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女子プラモ部  作者: 志村けんじ


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3/8

新しい出会いの予感


 そのあと悠希は、松下希実まつしたのぞみさんと急激に仲良くなった。


 松下さんの旦那さんは、ビルの工事現場などで働いている人らしい。


 松下さんは、旦那さんのことを。


「うちの旦那。いわゆる、むかしでいうところのガテン系ね」

 と説明する。


「でも、力が強いだけじゃなくて、すごく優しいの」

 とお惚気のろける。


 最後に。


「でも、工作とかゲームは、あたしの方が得意だから、子どもに教えるのはあたしなの」

 と、優しく旦那さんをフォローしているのだ。


大樹だいきも。あっ、子どもの名前ね。そんな旦那のことが大好きだしね」

 と、松下さんは幸せの家庭を更にアピールする。


 そうな話を聞いて、悠希も少し羨ましいと思った。



 ある日、松下さんに、あることをお願いされた。


「あのね。ちょっとお願いがあるんだけど、子どもに色塗りを教えてくれない」

 そう言ってくる。


「色塗り? 絵ですか? 絵は、ちょっと、苦手で……」

 そう答えると。


「違う違う! プラモデルよ! プラモデル」

 それだったら、話は早い。


「なんだぁー。プラモデルか。それを先に言ってくださいよぉー。塗装ですね。いいですよ!」

 そう即答する。


「その塗装なんだけど、難しいものなの?」


「う~ん。エアブラシは、コツがいりますけど、筆塗りなら小学2年生でも大丈夫だと思います!」


「なら悪いんだけど、その筆塗りを教えてくれない」


「いいですよ! それなら、あたしのうちに来ますか? 道具、全部揃ってるし」


「いいの?」


「はい! もちろんです!」

 このあと、松下さんが、思わぬことを言う。


「ホントだったら、旦那の妹に教えてもらえばいいんだけど、遠いから」


「遠い? 遠くに住んでるんですか?」


「そう。岩手の盛岡」


「それは、遠いですよね」


「そうなの。それにあなたのとは、たぶんジャンルが違うし」


「ジャンル?」


「そう。女の子のお人形みたいな……」


「お人形?」

 そう言われて、悠希は少し考えた。


「お人形って、もしかして、こんなのですか?」

 悠希はスマホで画像検索して、松下さんにそれを見せる。


「そうそう、これ。こんなの」


「これは美少女フィギュアのプラモデルですね!」


「元々は、自分でコスプレしてたみたいなんだけど、そこからなぜか、そっちに行ったらしくて」


「へぇー。そうなんですか」

 その話を聞かされて、悠希はあることを思い出す。


「その旦那さんの妹さん……。もしかして、なにかで賞をもらってませんか?」


「みたいね。その美少女フィギュアとかいうやつで」


「その妹さんの、名前を教えてもらえませんか?」

 その松下さんの旦那さんの妹の名前を確認する。


「遥。松下遥だけど、それがなに?」


「そんな!? HARUKAさんで、超有名人じゃないですかー!?」


「そうなの?」

 松下さんは、その悠希のあまりの驚きに圧倒される。


「あたし、美少女フィギュアは、ちょっと作るのが苦手であんまりなんですけど、その妹さんの名前は有名で存じ上げてます」


「そんな、かしこまらなくてもいいわよ。今度、機会があったら紹介しようか」

 そんな、願ったり叶ったりののことを言ってくれる。


「ホントですか!? そのときは、ぜひお願いします!」

 そう。即答した。


「それで、子どもの方なんだけど、いつ……」


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