光無き闇
「おい、あんま早く行くなよ。何かあったらどうすんだ」
「そうしたら貴方がどうにかしてくれるんでしょう? 信じてるわよ」
大人が二人並んで歩いたとしても余裕がある通路の真ん中を一人で先に進んでいくクラリアにそう言うが、あっさりとそう返され歩くスピードを変えやしない。
光源は俺の手元にあるから薄暗いだろうに、よくもまあ行こうと思うよ全く。俺ならビビッて絶対に待つだろうな。
「あら、何かしらこれ…レイス、何か書いてあるから早くこっちに来てちょうだい」
「分かってますよ。ほれ、これでいいか?」
通路自体は短いのですぐに隣の部屋の入口に着き手招きして呼ぶクラリアの隣に行き、壁にある石でできた小さな看板を照らす。
「昔の文字ねこれ…『この先にあるのは光無き闇のみ』。何の暗号よこれ。レイスはわかってるの?」
「そりゃあね。だけど正解はそう簡単に教えねえよ」
鑑定のスキルを持ってないため日本語ではないミミズがのたくった様にしか見えないものを指でなぞりながら聞いてくるが、ケラケラと笑ってそう言う。
この後に何が出てくるか分かってはいるが、クラリアのスキルがあれば多分大丈夫だろうから言いはしない。
「ま、そうね。貴方が何も言わないってことはそこまで危険じゃないっていうのもわかったし、早く行くわよ」
そう言って無警戒で中に入ってくるりと振り向き杖を片手に手招きをしてくるので、無警戒なことに苦笑いをしながら若干の覚悟を決めて足を踏み入れた。
床に足が付くか付かないかで部屋の床の中央に描かれた紋章が光り、そこから黒い煙が立ち昇るようにして現れた。
「さっそく出たわね。出てきてそうそう悪いけど粉みじんになりなさい。〈エアハンマー〉」
しかし黒い煙が完全に動き出す前にクラリアが杖を振るって風の槌で殴ることで、煙は魔法を放った張本人が固まるほどあっけなく霧散する。
さきほどまで煙があった場所と自分の杖の先を交互に見た後、静かにこちらに向かって振り上げられた杖を見て、影の中に手を突っ込んでいて動けないので慌てて止めに入る。
「待て待て待て。お前は何をしようとしてんだ」
「あまりにあっけなさすぎるから目の前にいた骨のありそうな奴を倒そうと思っただけよ」
「下手すりゃ死ぬような八つ当たりするな。それにまだ終わったわけじゃねえぞ?」
「へっ?」
クラリアの背後で霧散していた煙が意思を持つように集まっているのを空いている左手で指差し、そちらに気を取られている間に影の中にあった予備のランタンを掴みだし、床に置いてあったランタンのカバーを外した。
「ちょこまかと、ウザいわね、さっさと、落ちなさい!」
その時、何度も魔法を当たっているにも関わらず霧散しては何事もなかったように集合を繰り返している煙に痺れを切らしたクラリアが、いつも以上に杖を振り上げた。
まるでその時を待っていたように煙は急に加速しクラリアの脇を抜けてこちらに、正確には俺が持っているランタンめがけて一直線に向かってくる。
ランタンを床に置いて横に跳び、煙がランタンを飲み込むように包み込んでいる間に予備のランタンに火を点けながらクラリアの隣に駆け寄った。
「はあ…はあ…、どういう事よあれ。何度も魔法当ててもダメージ通ってる気がしないんだけど」
「そういう魔物だっているってことだ。覚えといた方がいいぜ」
「じゃあどうやって倒すのよ。というか何であいつランタンにまとわりついてんのよ」
「ああ、そいつは見てのお楽しみ。そろそろ変わるときじゃねえの」
杖を振り回したせいか若干息が荒いクラリアの問いに肩を竦めて答え、先ほど自分が居た方に視線を向ける。
そこにはランタンの火が消え、代わりに煙が内側からぼんやりと光りだし上空に漂い、ゆっくりと体を伸ばし何かの形を作り始めていた。
剣Lv36 回避Lv39 隠密Lv33 料理Lv26 投擲Lv22 影魔法Lv25 魔法熟練Lv28 隠蔽Lv26 罠Lv11 盗賊の技術Lv39
展開を早くしないとと言ったな。あれは嘘だ(殴
こんなに更新遅れた理由は他に書きたいものができたのと、お船のゲームのイベントです。ラストダンス終わらねえよ…




