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元最弱勇者はもう死にません  作者: 壱井佐久
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0話 最弱勇者と願い

今回が初投稿になります。

設定などもまだあやふやな部分もあるのですが、読みやすい文を心掛けて更新していこうと思います。

不定期な更新になるかと思いますが宜しくお願い致します。


どのような感想でもおまちしておりますので、よろしかったら感想等を書いて頂くと作者が喜びます。


五月蠅い、五月蠅い、五月蠅い。

俺を、見下してニタニタ笑いやがって、気持ち悪い。

初めは、俺が勇者だというだけで媚びて崇めてたくせに。

それなのに、それなのに。ただ俺が弱いというだけで、嘲笑う。


こんな奴らしかいない世界に来れて喜んでいた自分を殺してやりたい。まあ、そんなことをぼやいても過去が変わる訳でも、俺が強くなるわけでもないんだからしょうがないといえばそれまでか。

だが、こんな世界にももうおさらば出来そうで清々する。


初めに当てられた、水魔法と先程当てられた雷の魔法のお陰で目を開けつづけることが辛い。それでもどうにかして目を開けようとすると、全身に焼きごてを当てられたような痛みが走る。

だが、このぐらいの痛みなら何度も受けたことがあるので、気にせずに目を開けていく。少しぼやけているがどんどんとピントがあっていく。


あぁ、やはりお前たちは笑っていやがるのか。俺が死にそうなんてこと分かっていないんだろう。俺が死んでお前らはどうするんだろうなぁ。

今まで通りに笑っているのか、それとも大事な勇者様が居なくなった事に慌てるか?

まあどちらにせよ、もう死んでしまう俺には関係ないことだ。

頭を踏みつけられる感覚がある。もうほぼ機能していない耳が汚い笑い声を拾った。

死ぬ直前に聞こえる声がこいつらの笑い声なんて最悪だ。


目の前が霞んでいく。死ぬときって本当に目の前が暗くなっていくんだな。


『お兄様、大丈夫ですか!? このような傷どこで⋯⋯すぐに手当てしますから。そこで待っていて下さいね。』


『お兄様、今日は何をしてあそびますか? お兄様と遊ぶために色々考えていたんですよ。』


走馬灯なんかもあるのか。

ごめんな、お前を置いて逝ってしまう。

お前は、俺なんかよりももっと頼れる奴を見つけて、こんな奴らみたいにはならないようにしてくれよ。

お前の周りにまともな奴が現れることを願っている。

それが、俺からの最後のお願いだ。

そうだ、こんな惨めな死に方するなら今まで一度も信じたことも、居るとも思ってないけれど神様どうか、アイツが一人この世界を歩んでいくことがないように、アイツのことを心から支えてやれる奴が現れるように。

それと、もしできるのならば俺を殺したアイツらに無残で最悪の人生を⋯。


「せいぜい苦しめ⋯クズ共」


よく知っている感覚で体が焼けているのだと分かったが、それを消す力もましてや指を一本動かす力すらない。

そのまま、俺の意識は暗闇に沈んだ。


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