信じるものへ
未来には固定された事象がある。今君たちの未来は紅い歓喜と黄色い狂気 蒼い絶望に飲み込まれ白染まりきった
多くの何も知らない無垢な少年少女が戸惑い嘆き、まるでそれが普通かのように何気なく生活するだろう
自分の周りが地獄であることも気づかずに
ひとつの賭けだ君を信じて託してみよう
二ーべ
いつもどうりの気だるい一日が始まった。少年はそう思いつつ窓から景色を眺めた。面倒くさそうにパンを貪り、鏡の前で自分の顔に水をかけた。噛んでボロボロになったブラシを使い歯を磨いた。面倒くさそうに正装し、いつもと違うの道を歩いて学校に向かっていた。違う道で歩いたのは完全な思いつきだった。
違う道を歩いたところで退屈な今日は変わらないであろうと思っていた。そう考えながら翠の光の点滅を眺めていた
しかし、いつもとは違うことが起こった
目の前で子供が飛び出した。横からトラックが進んできてることに気づかずに。
少年には、自分がとった行動が理解できなかったであろう。
子供を庇ったのだ。床に寝そべりながら彼は赤く染ったものを見つめていた。
彼が子供を救った理由は誰にも理解できないだろう。それは正義心でもなく英雄心でもない、偽善など以ての外だった。
彼は本能的にそれを望んだのだ。人を救うためになどではなく、退屈な日常から脱出することができるのだ、という彼の欲求を叶えるための自分の心の表面上では考えもしていない心だ。