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濃くする


依頼をした破付タクトは、お礼と依頼料を払って帰った。


まあ黒いシミが落ちていない部分があって、後処理の方に追われそうらしいが。

そして私たちはというと


「でコイツってどうするの?」

「タコルルーリーねー。ウチらじゃあ使えないけど、アテはあるよ」


なんか目をギラつかせているテルミが、震える手のひらサイズのタコを鷲掴みにして、外に出る。

「ホラホラ!君もこっち来なよ」

「あーはいはい」


断ったら逆に粘着して来るやつだなコレ。




でやって来たのは、探偵事務所の下の階にあるカフェ『キツツキ』だ。

「店主ー、良い物ゲットして来たよー」


ササッと入って、奥のスタッフルームに入って行く。

そこには、4、50代くらいの男がいた。

「ああ久留亜さん。注文あるので裏で少し待っていてくれませんか?」


私たち神の化身とも違うただの人間だが、こんな人に扱い切れるのだろうか。

「彼は木兎羽リョウト。ココの店主でね。何故だか神話食材の影響を受けないから使わせているんだよね」

「マジかよ」

「マジマジ」


既に、久留亜探偵事務所はいくつかの神話食材を回収しており、カフェとして使えそうな神話食材をココに送っているそうだ。

いやそんなに流して大丈夫なのかコイツら?


「ハイハイ久留亜さん。そちらは新しい見習いさんですか?」

「おうリョウ、コイツはヤミって言うんだ」

「黒羽ヤミと言います」


注文ついでに入れてくれたらしいコーヒーを飲みつつ、話を進める。

「今回はコイツ、タコルルーリーっていう物理的にも概念的にも黒く、濃くするってヤツだ」

「ナルホド。ですけどコーヒーとかはもう適任の食材がいますからねー」

今更ながらに、コイツ黒くしていく能力だから、別に中濃ソースとかじゃなくても良いのか。


「そうなんだよなぁ。じゃあお食事系でとも思っていたんだけど、黒っぽいヤツだとイメージ的にカフェに合いそうなのって思いつかないんだよな」

それもそうだ。


なんか焼きそばとかの方がイメージしやすいけどココはカフェ。

合わねえと思うんだよな。


それ以外にも思いつくのは………

そこで1つ思いつきはしたが、みんなして苦い顔をする。


「あのコレ3人とも同じ考えに至ったよね」

「コイツタコだけど良いのか?」

「いや見た目のモデルがそれってだけで見るべきは性能だし」

「良いんだったらセーので言わない?なんか言うだけで勇気が必要な気がしたし」


「じゃあウチがセーのって言うから」

それを聞き、3人とも身構える。


「セーの!………」






後日、キツツキには他では味わえないような濃厚なパスタが出てくることで話題となった。

「イヤータコなのにイカ墨ソースの濃度上昇要因に使われるとは」

「しかもこの子、終着点として黒くしていくだけで、本質は濃くするだけですからね。他のソースにも使えるのは盲点でしたよ」

その言葉に、エッヘンというような仕草でタコが返す。


「ところで、黒羽さんはその後大丈夫ですか?」

「ああ、上の住人になって着々と依頼をこなしているよ」


今は、自分用の携帯電話を買うことを目標として働き続ける彼女。

今はただ、見守りつつ良い感じに仕事を押し付けられるヤツゲットくらいに考えて、カフェの料理を楽しもうと、テルミはパスタを口に入れた。


なーんかタコの見た目とか普段やっていることとかに引っ張られていた模様


それはそうとして、導入とでもいうべき部分はここまで

次回はもっと厄介な事件に巻き込まれるかも

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