S2-1
5月7日GWが終わり、久々の学校。みんなは休みが終わり、残念がっていた。けど、僕は違った。学校が楽しみだった。やっと、あの子に会える。それがすごく楽しみだった。同じクラスの久野木サキちゃん。彼女はとても明るい女の子で、誰とでも気さくに話せる人だった。
サキちゃんの笑顔を見てるととても幸せな気分になれる。
この日は、天気予報が外れてしまい、外はすごい雨が降っていた。僕はこの前、傘を学校に忘れてしまい、幸いにも雨の心配はしなくていい。僕が帰ろうとした時、サキちゃんが玄関にいた。サキちゃんは傘を持ってないらしく、帰れずにいるみたいだった。
僕はサキちゃんに声をかける
『傘、ないの?』
『…うん』
『よかったら、これ使って』
僕はサキちゃんに傘を渡す。
『でも、これキミヒロくんのでしょ』
『大丈夫。家、すぐそこだから』
『…でも』
『大丈夫だって』
僕はサキちゃんに傘を渡して帰ろうととする『ちょっと待って、』
サキちゃんが僕を呼び止める。
『せっかくだから、一緒に帰らない?』
びっくりした。サキちゃと一緒に帰れるなんて思ってもみなかった。
『…でも』
『これ、キミヒロ君の傘なんだからさ、キミヒロ君が雨に濡れるのはおかしいよ。だから、ね。』『…うん』
この日の帰りのことは、正直覚えてない。サキちゃんと一緒の傘で一緒に帰ることだけで頭が一杯になった
『キミヒロ君って優しいんだね』
『え、そんなことないよ』
『そんなことあるよ。私、優しい人好きだなぁ』『え…』
『私の家ここだから、ありがとね』
『うん』
サキちゃんと一緒に帰れてよかった。そんなことを家に帰るまでずっと考えていたんだと思う