-3- 機械帝国記録保管庫 [ルーンウェポンとは何か]
機械帝国の技術誕生を記録した物語
悪がなくなればいい。
それだけだ
悲しみと苦しみの源である悪が消え去るなら。
みんなが幸せになれるだろうと
単純だった、あまりにも単純すぎたんだ。
自分が作り上げたものに誇りを持っていた。
多くの人が自分の体くらいは守れる
あるいは大切な人を守り抜くことができる
そんな世界が生まれるだろうと
けれど、
現実は、私の妄想を嘲笑うかのように、あまりにも冷たくて恐ろしかった。
より多くの人を容易に殺すことができる兵器
殺人の軽さ
私が見落としていたこの事実が一つ
世界をあまりにも惨たらしく引き裂いた。
どうすればよかったのだろう。
一体どうすればよかったのだろうか。
彼女の手を握っていたら.. 変わったのだろうか
私は機械帝国兵器開発部所属のソディナ。
かつて
帝国で一番のルーン工具職人だった女だ。
生きていくために父から肩越しに学んだ技術たち
私は才能があり、それを磨き上げて最高の境地に達した。
私が作ったルーン道具は精巧で洗練されていて、他国でも人気があった。
我が機械帝国の資金源である黄金帝国でも愛用するほどだったからな..
私が家業を継ぎ、父は引退して、異国間の仲介商を務めた。
とても平和な日常だった。
金も不足していなかったし、私も今の自分の人生に不満なく満足して生きてきた。
しかし
平和は長く続かないものだ
父が代表として赴いた黄金帝国の使節団がモンスターの襲撃を受けたという知らせだった。
父は無事なのだろうか、大きなけがをしたり行方不明になったりしたのではないか?
数日後、使節団が帰還し、出迎えに出たが。
父はどこにも見当たらなかった。
使節団を襲撃したモンスターはオーガとゴブリンの群れ
奴らが狙ったのは、俺が精錬したルーン道具だった。
父は、なんとかそんなことを守ろうとしてオーガに..
警備隊はいたが、待ち伏せに遭い、為す術がなかったという
帝国は、父の死についてお悔やみの意を表した。
あまりにもひどかった。
これからはぜいたくを楽しむことができるのに
今になって、自分の望む人生を生きることになったのに
私は憎らしかった。
弱い我々人類が、父を攻撃したモンスターが
みんな憎かった。
私がルーンを使った武器を作ることになったのは、この時からだった。
もともとルーンを使用した武具は、すでに多様に存在していた
しかし、それは従来型としての武装にすぎない
私たちのような弱い存在が身を守るには扱いが難しく、非常に高度な熟練度を要した。
私はこのルーンが持つ潜在能力を引き出すため、作業室にこもっていました
とても単純だが強力な事実に気づいた。
ルーンを道具に錬成せずに
ルーンが持つ魔力そのものを武器として使用すること
人間の手で魔力操作なしに遠距離から攻撃できる武器
機械帝国で最も強力なルーン兵器の基本設計が完成した時点だった。
ソディナは自分が持っているすべての技術を注ぎ込んでプロトタイプを作ろうとしましたが
骨格までが限界であり、それに使うにふさわしいルーンを見つけることができなかった。
彼女は適切なルーンを探すため、帝国の魔法使いやルーン精錬師を訪ね歩いたが、すべて無駄だった。
解決策が見えず、最後の藁にもすがる思いで
自国の使用目的を明らかにし、支援を求める嘆願書を提出した。
数日後、いまだにルーンを探し回っている私の元に、彼らがやって来た。
赤い眼光と黒い制服をまとった、人間とは思えない違和感
それは鳥肌が立つような声で、ひと言だけ吐き捨てた。
帝国はあなたの嘆願を非常に印象深く受け入れました。よって、祖国のために働かないわけにはいきません。-
と
そして彼は私に契約書を一枚差し出した。
今日中に決めろという言葉を最後に、それは去っていった。
国家のために働く。
私みたいな工具職人が考えたこともないこと
受け取った契約書には、たった3文しかなかった。
-あなたは現時点より兵器開発本部に帰属します-
-あなたのすべての知識と開発成果は国家に帰属します-
-上記の条件に同意できない場合、機密上の理由によりお客様の記憶を削除することがあります-
意外な条件だった。
上の二行はとても一方的ですが
最後の文だけは、意図が理解できないほど雰囲気に合わなかった。
もともと民間人だった私が国家に所属することになれば
多くの応募を受けて、自分の目標を達成できるかもしれない。
人を助けることができるなら
私と同じことが起こらないように防ぐことができれば
みんなが自分の身を守れる、そんな世界を私が作ることもできるのではないか?
私は、人間が手にしてはならない最も恐ろしいものとともに、契約書に答えた。
機械帝国兵器開発部
国家が秘密裏に新設した軍事施設。
そこで、無線ルーン装備を開発したオリエンタルと、使節団と親交のあった魔法学者ローズを見ることができた。
二人とも一つのことに執着していて、壊れたような印象を漂わせていたが
自分が本当に違うのだろうか。
ルーン工具職人として、一つのことに執着し狂おしく取り憑かれなければ何かを成し遂げられないということは理解している。
そうだ、私も変わらない
私も目的を果たすためにここに来たんだ
国家でも何でも利用してやる。
利用したわけではない。
ただ利用されただけだよ
傲慢
人間の最も危険な感情の一つ
私はこれを抑えきれず、結局さらに深いところへ入ってしまった。
開発は順調ではなかった。
帝国は本当に莫大な支援を惜しまなかったが
ルーンを装着した兵器たちは安定化試験すら行えず、フレームが壊れてしまった。
壁を感じていた。
アドバイスが必要だ。
助けが必要だ。
その時、ヘミスフィア1号機を完成させたローズが私に近づいてきた。
彼女は私のフレームの設計と構造を見て、問題はとても単純だと言って助言してくれた。
-魔力を宿したルーン、そのルーンを装着して使う火器なら、当然、魔力と反応の良い金属を使えばいいのではないか?-
あ
このバカなやつ
ルーン工具職人だった私は、当然のようにすべてのフレームに一般金属を使用していた。
この単純なミスに恥ずかしくなった私は、にやりと笑っているローズに、思わず大声を上げてしまった。
-そんなこと知ってるもんだから当然だろ。俺は魔力反応の高い金属を手に入れるのが難しいから、普通の金属でテストしていただけだ!-
ローズはそんなことを考えていたのかと感心し、頭をそっと撫でてから席に戻った。
私はまもなく、魔力と反応が格段に優れたブラックメタルを受け取ることができた。
単なる工具職人だったら、一生触れることのない幻の素材ブラックメタル
こんなに簡単にこれを差し出すなんて。
帝国が私にどれほど期待しているかに気づくのは簡単なことだった。
ブラックメタルを精錬して作ったフレーム。
ルーンを装着すると、周囲の魔力を吸収するかのようなオーラが発生し、やがて濃い黒い光だけを放って静まった。
初のブラックメタルウェポン
それはまるで片手で握って撃つ大砲のような形をしていた。
私はこれに「ハンドキャノン」という名称を付けたが、通常は人間が両手で撃つ必要があるため、改良は不可欠だった。
ついに成果を上げた私に、帝国軍部はそれを驚くべき発明だとして私の功績を称えた。
今だ。
国という存在が自ら滅びの道を歩み始めたことが
祖国の寵愛を背負った私は、人が自分を守れる世界を作るという本分を忘れ
やがて帝国の要求に応じて、数多くの兵器の製造を始めた。
Androidが使用するルーンウェポンたち
戦艦で運用できる数多くの兵器たち
これらすべてにブラックメタルを使うのは、ほぼ不可能だ
できるだけ純度を希釈した量産品を使用した。
私は自分の特権に酔いしれて堕落し、もはや取り返しのつかないところまで行ってしまった。
自分自身をルーンウェポンマスタリーと称した。
ヘミスフィア開発者ローズ
彼女のバリアは、私が作ったすべての兵器の攻撃を防いだ。
帝国もそれについて懸念を表明した。
ヘミスフィアを破壊できるほどの強力な兵器を作ることはできないのかと
プライドが大きく傷つき、気分がとても不快になった私のもとにローズが訪ねてきた。
普段彼女を監視していた監督官が姿を消したのを見て、秘密の話をしに来たのだと思った。
タイミングが良くないと感じた彼女は、後でまた来ると言って帰ろうとしたが
私は大丈夫だと言って、何を言いたいのかと席に着かせた。
彼女はなかなか話題を切り出せなかったが、お茶を一杯飲んで、やっとの一言を漏らした。
-私は今、帝国を裏切る計画を立てている-
何だと?
私が聞き間違えたのか?
-私と一緒に来てくれない?-
私は笑った。
とても大きく笑った。
帝国を裏切るって?
今、その言葉を私の前で言ったの?
自分にとって最大の障害が、自ら自爆すると宣言したことだ。
疑わしかった。
ローズは、私を信頼するには接点が少なかった。
あの時あの瞬間だけだったほど、兵器開発部は互いに関心がなかった。
なぜ私にこんな提案をするのかと問い返した。
あの著名なオリエンタルと、Androidのナディアがいるが
どうしてわざわざ自分がなのか
オリエンタルはすでに投げやりになっており、ナディアは帝国への献身を誓って関心がないと答えた
最後に、ルーンウェポンの総責任者である私の元へやって来たのである。
あの時ローズの手を握っていたら
私は後悔しなかったのだろうか。
私もまた機械帝国を裏切るつもりはないとして断った。
ローズは仕方がないという表情で研究室を出ようとした。
どうしてそんな質問をしたのだろうか
-あの時、どうして私に気を使ってくれたの-
会話を盗聴できないように張り巡らせた防御膜を解除して答えるローズの笑みは、満開のバラのように美しかった。
-一生家族も友達もいない私にとって、うずくまっているあなたがまるで妹のように感じられた。 それだけだよ
ローズが研究室を出て、私はいろいろな感情が交錯した。
呆れた。
妹だなんて全く理解できなかったが、胸の片隅には痛みを感じた。
だからだろうか、私はローズを安保局に告発しなかった。
数日後、彼女の研究室は閉鎖され、私はローズを二度と見ることはなかった。
帝国が全世界に征服戦争を宣言した。
戦争の目的は、未来の平和な世界のために
矛盾した目標
世界を平和にするために、世界を吹く。
私が作った兵器で
世界中の生き物を虐殺する。
吐き気がした。
その後、研究室に放り込まれた俺は、ヘミスフィアを破壊できる武器のためにすべてを注ぎ込んだ。
ふと、ローズが私にアドバイスしてくれた言葉を思い出した。
-そのルーンを入れて使う火器なら、当然、魔力と反応の良い金属を使えばいいのではないだろうか?-
ヘミスフィアの魔力は、すべての物理・魔力攻撃に反発する。
それなら、魔力と反応が良い金属弾なら可能ではないだろうか?
残ったブラックメタルを加工して5発の弾丸を作り、最初に完成させたハンドキャノンに装填した。
実験はできなかった。
開発者のローズが拘束されたことで、すべてのヘミスフィアの稼働が停止した。
帝国軍部にこの知らせを伝えようか。
私にもまだ一片の良心が残っているだろうか。
ローズなら、どんな選択をしただろうか。
内面的に激しい葛藤をしていたとき
ローズが1号機を除くすべてのヘミスフィアに爆発魔法を付与し
火あぶりにされて処刑されたという知らせが届いた。
言葉では表せない感情が込み上げてきた。
ここで話をした最初の相手だからだろうか
私は遅ればせながら、私が作った兵器の戦争使用を禁止できないかと
軍部の意見を提出した。
突然別人になったような私に気づいた彼らは、当然のように拒絶しました
私は、すべての魔力が断たれた研究室に閉じ込められることになった。
研究室内で、私は途方もない自己嫌悪に襲われた。
まるで偉大な人になったかのように振る舞った過去
私が作り出した数多くの殺人兵器たち
自分自身を守りたかった目的は、ここに入ってきた瞬間からすべて無意味だった。
結局、私は自分の欲に飲み込まれ、多くの人を殺した発明家になるのだろう。
ローズが座っていた椅子を見つめながら、乱れた心がさらに裂けていくのを感じた。
-ローズは私が殺したんだ-
しばらく時間が過ぎて、研究室のドアが開いた。
帝国軍のアンドロイドたちと開発者のナディアだった。
抵抗は考えない方がいいよ、素直に協力しなければ、私の子どもたちがあなたの脳だけを除いて全部壊してしまうから
滑稽に笑ってしまった。
彼らは最初から、私の脳が目的だったのだ。
市民の安全なんて、最初から関係なかった
悪を滅ぼすためだったのに
逆に悪を増長させてしまった形だなんて
お父さん、私がひどいことをしたとしても、かなりひどい選択をしたみたいです。
覚悟を決めた俺は、ハンドキャノンをナディアに向けた。
―まあ、まさか抵抗するつもりか? そして私を撃っても何の意味もない、私の子供たちはすでに量産化まで終えているのだから
ナディアはため息をつきながら言葉を続けた。
-ローズもあなたも本当に恩知らずだね。彼に従い、特権を享受しておいて、今さら善人の振りをするのか?-
その通りだよ。
すべての特権を享受して得意満面に生きておきながら、今さら。
本当に利己的だ、人間ってやつだよ
-そうじゃない?
ローズお姉さん
私はハンドキャノンを頭に向けて、そのまま引き金を引いた。
戸惑ったナディアの顔を最後に、私の意識は散った。
人として人を助けたかった。
嫌なものが全部消えてしまえばよかった
しかし、自ら貪欲の沼に溺れ
正気に戻った後は
私も悪魔のようだった。
ルーンウェポンマスタリーとは
私の脳のことを意味していたんだ
悪人としても、最低限の責任は負わなければならないだろう。
その時声をかけてくれてありがとう、ローズお姉さん
もっと良い世界でまた会おう。
-機械帝国兵器開発部ソディナ-
いろいろと気の毒な子です




