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旅行の計画

「で、次に行くのはどこなんだい?」


「予定してるのはボルカンって街だ。鉱山都市で鉱石取るならそこがいいらしいからな」


「そうか、ボルカンね。フリード。次に行く街のおすすめはどこだい?」



綺麗に切り分けた肉を食べながら聞いてきたハイルに、同じ料理に手を伸ばしたセティンのフォークを弾きながら言った。


街の言葉をもう一度言った後に、俺の言葉を聞かなかったようにフリードに次の目的地を決めてもらおうとしやがった。


まあ、理由があるとしても今実装されている中でこの街から一番遠い=敵が強い場所を言われたらそうなるよな普通。



「順当に行くならハーフェンじゃないかな。あそこの近くの敵なら君たちには簡単だろうし」


「うん。やっぱりフリードはつまらない…じゃなくて模範解答してくれるね」


「うまく隠したつもりだろうけどまったく隠せてないからねハイル君…」


「きちんと隠蔽のスキルを使わないからだぜハイル」


「そうじゃないだろ君たちというのは…」



この街から一番近い街の名前を言われたが、遠回しにダメだなと言いながらハイルは畳まれた地図を取り出す。


頭痛を抑えるように片手で頭を押さえるフリードの反対側、俺の側の机の横でそれを広げた。



「そうは言ってもどんな街か気になるし、一度ハーフェンに行ってみない? ほらここ、地図で見ても近いし、この武器だって今必要じゃないんでしょ」


「まあ確かに必要ってわけじゃねえし、話は聞いたりしてるがどんなところか実際に見てみたくはあるな。そういう意味ではフリードの答えはあってるわけだ」


「ちなみにその街から私の治める街に来ることができるぞ!」


「どうせレベル差でお前のとこのモンスターに勝てねえから、そうとう後になるだろうよ。てか勝手に人の皿の料理取ってこうとするな」


「むっ、ばれたか。ならばこのピーマンとトレードだ」


「…好き嫌いはおやめくださいセティン様」



俺の皿に伸びていたセティンの手を箸で弾いて、料理を自分の口に収めた。



「ハーフェンに行くまでに徒歩なら一時間かかるかかからないからしいよ。時間によるけど夜になるまでには必ずつけるね」


「まあな。それに直通の馬車あったからそれで行きゃ時間の短縮できるし」



甘辛いたれに包まれた肉を咀嚼しながら、一時間に数度出ていく乗合馬車のことを言う。


まあ、今回は初めて行くところだから馬車じゃなくて自分の足で歩いて行こうと思っているけどな。



「じゃあ今後の予定としては、全力で祭りを楽しんだ後にハーフェンに出発。それでいいかい?」


「オーケーオーケー。まあ出発の時間は適当に決めればいいだろ」


「そうだね。どうせ今日と明日の二日間はあるし平気だと思う」


「貴方達、ハーフェンに行くつもりなのね?」


「ああ。さすがに俺の馬鹿げた意見は反対らしいし」



俺たちの相談が終わったところで少女が確かめるように声をかけてくる。


まあ聞こえていただろうし隠す気も無いので肯定する。



「だったら私も連れてきなさいよ。城に引きこもってるだけじゃ退屈だもの」


「え、嫌だけど」


「襲い掛かったから当然の反応ね。分かったわ」


「…なぜです。襲い掛かられたことをそこまで根に持っているのですか」



少女の提案に即答で返すと、どうやら言ってみただけだったようですぐに諦めたようだ。


しかし従者であるウィーンは気に入らないらしく、どことなーく不機嫌そうにこちらを睨み付けてきた。



「いや、そんなことはねえよ。俺は寛大な心の持ち主だからな」


「…それはコメントを控えておきましょう」


「おいそこは控えるな、あとその顔やめろな」



ウィーンと、寛大と言った時に顔を顰めたフリードに言ったが、何ともいえない苦笑いを返される。


どことなく納得しないが、追求せずに椅子の上で胡坐をかきながら口を尖らした。



「まあその件は置いといてやるよ。他にちょっとした理由があるだけだ」


「…それを聞いても?」


「だってそいつの名前知らねえし」


「………はあ?」


「名前を知らない相手とはパーティ組みたくないの。ただそれだけ」



一言の単純な理由を言った瞬間、いつもより長く間を空けたウィーンが心底呆れた表情を見せる。


その表情はお前マジでそれ言ってる?と言いたげだが俺は大マジだ。



「クククッ、やはりお前は面白いなレイスよ!」


「うわっ、離せ頭を撫でんなっての!」



ウィーンとにらめっこしていたら、急に笑い出したセティンに頭を押さえつけるように撫でられて慌てて振り払った。


本当にこいつは、とぼやきながら肩を震わせ笑うセティンを放ってニヤリと笑いながら少女を指差した。



「それで、俺達と一緒に冒険する気はあるか? 返答はあんたの名前でいいぜ」



全くの自己満足、かっこをつけるだけの行動。現実の俺じゃこっ恥ずかしくて言えないが、今の(レイス)なら言える。


しばしの沈黙の後、同じように笑った少女が手を差し出しながら言った。



「…私の名前はクラリア、魔王の娘よ。貴方は?」


「俺の名前はレイス。しばしの旅路、どうぞよろしく頼むぜ」



自分もそう名乗り、差し出された手を取って握手を交わした。












ちなみにログアウトした後にこのことを思い出して悶えたのはここだけの話。

剣Lv36 回避Lv38 隠密Lv33 料理Lv26 投擲Lv21 影魔法Lv25 魔法熟練Lv28 隠蔽Lv26 罠Lv11 盗賊の技術Lv35


盛大に何も始まらない

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