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ボス戦。そして共闘

その先客は男2女1どっちかわからん鎧1の4人パーティだ。構成は男どもによる前衛3に魔法使いらしい女性の後衛1、補助にも回る女性の負担がマッハでやばそうだから1人後衛を増やせばいいのに。


相手をしている巨狼のほうはもちろん1匹だ。大きな一撃をもらっている様子はないが、フルフェイスの金属鎧を着こんだせいで性別がわからん奴が巧みに大楯を操り端に追いやっているせいで劣勢で、倒れるのも時間の問題だろう。


つまりは初めてこのボスが討伐されるということで、この世界で初めての素材がこの世に生み出される可能性があるわけだ。そんなレアものを逃せるか。否、目の前で行われるそれを逃すなんて普通はするわけがない。



「…どこですかここ!」



数秒考えた後特定されないように、だがファッションと言っても違和感ないくらいのデザインをした布を口元に巻いて顔を隠してから全員に聞こえるように大声で言った。


なれない口調を使って自分に注目を集めた結果、鎧を着た奴以外は僅かだがこちらに意識が向く。その僅かな時間で巨狼が一番近くに居た短剣を持った男を地面に押し倒し、首を噛み裂いた。



「ヴィス!」


「くそっ、これまで順調だったのに」


「そこのあなた、今はなんでもいいから手伝って」


「え、え。ここなんなんですか。俺はただ落ちた珠を拾っただけで…」


「いいからこっちに来る! 二人ともちょっと時間稼いでちょうだい」



おびえたふりを継続しておどおどと女魔法使いのほうに近づいていく。


横目で他二人がこちらに近づけせないようにしているのを確認して、しばらくは大丈夫だと判断して女魔法使いの方を向いた。



「どうやって来たか知らないけどあなた手伝いなさい。何ができるか教えて、できれば遠距離で」


「一応投擲がありますけど…」


「じゃああの二人を援護して。あなたのせいでうちのヴィスがやられたから、拒否は認めないわよ。<ファイアランス>」



言うだけ言って巨狼に炎の槍を飛ばして援護に戻ってしまう。


その間に投げナイフをすべて取り出そうとして影の方にほとんど仕舞っているのいたのを思い出して慌てて影に手を突っ込んだ。


そうして取り出したナイフを保持した右手を首に巻き付けるようにして戦闘を観察しながら投げる時を待つ。



「…しっ!」



ここだという時に鋭く息を吐きながら腕を振り勢いをつけてナイフを投げつける。


それは惜しくも当たることはなかったが、二人の間をかすめるようにして先ほどまで巨狼がいた空間を通過していった。



「危ないから投げる前に言ってくれよ!」


「大丈夫です。信じてください。そんなことより足滑らせて倒れるなんてへましないでくださいね」



危うく当たりかけた両手剣を持った男の抗議を巨狼を睨み付け、さっきのおどおどしていたのとは正反対の雰囲気を漂わせてそう返す。


その間に左手に持っていたナイフを右手に渡して巨狼の足元に投げて牽制をかける。当たっても大したダメージは入らんだろうが、痛覚あるかわからないが痛いものは嫌なのか足を止める。


そうしてすぐに巨狼の方に向き直った男を睨み付けながら、一本のナイフの柄を撫でる。


言いたいことは伝わっただろうか、そんなことは俺に知る術はないから祈るしかない。それに伝わったところでうまくいく確証はない。だが俺の目標のために成功させなきゃいけない。



「さあて、今までのことフル活用しましょうか」



だけど現実もこの世界のことの両方で経験したことを生かせばどうにかなる、そんな気がした。

今回はスキル更新なしです。



現実が非情すぎて更新がつらい。

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