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罰ゲームで、私と付き合いたいと言って来たこの男は、本当は私の事なんて好きでも何でもないんだよね。

作者: 七瀬









私は30年間、彼を作った事が一度もない!

そもそも、“男の人が私を、女性として見てくれないのだ!”

私は子供の頃から、ふくよかな子で、、、。

年々、体重が増加していっている! それは今も現在進行形。

今現在の体重が、100㎏と三桁という数字になってしまった。

半年前までは、ギリギリ99.8㎏だったのだが、100㎏を超えると?

流石に体がどっしりと重たく感じた。

私自身も、自分の身体に身がぎっしりと詰まった感じを受けている。






・・・そんな私が職場で一番のイケメン男子から告白される!



『“りんかさん! ボクと付き合ってくれませんか?”』

『えぇ!?』

『今すぐ返事しなくてもいいから、少しボクの事を考えてほしいんだ!』

『・・・う、うん。』




私はあの場で直ぐにでも返事をしたかったが......。

彼がああいうから私は、唾と一緒に言葉も飲み込んだ!







 *





・・・でも数日後。

私は、聞いてはいけない事を訊いてしまう。




『りんか、まさかだけど? 本当に太田君と付き合えると思ってるのかな?』

『まさか? 自分の身の程を弁えていると思うけどな。』

『そうだね、100㎏のデブとあんなイケメン男子が付き合えるはずがない

じゃない!』

『“罰ゲームで、りんかに太田君が告白するっていうゲーム! 本気で受け止

めたりしないわよねぇ~”』

『でもさ、太田君! 最悪な罰ゲームよね!』

『あんなデブに告白するだけでも、罰ゲームだって言うのにさ。』

『そうそう!』

『最悪だわ~』

『オレなら、罰ゲームでも! あんなデブに告白なんてしたくないわー!』

『“皆、言い方酷いから。”』

『りんかがこの話、聞いたら? 泣くよ!』

『“そうだね、りんかには絶対に内緒にしようね!”』

【うん!】






・・・ココで私はやっと我に返る!


“そうだよな、私みたいなデブとあんなイケメン男子が付き合うなんか、

絶対にある訳ないんだよね! 分かってはいたけど、浮かれるほど嬉しかっ

たの! 夢なら冷めてほしくないじゃない! これでも女の子なんだもん!

そんなドラマのような事が起きてほしいじゃない!”





【トントン】


『“どうしたの? 考え事?”』

『・・・お、太田君?』

『“前の返事なんだけど、、、”』

『“罰ゲームだったんだよね! 私みたいなデブに太田君みたいなイケメン男子

から告白なんかされる訳ないって知ってたよ。”』

『えぇ!? 誰から聞いたの?』

『“聞いたと言うより、聞こえてきたって感じかな、”』

『またアイツら、勝手なこと言いやがって!』

『“でも? 本当の事なんでしょ!”』

『罰ゲームは、う、うん、本当の事だけど? でもその前に、本当にボクは

りんかさんの事が好きで、今まで誰にも言わなかったけど、ボクはデブ線で、

もろ! りんかさんがタイプなんだ!』

『えぇ!? う、嘘でしょ!?』

『“嘘じゃないよ! ボクは今のりんかさんが大好きなんだ”!』

『・・・お、太田君、』

『“本当にボクと付き合ってほしい!”』

『・・・うん。』

『ありがとう!』







私はこうして、、、! 

彼が職場の人達の目の前で、二人が付き合った事を報告してくれた!

私は彼の隣で誇らしげな顔で、“これで私は正式な彼の彼女なんだ”と

満面の笑みで答える事が出来る!

産まれて初めて付き合った彼が、“職場で一番イケメンの男子なんて最高!”

太ってるのも、満更損ばかりではないなとこの時初めて私は知ったわ。


【神様! 私にイケメン男子の彼氏を作ってくれてありがとう~!】


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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