blood Line 125」だわ。

バーニーの胸が高鳴った。

「あの方がいらしているのね」

Crazy Blood Lineは後方のタイヤを回転させてバーニーを襲う精液を弾き飛ばした。

いや、正確に言うと、CBを操っている者がそうしているのだ。

インキュバスがファルスのような口吻からよだれにをたらしながら流し、ごちる

「お前のドレープがひだついているぞ」

 バーニーの白い巻衣がインキュバスの劣情をもよおしている。

「待て」

漆黒の天衣を纏った者が現れ、その両腕に飾られているブレスレットを、まるで誰かの目をそむける様に天に向けた。

「そのものに近づくことはもう許さないぞ」

「コーデリア様」

「待たせたな、バーニー」

インキュバスがその淫猥な口吻から、だれもが妊娠しそうな粘液を垂らしながら言った。

「キヒヒ、お前は魔法使いだな」

 コーデリアはバーニーの髪に差されたレモンを手に取った。

「使い魔にして淫らな化け物、インキュバスよ、お前に語る名などない」

頭上の乳白色の天の川が、聖なるものなのか淫らなものなのか。

 月の光に照らされて、聖か淫かわからなくした。

いつの間にかコーデリアの周りに小さなユニットが現れ、ビートの利いたサウンドをかけ始めた。

引用5.「ショコラを一粒づつ、あなたと口移しにしたの」

Angelicだわ、バーニーはうっとりした。

「昨日のパーティーでは鰐に金魚をあげていたの」

「明日のドライブではお金持ちとキスばかりする」

「Angelic Only Lunatic,Candy Meltine Voice Riot Girl」

Angelicは退廃と快楽におぼれる女の子の純愛を暴力的に歌ってFade Outしていった。

 「うう、お前は何を歌っているのだ」

 インキュバスは狼狽した。

 なぜならば彼には肉欲しかなく、愛という行為が存在しなかったからだ。

 引用 6.「二人が出会った場所はおしゃれな場所じゃなかったの」

 コーデリアの次のLove Songが始まった。

「神様が上のほうで見て笑っていったの、それがFutsu No Koi」

 まさしく王道のLove Songだ。

「うおお」

 インキュバスはその醜い肉欲だけの顔を隠しながら、苦悶の声をあげて逃げていった。

 月は乳白色の天の川を聖なるものとして明るく照らしていた。

「コーデリア様」

 バーニーがコーデリアに声をかけた。

 するとコーデリアはバーニーの冠から摘んだレモンの香りを嗅いで、こうおどけた。

「まるで月のような形だな、レモンの果実は」

 コーデリアはユニットを消した。

 そして神に向かって聖歌を新めて歌った。

 それこそが本来の魔法による聖歌の姿だった。

 コーデリアは思う、天の川の向こうで神は新たな命の誕生を喜んでいると。

 新しい赤子の元、夫妻は感謝の言葉を述べた。

 バーニーがいつの間にかコーデリアに寄り添っていた。

 レモン色の月の下で。

 

引用1.2.聖歌をうたう権利を握っているものが、神よりも成り立ちの浅いJASRACとは  

     皮肉なものである。ある意味この物語の本質を表している

   聖歌として教会で歌う分には著作権は発生しないが、録音して世間一般に発表

   すると、JASRACが口を挟む権利を有している。

引用 3.とか書いているうちに地元神奈川県警の巡査が大井町へ出まして女性に体液を

    かけた事を認めた。男の劣情の一種である。

引用.4 HondaのCBの名前の由来は諸説あり、アメリカで先に販売されていたBの次の

    モデルなのでCBとか、あとクレームをつけられたCrazy Blood Lineなどと諸説  

    ある。

引用 5.菊地成孔のユニットAngelicのLove Song,やっぱり女の子は退廃の中にも純なる  

    愛を持っていたほうが良いね。

引用.6.同じくAngelicの曲。トリッキーな歌詞に純愛を乗せたまさに普通の恋。


使い魔インキュバス編 A)了

後編B)以降タイトルである

フォーオブアパーフェクトペアーの意味につながる4体の神達の最終戦争につながる。そして人類の破滅と再生まで書きます。

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