夏は終わって、秋が来る
掲載日:2017/09/18
「今年の夏は楽しかったな」
そんなことを秋の香りがする空間で、呟いてみる。
「戻りたい」
家族で行った鳥取の海は優しい色も、
京都の透明感も、
友達と一緒に行った神楽坂で食べた抹茶の味も、
新宿の喧騒も、
町田の灰色の空も、
砂浜で火をつけた花火も。
壊れてしまうことがないように、ぜんぶぜんぶ、記憶の中にしまいこんだ。
だけど、その幸せな色たちが、季節の移り変わりと一緒に遠くへ行ってしまうような気がして、小さな胸が少し痛む。
私の毎日はすごく楽しい。
学校に行って友達とバカをして、部活に明け暮れ、オフの日には寄り道をして帰る。
そういえば、この間ドーナツ屋さんで食べたラーメンが美味しかったっけ。
こんな平凡な一刹那が幸せすぎるから、終わってしまうのが怖くて、過去に戻りたいのだと思う。
だけど、明日が来るのが、私は毎日楽しみだ。
明日は何かいいことがあるかな。
明日は何をして遊ぼうか。
好きな男の子には会えるかな。
だって、小さな楽しみがたくさんあるんだもん。
生きるってとても幸せなことなんだなあ、
なんて最近はよく思う。
一生に一度の人生、楽しまなきゃ損じゃない?
難しいことを考えてたら、だんだん眠くなってきた。
私はそろそろ寝ようかな。
「明日の朝ごはんは何だろう」
少しの楽しみを思い浮かべながら、私はここでペンを置くことにする。




