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9/12

9.♡月♡日

⇢アナベルがまた俺に笑いかけてくれる様になった。


結局何故アナベルが急に俺を見て怯えた様な態度をしていたのかは分からなかったがもうその様な事すらどうでも良くなった。


しかし、次にまたアナベルが俺に対してあの様な態度を取らないように今後は徹底してアナベルが俺から離れられない様に俺の腕の中へと引きづり込む必要がありそうだ。

気づいた時にはもうアナベルが俺の腕の中から抜け出せない様になるまで、、。


あの日、アナベルが俺に笑顔を向け戻してくれてからも変わらず俺はナックス伯爵邸で過ごすアナベルを毎日木の上から観察するのが日課になっていた。

もちろん毎日のアナベルの写真も撮り忘れる事なくだ。

アカデミーを卒業したらカイザー公爵邸の自室とは別にアナベルの写真を飾る部屋を設けたほうが良さそうだ。


そして、もちろん父上の代わりにナックス伯爵が育てる種の様子を視察するという口実訪問も徹底した。

視察と題して訪れる度にアナベルが俺の為に美味しいお茶を淹れてくれアナベルと共に二人だけの至福のお茶の時間を堪能した。


俺は、アナベルと過ごすお茶の時間の為にアナベルへティーセットを贈った。 

アナベルにはアナベル好みのティーセットを"通りがかりに見つけた"と言って贈ったがそれはもちろん嘘だ。

本当はアナベルの為に俺がアナベル好みに特注した世界にたった一つしかないデザインのティーセットだ。

どこにでも売っている既製品だと誰か知らない奴とお揃いになる可能性も否定できないのだ。

そんな可能性など許せわけがない。


心なしか俺がナックル伯爵邸を訪れた日以降アナベルの表情が柔らかく安心した様に見えた。


そんな風になったのが俺きっかけだとしたらたまらなく嬉しい事だ。

俺に笑いかけてくれるアナベルを見ていると色々と我慢できなくなるから困ったものだ。


俺が視察と呈してナックル伯爵邸に4度目に訪問をした際にアナベルの事が心配だといって訪ねてきたアナキスと遭遇した。


アナキスは俺を見るなり警戒した態度を見せた。

俺はそんなアナキスの態度に苛立ちを覚えたが平然を装い相手をした。

その後も俺を警戒していたアナキスにいよいよ苛立ちがピークになりかけた時に感動的な瞬間があった。


それは…俺に警戒するあまり態度が悪目立ちになってきたアナキスに対してアナベルが注意をした。

アナベルが俺の味方をしてくれたのだった。


アナベルは俺は父の代わりにナックル伯爵邸を訪問していて訪問の度に自分の話し相手になってくれているのだと。


そんなアナベルを見て俺はアナベルが愛おしくてすぐにアナベルを抱きしめたくてたまらなかった。


しかし俺はそんな感情をグッと堪えた。


アナベルがお茶を温め直しに行っている間に俺はアナベルが自分より俺の肩持った事にショックを受け不満な表情を浮かべてたアナキスにアナキスが安心する様な話をあえてした。


俺をどこか警戒しているアナキスに対して警戒心を振り払わせる為にだった。


アナキスにはアナベルがアナキスの事で悩んでいたと。

アナベルがアナキスに頼ってばかりな事にどうしたらいいのかと悩んでいたと。

アナキスは俺の話を聞きとても驚いていた。

アナキスの表情を見るに何か心当たりがあるのだろうと思った。

俺はそんなアナキスに言った。

悩んでいたアナベルに対して俺がそんなに焦る必要はなどなく今はこれまで通りアナキスに甘えてもいいのではないか?と助言したと。


俺のそんな話を聞いてアナキスは驚いた表情を浮かべていた。

それもそのはずだ。

俺が何か企んでいると思っていたアナキスは俺がアナベルに対してそんな事を言うはずがないとでも思っていただろうからだ。

しかし実際に蓋を開けてみたら俺はアナキスに有利な発言をアナベルにしたのだから驚くのも当然だろうがこれでアナキスの俺に対する警戒心が一気に薄れた事だろう。


それにアナキスは少し冷静になったのか俺が誰からもアナベルの居場所を聞いていないのに俺が意図としてこの場所にいるはずがないという事に気づいた様だった。


まぁ実際には意図としているのだがそう見せないのが俺の作戦の一つでもあった。


そして俺は更に一押しして自分は友達であるアナキスがアナベルを大切にしていると知っているから自分もアナベルに対して優しく丁寧に接していると伝えた。


さすがのアナキスも警戒心を緩めざるおえない状況をしっかりと作った。


その後、アナキスは失礼な態度をとった事に対して謝罪をしてきたが俺は気にすることはないと伝えた。


ようやくアナキスの警戒心が緩くなったり厄介事から少し開放されたと思った矢先にアナキスの言葉で更なる厄介事が生じた。


それは…

ロザンの母である皇后陛下からアナベルに皇宮へ招待するという手紙が届いたという話だった。


手紙の内容によるとロザンがたまたま皇后陛下との会話の中でアナベルが調合するお茶の話になりその流れで皇后陛下が是非アナベルに会いお茶について話が聞きたいとのことだった。


ロザンが前に皇后陛下の話をした際に皇后陛下はお茶に目がなく色々な国からお茶を取り寄せている程だと聞いた。


アナキスの話にアナベルはとても戸惑っていた。

アナキスも戸惑いを見せていた。

さすがに皇后陛下からの誘いをよほどの理由がない限り断る訳にはいかないからだ。


アナベルが皇后陛下に会うのは厄介だ。

特に皇太子であるロザンの皇太子妃を決める期間中というのがもっとも厄介だ。


現時点ではアナベルは皇太子妃候補には名前も上がっていないだろう。

しかし皇后陛下と会ってしまえば間違いなく皇后陛下はアナベルの事を気に入るだろう。


まずいことになった。


絶対にアナベルを皇太子妃候補にさせる訳にはいかない。


アナベルが皇太子妃候補にあがる前に父上に頼み内密にアナベルをカイザー公爵家に嫁ぐ事が決まっているという形を作ってもらわなければならない。


俺は平然を装いそんな事を頭では考えていた。


結局、その日アナベルは急遽休養を終えてアナキスと共にフルート侯爵邸へ戻ることとなった。


アナベルの日常を覗き、アナベルと過ごす時間をこんなに早くなくされた事が腹立たしくてたまらなかった。


後日、アカデミーでアナキスがロザンにアナベルの皇宮訪問についての話をしていたのでこっそり話を盗み聞きしておいた。

そのお陰でアナベルの皇宮訪問の日取りを調べる手間が省けた。


そして…

あっという間にアナベルが皇宮へ訪れる日が訪れた。


俺はアナベルが皇宮へ訪問するの同時に皇宮へ父上と共に訪問した。

事前に父上に頼み貿易状況について皇帝陛下への謁見申し入れをしてもらっていた。

カイザー公爵家は皇族に匹敵もしくはそれ以上の力を持つ貴族であり国の安定を支える第一人者でもある為にいくら皇帝陛下でもカイザー公爵家を無下には出来ないのを承知の上であえて皇后陛下に訪問客がある日に日程をかぶらせた。

次期当主として父上の仕事の手伝いをしているという理由で俺も同行した。


俺は話が一段落したところでロザンに挨拶をするという体でその場を抜け出しロザンの元へと向かった。


しかし、ロザンの元へ向かう途中に中庭でロザンとキール、アナキスとアナベルが話している姿を目にした。

皇后陛下との話は終わったようだった。


俺はその光景を見て苛立ちを覚えた。

女嫌いなロザンとキールが表情を緩め嬉しそうにアナベルに接していたからだ。

いくら友達だろうとアナベルを奪おうとする者は許さない。


俺はあの輪の中からアナベルを離したい思い中庭へ向かおうとした。


だがその時…


幸か不幸か国のお騒がせツインと呼ばれるアードン伯爵家の双子の令嬢がアナベル達の輪へ現れた。


半年前に社交場で大暴れし父親であるアードン伯爵の怒りを買い謹慎処分を受けていた双子令嬢の謹慎が明けたようだった。


謹慎明けすぐに皇宮へ訪れたようだ。

恐らく許可なしの訪問だろう。


双子令嬢は俺たち4人が最も苦手、、いや嫌いな女代表といえる。


双子の片わらはアナキスを。

もう片わらを俺の妻になると豪語している愚かで虫けら以下の双子だ。

俺とアナキスに近づこうとしている女達に数々の悪事を加えてきた。

それに加えて強欲な双子は更に皇太子であるロザンと宰相の息子であるキールに近づく女達にも目を光らせていた。


タイミングよくアナベル達の輪を崩してくれようとしているのは俺には好都合だがアナベルに危害を加える恐れがあることは黙ってはいられない。


俺はどうにかアナベルをその場から抜け出させたいと思った。


その時…

アナベルの様子がおかしい事にアナキスがいち早く双子令嬢からアナベルを守ろうという姿勢に入りアナベルに耳元で何かを呟くとアナベルは小さく頷き戸惑いながら輪の中から抜け出し皇宮内へと足早に向かった。


俺はハッとなり急ぎアナベルが向かった方向へと急ぎ混乱していたアナベルの手を掴んだ。


アナベルは急に手を掴まれ恐怖したがその相手が俺だと気づき安堵した表情を浮かべた。


俺はアナベルに「しー」というジェスチャーをして皇宮へと足早にアナベルを連れ移動した。


中庭から死角になっている場所へアナベルを連れて行った。


ふとアナベルを見ると顔色が悪かった。


俺はそんなアナベルを見て咄嗟にアナベルを抱きしめて背中を優しくさすったのだった。⇠




ナックル伯爵邸を訪れた日からアナベルの俺に対しての態度が元に戻った。


また俺に笑いかけてくれる様になった。

それがこんなにも安堵し嬉しいとは自分でも驚きだ。


(しかし、何故アナベルは俺を見てあんなにも恐怖に怯える様な表情をしていたのだろか?結局理由は聞けなかったがもはやそんな事もどうでもよく思える程アナベルの笑顔の力は偉大だな)


俺は寮の部屋で一人アナベルの笑顔を思い出しながら顔をニヤつかせながらそんな事を考えていた。


「だが、もしまたアナベルが俺にあの様な態度を取ったら俺は次どうなるかわからないな、、」


俺は目を細めて呟いた。


「そうならない為にもアナベルが俺の腕から抜け出せなくなる様にすればいいか。アナベルが抜け出したくても気づいた時にはもう回りをがっちりと俺の腕で固められている状況をしっかり作っておけば問題ないな」


俺はニヤリと笑みを浮かべて呟いた。


その時…


コンコンッ


部屋の扉が鳴った。


「はい」


俺が言った。


「お荷物が届きましたのでお持ち致しました」


扉の外から男性が言った。


(あぁ届いたか、、)


俺は荷物が何かをすぐに冊子ニヤリと微笑みながらそんな事を考えていた。


ガチャ…


「こんばんは。こちらのお荷物で間違いないでしょうか?」


荷物を運んできた寮の職員の男性が俺に言った。


「あぁ間違いない」


俺は荷物の伝票を見て頷きながら言った。


そして俺は荷物を受け取ると丁寧に机に置いた。


「ようやく届いたか。タイミング的には丁度いいな」


俺は荷物を見てフッと笑みを浮かべて呟いた。


届いたのはアナベルにプレゼントする為の特注のティーセットだった。


アナベルの毎日を観察するのが日課になってからお茶を楽しんでいるアナベルを見ているとティーセットをプレゼントしたいと思った。


アナベルの好みだけではなく品質の良さも最高級の物をわざわざ陶器が有名な国の者に特注で作らせた一点物だ。


(アナベルは喜んでくれるだろうか)


俺は表情を緩めながらそんな事を考えていた。


「次にナックル伯爵邸へ訪問する時にアナベルに渡そう」


俺は満足気に言った。


俺が父上とナックル伯爵邸へ訪問した後も変わらずナックル伯爵邸へ足を運び木の上からアナベルを観察し写真を撮る日課は続けていた。

いくらアナベルに会いたくても毎日訪問するのは怪しまれるだろうから訪問日はきちんと考えて決めていた。


(アナベルの写真を毎日撮っているだけあってかなりの量の写真だな)


俺はアナベルアルバムの写真を見ながらそんな事を考えていた。


「アカデミーを卒業してカイザー公爵邸へ戻ったら自室の他にアナベル部屋を作った方がよさそうだな」


俺は笑みを浮かべて呟いた。


それからナックル伯爵邸へ視察と表して4度目の訪問をする日が訪れた。


「こんにちは。種の経過を伺いにまいりました」


俺は優しく微笑みながらナックル伯爵と夫人へ挨拶をした。


「お忙しい中ご足労頂きありがとうございます」


ナックル伯爵が笑顔で言った。


「ようこそおいで下さいました」


伯爵夫人が笑顔で言った。


「アナベルもこんにちは」


俺は伯爵夫婦の後ろで一緒に俺を迎えてくれたアナベルへ完璧な王子スマイルを作り浮かべて言った。


「ルシフェルお兄様こんにちは」


アナベルは優しい笑みを浮かべて言った。


(あぁ今日のアナベルも変わらず愛らしいな。昨日見たばかりだがやはりこっそり覗き見すると会うのでは違うな)


俺は王子スマイルを浮かべたままそんな事を考えていた。


「早速なのですが種の経過をお伝え致しますのでこちらへどうぞ」


ナックル伯爵が嬉しそうに微笑みながら言った。


「はい」


俺は笑みを浮かべたまま言った。


毎回ナックル伯爵から聞く種についての経過報告は一時間半程で終了していた。


実際のところ種の話はナックル伯爵邸へ訪問する為の餌の様なものだったので種についての報告は大して重要でもなければ興味もなかった。

しかし、ナックル伯爵からの報告後にアナベルとの大切なお茶の時間があるというだけで興味がなくとも真剣に報告を聞くふりを徹底した。


俺はナックル伯爵との話を終えると庭へと足を運んだ。


俺が庭へ着くと…


「ルシフェルお兄様」


アナベルが俺に気づき笑顔で俺に手を振りながら言った。


「アナベル待たせたかな?」


俺は王子スマイルを浮かべてあえて少し困った表情を浮かべて言った。


「い、いいえ。私も少し前からお茶の準備をしていたので待ってなどいませんからご安心下さい」


アナベルは慌てて言った。


(アナベルが慌てると分かっていて困った風に言って少し意地悪をしたが、、あぁ何て可愛いんだ。慌ててるアナベルも可愛くてたまらないな)


俺は内心はアナベルを抱きしめたい衝動にかられながら平然を装いそんな事を考えていた。


「そうなのかい?それならばよかった」


俺は王子スマイルで言った。


「はい。あっ、すぐにお茶を淹れますのでお座りになって下さい」


アナベルが少し戸惑いながらも微笑みながら言った。


「あぁ。ありがとう」


俺は王子スマイルで言った。


「あっ。そうだ。アナベル、、実は今日はアナベルにプレゼントがあるんだよ」


俺はあたかも今思い出したかの様な表情で言った。


「え?私にですか?」


アナベルは驚いた表情を浮かべて言った。


「あぁ。これなんだけど」


俺は笑みを浮かべて言うとティーセットが包んである箱をアナベルへ手渡した。


「何ですか?開けてもいいですか?」


アナベルは少し戸惑いながら言った。


「もちろん。気に入ってくれるといいのだけど」


俺は優しく言った。


そしてアナベルが包装紙を丁寧に開けてから箱を開けて中身を確認した。


「わぁぁぁ〜可愛い」


アナベルは箱の中身を見て目を輝かせて嬉しそうに言った。


「ここへ来る途中にアナベルが好きそうなティーセットが目に入ったので買ってみたのだけど、、気に入ってくれたかな?」  


俺は少し照れくさそうな笑みを作りながら言った。


「もちろんです。とても気に入りました。本当に素敵です」


アナベルは満面の笑みを浮かべて嬉しそうに言った。


「気に入ってくれたみたいで良かったよ」


俺は王子スマイルで言った。


「本当に素敵です。ですがこの様に高価な物を本当に頂いてもいいのですか?」


アナベルは少し戸惑いながら言った。


「もちろんだとも。アナベルに使って貰いたくてつい目について買ったのだから。それにここへ来る途中にたまたま目にした店で購入したものだから別に高価という訳ではないよ。これはここへ訪問する度に美味しいお茶を淹れてくれて私の話し相手になってくれるアナベルへのお礼だと思ってくれるといいよ」


俺は王子スマイルを全開にして優しく言った。


(まぁ本当は特注の世界にたった一つの超高級ティーセットだがそれを言ってしまうとアナベルは受け取ってくれないだろうからね。たまたま目についたくらいに言っておけば受け取り辛くはないだろうからな。実際はその辺に売っている既製品など俺がアナベルに贈るわけがないからな。既製品などどこぞやの知らない奴と同じ物を所持する可能性があるからな。知らない奴とはいえアナベルと同じ物を所持するなど許せる訳がない)


俺は笑みを浮かべたままそんな事を考えていた。


「そんなお礼なんて、、。私の方こそいつもルシフェルお兄様に話を聞いてもらってばかりだというのに」


アナベルは戸惑いながら言った。


「では、このティーセットはこれからアナベルと二人でお茶をする時に二人だけで使うティーセットにしたらどうかな?それならアナベルも受け取りやすいだろう?」


俺は優しく微笑みながら言った。


「はい」


アナベルはホッとした表情を浮かべて微笑みながら言った。


「では、今日も美味しいお茶を頂いてもいいかな?」


俺は王子スマイルで言った。


「はい。もちろんです」


アナベルは微笑みながら言った。


そしてアナベルが淹れたくれたお茶を二人で飲み始めた。


今日もアナベルと幸せな二人だけのお茶の時間が楽しめると思ってた時だった…


「アナベル!、、とルシフェル?!」


そこへアナキスがやって来た。


(チッ。これから二人だけで過ごす貴重な時間だというのにタイミング悪く現れやがって)


俺はアナキス見て苛立ちながらそんな事を考えていた。


「お兄様?!」


アナベルは驚いた表情を浮かべて言った。


どうやらアナベルはアナキスが来ることを知らなかったようだ。


「やぁアナキス」


俺は平然と笑みを浮かべて言った。


「何故ルシフェルがこんな所にいるのだ?!何の目的で何を企んでいるのだ?!」


アナキスが来るなり俺に突っかかってきて不満げに怒りをあらわにして言った。


「別に何も企んでないけど、、」


俺は戸惑ったフリをしながら言った。


(面倒臭いな。アナキスの奴はとにかく俺が何か企んでアナベルの元へ来ていると疑っているな。ついこの間丸め込んだと思ったがやはり納得してない様だな。厄介だな)


俺は内心は面倒臭さそうにそんな事を考えていた。


「お前が何も企まずここにいる訳がないだろう?!どうしてここにアナベルがいると知っているのだ?!」


アナキスは更に不満げに怒りをあらわにして言った。


(この状況でどうアナキスを上手く丸め込もうか)


俺は冷静にそんな事を考えていた。


その時…


「お兄様!そんな言い方は酷いです!」


アナベルがムッとした表情を浮かべてアナキスへ言った。


「ア、アナベル?」


アナキスはアナベルの言葉に動揺を隠せず言った。


俺も突然の事に少し驚いた。


「どうしてルシフェルお兄様にその様な言い方をするのですか?ルシフェルお兄様はここへカイザー公爵様と共にお仕事の関係でお祖父様の元を訪問されただけですよ?ルシフェルお兄様はここへ訪問された際に私がここにいる事にとても驚いていましたから私がここに滞在している事はルシフェルお兄様は知らなかったと思います。それにお兄様は私の体調をとても心配してくださってましたし私の話も親身になって聞いてくれました。それなのにどうしてお兄様はそうやってルシフェルお兄様の話も聞かず頭ごなしに言うのですか?」


アナベルは必死な表情を浮かべて言った。


「アナベル、、」


アナキスは更に動揺と焦りを見せつつ言った。


「アナベル落ち着いて。私は気にしてないから大丈夫だから」


俺は困り笑みを浮かべて言った。


(アナベルが俺を庇ってアナキスに怒ってくれた。あぁ、、その事実が嬉しくてたまらない。いつもアナキスにべったりだったアナベルがアナキスより俺を選んでくれたんだ。アナベルが愛おしすぎて今すぐにでも抱きしめてキスをしたい)


俺は内心嬉しさのあまりおかしくなりそうになるのを必死で隠してそんな事を考えていた。


「ですが、、」


アナキスは戸惑いながら言った。


「アナベル。お茶が冷めてしまった様だから申し訳ないけれど温め直してきてくれるかい?」


俺は優しく笑みを浮かべて言った。


「はい、、分かりました」


アナベルは戸惑いながらも頷きながら言った。


そしてアナベルはお茶を温め直すために邸内へと向かった。


(アナベルがいない隙にこの状況を上手くおさめるとするか)


俺はサァーっと表情をいつも通り冷静に戻してそんな事を考えていた。


「ルシフェル一体どういうつもりなんだ?」


アナキスは怒りをあらわにしながら言った。


(何故ルシフェルがここへいるのだ?アナベルに何をしようと企んでいるのだ?)


アナキスはルシフェルを不審に感じつつそんな事を考えていた。


「アナキス、、君は何か誤解している様だから言っておくが俺はここへアナベルが滞在しているとは知らなかった。父上がナックル伯爵に仕事の関係で話がある為にここへ訪れたて初めてここへアナベルが滞在している事を知ったんだ。俺が父上の仕事の手伝いをしているのを知っているだらう?」


俺は困った表情を浮かべて言った。


「君がカイザー公爵の仕事の手伝いをしているのは知っているがこのタイミングで君がこの場所を訪れるのはやはりどう考えても偶然にしては出来すぎている」


アナキスは疑いの目を俺に向けながら言った。


(本当にこいつのこういう頑固な部分にはこういう時に困るな)


俺は内心は面倒臭いと思いつつそんな事を考えていた。


「アナキスがそう思うのも無理はないがアナベルがここに滞在しているということを俺が知るわけがないだろう?アナキスから聞いたわけでもないのだから」


俺は更に困った表情を浮かべて言った。


「そんな事私が教えなくてもカイザー公爵家の君ならそんな情報くらいすぐに掴めるだろう」


アナキスは不満気な表情を浮かべて言った。


(ルシフェルなら平気で調べさせそうだからな)


アナキスはそんな事を考えていた。


(さすがだな。鋭い指摘だ)


俺はそんな事を考えていた。


「いくらなんでもアナベル一人の居場所を探るというだけでカイザー公爵家が動かないさ。カイザー公爵家は日頃から忙しくそんな事に労力を費やす時間がない事くらいアナキスも知っているだろう?」


俺は困り笑みを浮かべて言った。


(実際は父上に動いてもらったのは確かだけどな)


俺はそんな事を考えていた。


「クッ、、それはそうだが、、。」


アナキスは俺の言葉にバツの悪そうな表情を浮かべて言った。


(アナキスはフルート侯爵家の次期当主だ。皇宮と匹敵する程の権力も財力もあるカイザー公爵家の多忙さはフルート侯爵の手伝いをしているアナキスならよく知っているだろうからな)


俺はそんな事を考えていた。


「それに、、アナキスが何を誤解しているかは知らないが俺は本当に何も企んだりしていない。多忙な父上に代わりにここへ訪れるだけでなくアナベルとお茶を飲んでいるのはアナベルの話を聞いてあげてるからだ」


俺は真剣な表情を浮かべて言った。


「アナベルの話を?」


アナベルは眉をひそめて言った。


「あぁ。アナベルはアナキスの事で悩んでいた様だ、、」


俺は困った表情を浮かべて言った。


「アナベルが私の事でだと?」


アナキスは驚いた表情を浮かべて言った。


(一体どういうことだ?)


アナキスは驚いた表情を浮かべたままそんな事を考えていた。


「、、アナベルが倒れた日からアナベルがアナキスに対して態度が変わったんじゃないか?」


俺は困った表情を浮かべて言った。


「どうしてそれを、、」


アナキスは戸惑いながら言った。


「どうやらアナベルはアナキスに対してこのままでいいのかと思い悩んでいる様だった」


俺は困った表情のまま言った。


「どういう意味なんだ?!」


アナキスは表情を歪めて言った。


(食い付いたな)


俺は内心はニヤリと笑みを浮かべてそんな事を考えていた。


「、、アナベルはこのままアナキスに頼って甘えてばかりではいけないと悩んでいたんだ。アナキスもアカデミーを卒業するしアナベルももう子供ではないからな。確かに傍から見てもアナベルはアナキスにべったりだったしアナキスもアナベルをとても大切にしている事が丸わかりだからな」


俺は困った表情を浮かべて言った。


(多少は話を盛っても問題ないよな)


俺はそんな事を考えていた。


「アナベルはこの先もアナキスに頼って甘えてばかりだとアナキスの負担になるのではないかと悩んでいたよ。だからアナベルはアナキスに余所余所しい態度をとっていたみたいだ」


俺は困った表情を浮かべて言った。


「まさか、、アナベルがそんな事を考えていたなんて、、」


アナキスは表情を歪めて言った。


(私はアナベルの存在が負担になど思ったことはないというのに、、。まさかアナベルにそんな事を思わせてしまっていたとは。兄として不甲斐ないな)


アナキスは悔しそうにそんな事を考えていた。


「だから俺は悩んでいるアナベルに今は無理にアナキスから自立しようとせずとも焦らず流れに任せればいいのではないか?今はまだアナキスにこれまで通り頼って甘えてもいいのではないか?と伝えたさ」


俺はやれやれという表情を浮かべて言った。


「何?何故、、」


アナキスは俺の言葉を聞き驚き言った。


(きっと俺がアナキスの有利になる様な事など言うはずがないとでも思っていた顔だな)


俺は内心呆れながらそんな事を考えていた。


「なぜって、、アナキスは俺の友達でアナベルはアナキスの妹でアナキスがアナベルの事をどれほど大切に思っているか知ってるんだから二人には仲良くしてもらいたいからに決まってるだろう。それ以外の理由なんてないだろうに、、何を誤解しているかは知らないが俺にとってアナベルは友達であるアナキスの妹だ。それ以下でもそれ以上でもない。ただ、、俺は一人っ子だから妹がいたらこんな感じなのかと思うとつい兄になった気持ちでアナベルに接してしまうんだ、、俺の行動のせいでアナキスを不快にさせてすまなかった、、」


俺は切ない表情を浮かべつつ真剣に言った。


(さぁ、、どう返す?)

 

俺はそんな事を考えていた。


(私はてっきりルシフェルがアナベルを見た時に例の事件の少女だと気づいたからアナベルに近づいたとばかり思っていたがそれ自体が私の勘違いだったのか?もしアナベルが例の少女だと気づき近づいたのであればルシフェルの性格を考えると私に有利になる様な発言などせずむしろ相談に乗った際にアナベルが私から離れる様に仕向けるはずだ。それなのにルシフェルはむしろ私とアナベルの兄妹仲を大切に思っているようだ。確かにアナベルはこれまでルシフェルに群れ上がる様なタイプの女ではない上に私やキールやロザンの様に弟や妹がいるわけでないからアナベルを妹の様に可愛がるのは分からないこともない。本当にルシフェルがフルート侯爵邸を訪れたのもここへルシフェルがいるのも意図して何かを企んだわけでもないのかもしれないな、、。だとしたら、、)


アナキスは真剣な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「ルシフェル、、すまなかった。私が勝手な思い込みで誤解していた様だ、、。アナベルの事になるとつい物事を考える視野が狭くなってしまうものだから。勝手に決めつけ頭ごなしに責めてしまってすまなかった、、」


アナキスは気まずそうに申し訳なさそうに言った。


(私は数少ない友達を先入観だけで疑ってしまった。アナベルがあの様に言うのも仕方ないな)


アナキスは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


(よし、、勝った)


俺は平然を装いつつ内心はにやりと勝ち誇った笑みを浮かべてそんな事を考えていた。


「いや、、アナキスが謝る必要などないさ。俺の性格を知っているアナキスにそう思われても仕方ないとも思うからな。そう思われるのは慣れているからな。」


俺は困り笑みを浮かべて言った。


(俺の性格はアナキスが知る通りだがな。だがこれでアナキスの警戒を緩むだろうな)


俺は内心ニヤリと笑みを浮かべてそんな事を考えていた。


「ルシフェル、、」


アナキスは戸惑いながら言った。


(いくら普段から冷たく表情も読めない腹黒い奴だがルシフェルも人間だからな。周りからの言葉に傷つかないなんてないよな)


アナキスは戸惑いながらそんな事を考えていた。


「これからもついアナベルを妹の様に思うあまり不快に思ったらすぐに言ってくれ。だが、今後もアナベルを妹の様に可愛がってもいいだろうか?アナベルを困らせたり悲しませたりする事などは絶対にしないから」


俺は困った表情を浮かべて言った。


(それどころかドロドロに甘やかせて俺にどっぷりハマらせてやるけどな)


俺はそんな事を考えていた。


「、、あぁ。いいだろう」


アナキスは少し考えた後に小さく頷きながら言った。


「ありがとうアナキス」


俺はフッと口角を上げて言った。


(よし。これでアナキスの事は一先ず解決したな。これでゆっくりお茶を飲めるな。アナキスがいるのは気に食わないが)


俺はそんな事を考えていた。


そこへアナベルが戻ってきた。


「お待たせしました」


アナベルはそう言うと温め直してきたお茶をテーブルに置きカップに淹れ直した。


「ありがとうアナベル」


俺は王子スマイルを浮かべて言った。


「はい」


そんな俺にアナベルは笑みを浮かべて言った。


「ありがとう」


アナキスは少し気まずそうにアナベルへ言った。


「はい、、」


アナベルも少し気まずそうに言った。


「その、、アナベルすまなかった。私の勝手な思い込みでルシフェルに酷い物言いをしてしまったんだ」


アナキスは戸惑いながらアナベルへ言った。


「いえ。分かって頂けたらいいのです」


アナベルはふっと優しく笑みを浮かべて言った。


「あぁ」


そんなアナベルの表情を見てアナキスは安堵した表情で言った。


(良かった、、。いつものアナベルの笑顔だ)


アナキスは安堵しながらそんな事を考えていた。


「それでお兄様はどうして突然こちらへ?来られるなら事前に仰ってくれればよかったのに」


アナベルがお茶を飲みながら言った。


(それは俺も是非聞きたいな。俺とアナベルの2人の時間を邪魔したんだからな)


俺はそんな事を考えていた。


「連絡しなかったのはすまなかった、、急を要する事だったので連絡するよりも足を運んだ方が早いと思ったんだ」


アナキスは困った表情を浮かべて言った。


「そうなのですか?それで急を要する事とは何なのですか?」


アナベルが不思議そうに言った。


「それが、、皇后陛下からアナベルに皇宮への招待の手紙が届いたのだ」


アナキスは表情を歪めて言った。


「え?皇后陛下が私にですか?!」


アナベルは驚き声を大きくして言った。


「あぁ」


アナキスは表情を歪めたまま小さく頷きながら言った。


(私や父上達も皇后陛下からの手紙にどれほど驚いた事か、、)


アナキスはそんな事を考えていた。


(アナベルが皇宮にだと?!何故突然アナベルが皇后陛下に呼ばれるんだ?!)


俺は混乱しつつそんな事を考えていた。


「何故、皇后陛下が私を皇后に招待したのですか?私はデビュタントも済んでいませんから皇后陛下にお会いしたことなどないというのに」


アナベルは混乱しながら言った。


「手紙によると以前ロザンが話の流れで皇后陛下にアナベルが調合した茶葉のお茶が美味しいという話をした様でその話を耳にした皇后陛下が是非アナベルに茶葉について聞きたいと言っておられるのだ」


アナキスは複雑な表情を浮かべて言った。


「私の調合した茶葉ですか?皇后陛下はお茶が好きなのですか?」


アナベルは戸惑いながら言った。


アナキスが複雑な表情のまま頷いた。


(そういえば前にロザンが皇后陛下はお茶に目がなく他国からもわざわざ取り寄せている程だと言っていた事があったな、、)


俺は過去に聞いた話を思い出しながらそんな事を考えていた。


(チッ。ロザンの奴余計な事を話しやがって)


俺は苛立ちを覚えながらそんな事を考えていた。


「皇宮には必ず足を運ばなければならないのですよね?」


アナベルは困惑気味にアナキスへ言った。


(アナベルは皇宮へ行くのが乗り気ではない様だな、、首都の街ではあんなにも楽しそうにしていたしお茶会にも興味がある様だったからてっきり皇宮にも興味があるのだと思っていたがアナベルの表情を見る限りはむしろ嫌がっている様にも見える。俺にとってはむしろアナベルがそう思ってくれる方が好都合だがよほどの理由がない限り皇后陛下の招待を断る事は難しいだろうな)


俺は冷静に2人の会話を聞くふりをしながらそんな事を考えていた。


「そうだね。お断りするのは難しいだろう」


アナキスは複雑な表情を浮かべて言った。


「そう、、ですよね、、」


アナベルは軽く落胆気味に言った。


(アナキスもアナベルが皇宮へ行くのは嫌なようだな。それもそうだろうな)


俺はアナキスの表情を見てそんな事を考えていた。


(しかし、この時期にアナベルが皇后陛下に会うのはまたタイミングが悪すぎだろう。ロザンが嫌そうに言っていたがロザンのアカデミー卒業後に合わせて皇太子妃を決める事で貴族達は必死だからな。皇帝陛下と皇后陛下も皇太子妃を選ぶのは慎重になっていると聞いたな。今の段階でフルート侯爵家のアナベルは候補には挙がっていない。しかし、、皇后陛下がアナベルに会えば間違いなく皇后陛下はアナベルを気に入るだろう。そうなるとアナベルを皇太子妃候補として名前を挙げる可能性が高い。ロザンもアナベルが皇太子妃候補なら快く頭を縦に振るだろうからな。厄介な事だな、、そんな事を許せるはずがない。)


俺は平然を装いつつ内心は焦りと苛立ちを覚えつつそんな事を考えていた。


(皇后陛下がアナベルを皇太子妃候補として挙げる前に俺が先に先手を打つ必要があるな。父上に頼みアナベルをカイザー公爵家が既にアナベルを俺の妻にと決めていると皇帝陛下にでも言っておいてもらわないといけないな。先にカイザー公爵家がアナベルを俺の妻に決めていると知ったらあちらもアナベルを皇太子妃候補に名前を挙げる事はしないだろうからな)


俺はそんな事を考えていた。


「そういう訳で療養中なのに突然ですまないが私と共に今日中にフルート侯爵邸へ戻らなければならなくなった。お祖父様とお祖母様には既に話を済ませておいたから後はアナベルが荷物をまとめるだけだ」


アナキスは申し訳なさそうにアナベルへ言った。


「そうですか、、。分かりました。すぐに荷物をまとめてきますね」


アナベルは複雑な表情を浮かべて小さく頷きながら言った。


「ルシフェルお兄様、、せっかくのお茶の時間がこの様な形で終わってしまい申し訳ありません」


アナベルは申し訳なさそうに俺へ言った。


「そんな事気にしなくてもいいさ。短い時間だったけどアナベルとお茶の時間を過ごすことが出来てよかったよ」


俺は王子スマイルを浮かべて言った。


「こちらこそ話をたくさん聞いてくださりありがとうございました」


アナベルは寂しそうな笑みを浮かべて言った。


「自邸に戻っても無理せずにね。何かあったら遠慮せずアナキスに頼るんだよ?」


俺は心配そうな表情を浮かべて言った。


(本当はアナキスになど頼る必要などないがここはこういうのが一番言いだろうからな)


俺は心配そうな表情を浮かつつ内心は不満気にそんな事を考えていた。


「はい」


アナベルは小さく頷きながら言った。


(あぁ、これからは毎日の様にアナベルの覗き見も隠し撮りもできなくなるんだな。俺の毎日の唯一の楽しみだったというのに、、)


俺は内心苛立ちを隠せずそんな事を考えていた。


そしてその日アナベルはアナキスと共にフルート侯爵邸へと帰って行った。


2日後…


休み明けのアカデミーでアナキスとロザンが何やら話している姿を目にして俺は2人の近くに身を潜めて2人の会話を盗み聞きすることにした。


「ロザン。一体どういうつもりなんだ?」


アナキスは不満気な表情を浮かべて言った。


「あぁ、母上がアナベルを皇宮へ招待した件か?」


ロザンは思い出した様に言った。


「そうだ。まだアナベルはデビュタントも終わっていないというのに会ったこともない皇后陛下に急に招待されてアナベルは困惑しているのだぞ?」


アナキスは頭を抱えながら言った。


(やっぱりアナベルは皇宮へ行くのは乗り気ではなさそうだな。それならば尚更アナベルが皇宮へ足を運ぶ事に苛立ちを覚えるな)


俺は2人の会話を盗み聞きしながらそんな事を考えていた。


「すまない、、。母上にアカデミーでの生活の事を聞かれて流れでアナキスがいつも飲んでいるお茶の話になってな、、その時にそのお茶の茶葉はアナキスの妹であるアナベルが調合しているという話をしてしまい母上がその話に食いついてしまったんだ」


ロザンはバツの悪そうな表情を浮かべて言った。


「はぁぁぁぁ、、」


アナキスは我慢することなく大きなため息をついた。


(それでなくてもアナベルを首都へ連れて行きたくないというのに。それにもしも皇后陛下がアナベルを気に入り皇太子妃候補などと考えてしまったらどうするのだ。アナベルには権力争いなどに巻き込まれて欲しくないというのに。それに首都へ頻繁に足を運びあの記憶が戻ってしまうのを我々家族は恐れているのだから)


アナキスは唇を噛み締めてそんな事を考えていた。


「アナキスが心配するのもわかるが母上には私からアナベルはとても純粋で心優しい素敵な女性だと伝えてあるし母上はただアナベルに茶葉についての話を聞きたいだけなのだ」


ロザンはアナキスを見て慌てて言った。


(アナキスは妹のアナベルを本当に大切にしているのは知っているが本当に心配せずとも母上はアナベルを取って喰おうなどと考えていないだろう。むしろ母上はきっとアナベルを気に入るに違いないのにな)


ロザンは複雑な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(ロザンの奴、、本当に余計な事を口走ってくれたな。茶葉の事だけならばわざわざアナベルが心優しいだの純粋など伝える必要があったか?いちいち余計な事を言いやがって、、そのせいで俺とアナベルと2人のお茶の時間や俺の毎日の楽しみが奪われたんだからな)


俺は話を盗み聞きして苛立ちながらそんな事を考えていた。


「一先ず断る事など出来るわけがないから予定通り次のアカデミーの休みに家族で皇宮に訪問するよ」


アナキスは複雑な表情を浮かべて言った。


「あぁ」


ロザンは小さく頷きながら言った。


(アナベルが皇宮へ行くのは次の休みか、、。すぐに父上に手紙を出してアナベルが皇宮へ行く同日に我々が皇帝陛下へ謁見できる様にしてもらうとしよう。その日に父上にアナベルは既にカイザー公爵家が俺の妻にアナベルをということを伝えてもらっておこう)


俺は2人の会話をしっかりと盗み聞きしてそんな事を考えていた。


そして俺はすぐに父上に手紙を出した。

手紙を出して2日後に返信が来た。


返信の内容は私の願いをりょうしょしたと書いてあった。


さすがは我が父だった。

愛する女性を我がものにする為には手段を選ばないという部分は父上も同じだったからだ。


父上も母上が運命の愛する人だと思った日から少しづつ周りを固めて母上を我がものにしたのだから。


そして、俺はナックル伯爵邸からアナベルがいなくなっても最後までしっかりと責任を果たすという好印象をナックル伯爵夫婦に植え付ける為にきちんと足を運び種についての視察を最後までやりきった。


ちょうどアナベルが皇宮へ訪問する二日前に視察は終了した。


その最終日に俺はきちんと収穫も得たのだった。


その収穫とは…

ナックル伯爵邸の使用人が俺の視察中に伯爵夫人へアナベルが使っていた部屋の掃除が終わったことを伝えに来たのだった。

その使用人は手にごみの入ったであろうゴミ袋を持っていた。

俺はトイレに行くと言ってその場を少し離れてゴミ袋を持っていた使用人を直ぐ様追いかけた。


「あの、すみません」


俺は使用人に優しく声をかけた。


「は、はい。カイザー公子様どうないましたか?」


使用人が驚き慌てて言った。


「いや、そのゴミ袋重そうだから私が代わりに捨ててこようかと思い声をかけたんだ」


俺は優しく言った。


「い、いえお客様である公子様にその様な事をして頂くわけにはいきませんので」


使用人はぎょっとした表情で混乱気味に言った。


「丁度庭の方へ行く途中だったからついでに捨てておくよ。君はまだ仕事が残っているのだろう?そんな気など使わなくてもいいから」


俺は優しく言った。


「しかし、、」


使用人は戸惑いながら言った。


「本当に大丈夫だから、、ねえ?」


俺は少し圧を混じえて笑みを浮かべて言った。


「は、はい。承知致しました」


使用人はゾクっとなり慌てて言うとゴミ袋を俺へ差し出した。


「では、仕事に戻るといいよ」


俺は笑みを見せて言った。


「は、はい。ありがとうございます」


使用人はそう言うと足早にその場から去っていった。


(少し圧をかけすぎたか?まぁ、、いいか)


俺は困った表情を浮かべてそんな事を考えていた。


そして俺は焼却炉までゴミ袋を持っていき周りに誰もいないことを確かめてゴミ袋を開けた。


ゴミ袋の中にはアナベルが使用していただろう口紅のついたちり紙があった。


(この口紅の色はアナベルのもので間違いないな。白く透き通ったアナベルの肌によく似合う淡いピンク色の口紅だ)


俺はニヤリと微笑みながらちり紙を見てそんな事を考えていた。


そして更にゴミ袋の中にはアナベルが刺繍の練習をしていたと思われる失敗した刺繍が施されている小さな布の端布に何かの暗号?の様な文字が書いてあるメモのようなものにアナベルの美しい髪の毛がついたヘアゴムなどがあった。


俺はそんな最高の収穫品を洋服のポッケに忍び込ませた。


そして残りのゴミは焼却炉の中へと入れた。


(アナベルがいないこの邸でまさかこんな最高な収穫が得られるとはな。寮に戻ったらすべて完璧な形で保管するとしよう)


俺はポッケを触りながらニヤつきを賢明に堪えながらそんな事を考えながら伯爵の元へと戻った。


この日で視察を終了した。


寮に戻ってからはすぐにナックル伯爵邸で収穫したアナベルの使用品をすべて額縁へと入れ保管した。


(アナベルコレクションが日に日に増えていくな。こうして眺めているだけでも至福な時間だ)


俺は満足気にそんな事を考えていた。


それからすぐにアナベルが皇宮へ訪問する日が訪れた。


俺は予定通り父上と共に皇宮を訪れ皇帝陛下へ謁見した。


「皇帝陛下にご挨拶申し上げます。急な謁見の申し出にも関わらず許可して頂き感謝致します」


父上が皇帝であるアザールへ言った。


「皇帝陛下にご挨拶申し上げます」


父上に続き俺もアザールへ挨拶をした。


「カイザー公爵久しいな。今日はタイミング良くこの時間は仕事が入っていなかったのだ」


アザールが平然として言った。


「そうでしたか」


父上が頷きながら言った。


「公子とは昨年の皇太子の誕生パーティー以来だな。元気に過ごしていたか?」


アザールが俺を見て言った。


「はい。お陰様で」


俺は頷きながら言った。


(急な謁見にも関わらず許可が下りたのはカイザー公爵家は皇族に匹敵もしくはそれ以上の力を持つ貴族であり国の安定を支えるのに大きく貢献している為いくら皇帝陛下でもカイザー公爵家を無下には出来ないのを承知の上であえて皇后陛下に訪問客がある日に日程をかぶらせて正解だったな)


俺はそんな事を考えていた。


そしてある程度話が落ち着いたのを見計らい俺は…


「陛下、父上。ある程度お話が落ち着いた様ですので私は殿下の元へ挨拶をしてきてもよろしいでしょうか?」


俺は2人へ言った。


「ん?あぁ構わない。皇太子は執務室にいるはずだから行ってみるといい」


アザールが言った。


「はい。ありがとうございます。では、失礼致します」


俺は丁寧に礼をしながら言った。


『では、父上例の件の話を陛下へお伝え願います』


俺は礼をすると同時に父上に目で伝えた。


『あぁ。任せておきなさい』


父上は俺の目を見て口角を上げながら目で伝えてきた。


父上の表情を見た俺もフッと口角を上げてその場を後にした。


俺は謁見室を後にすると足早にロザンの元へ向かった。


(ロザンからアナベルのことを聞き出すのが一番てっとり早いよな。今日の付き添いはフルート侯爵夫婦ではなくアナキスの様だから恐らくアナキスはロザンの元へいるだろうから俺が皇宮にいる事に不信感を抱かせない様に上手くアナベルの情報。聞き出そう。せっかくアナキスを丸め込んだのにまた不信感を持たれるのはごめんだから上手く立ち回らないとな)


俺はロザンの元へ向かいつつそんな事を考えていた。


すると中庭の方から何やら話し声が聞こえた。


俺は声がする方を覗いた。


声する先にはアナベル、アナキス、ロザン、キールの4人がいた。


(アナベル?!もう皇后陛下との話は終わったのか?)


俺は素早く近くの柱に身を隠しながらそんな事を考えていた。


(それにしても何故あの4人で中庭に?アナキスはともかくロザンにキールまで、、)


俺は不満気な表情で4人を見てそんな事を考えていた。


(ロザンもキールも俺やアナキスに負けないほど女嫌いだというのにアナベルには優しく微笑みながら話をするのがどうにも気に入らないな)


俺は4人を見て歯をギリっと噛み締め苛立ちながらそんな事を考えていた。


(キールは元々馴れ馴れしい性格なのもありやたらとアナベルとの距離が近いのが気に食わなく腹立たしい。宰相の息子であるキールはアカデミーが休みの日にはよく皇宮へ足を運びロザンと過ごしたりロザンの執務の手伝いをしているようだがよりによって何故今日もいるんだ)


俺はキールのアナベルの接し方に苛立ちを覚えながらそんな事を考えていた。


(ロザンも執務室に戻って執務に専念しろよ。今までどんな女が近づいてきてもよくて愛想笑い程度しかしなかった奴がアナベルにはあんな風に優しく微笑みやがって)


俺はロザンを見て不満気な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(ロザンもキールもあの日、、アナベルが温室へやって来た日も2人ともアナベルに見惚れていたんだったよな、、アナベルと最初に出会ったのは俺だ。いくらロザンとキールが友達だろうとアナベルを奪おうとするなら容赦はしない)


俺は表情を歪めてそんな事を考えていた。


(待てよ、、。アナベルの好みのタイプは王子様の様な男だ。ロザンは俺とは違い本物の王子様だ、、俺の様に王子キャラを演じずともロザンは本当に優しい大らかな奴だ。もしもアナベルがロザンと距離を縮めてしまったらアナベルがロザンを好きになるかもしれない。そうなればいくら父上が陛下に手を打ってもアナベルが拒否してロザンと一緒になりたいと言ったら?間違いなくロザンもアナベルを快く皇太子妃として受け入れるに違いない、、。まずい、、早くアナベルをあの場から抜けさせなければ)


俺はハッとなり最悪な事態を想像しながらそんな事を考えていた。


そして、俺は気づけばアナベル達の方へと足を向け進もうとしていた。


その時だった…


(あいつらは、、)


俺はアナベル達に近づく2人の人物を見て足を止めてそんな事を考えていた。


2人の女性がアナベル達の方へ向かい歩いていた。


(あれはアードン伯爵令嬢のパトリシアとグレイシアだな)


俺は女性達を見て嫌悪した表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(あいつらは確か半年前に社交場で大暴れして父親であるアードン伯爵の怒りを買って謹慎処分を言い渡されてたんだよな。まぁ、どうせ伯爵の事だ陛下達の前だったのもありあえて演出として陛下達の前であの2人にきつく謹慎処分を言い渡したんだろうな。実際は謹慎といっても家の中で反省もせず相変わらず好き勝手に過ごしていたんだろう。アピールだけは人一倍のゲス伯爵だけあるなあの父親にしてあの娘達ありだな)


俺はパトリシアとグレイシアを見ながら呆れた表情を浮かべてそんな事を考えていた。


(しかし、あいつらがここにいるという事は形上の謹慎が終わったんだな)


俺はそんな事を考えていた。


(謹慎が明けたか、、最悪だな。あ

いつらがまたアカデミーに戻ってくるのか。半年間はあいつらがいなく静かと言えば静かだったのにな、、。)


俺は嫌悪した表情でそんな事を考えていた。


アードン伯爵令嬢である双子のパトリシア・アドーンとグレイシア・アードン。

見るからに横暴さと我儘さが滲み出ている化粧臭い貴族達の中でも有名な厄介な2人だ。

親のお陰でアカデミーに入れたアカデミーにふさわしくない人材だ。

アカデミーでも気に食わない事があれば教師だろうが生徒だろうが構わず怒り散らかす問題児だった。

アカデミーを何度も退学させられそうになったがその度に反省したフリをしてやり過ごしてきたような双子だった。

パトリシアとグレイシアはアカデミーへ入学した当時からパトリシアは俺に、グレイシアはアナキスにしつこく言い寄ってきていた。

もちろん俺もアナキスも2人を相手になどするはずもなかった。

しかし、2人はアカデミー内で俺とアナキスに近づこうとする女性達を気に食わないと虐めていた。

また、ロザンとキールに近づこうとする者たちにも容赦なく虐めていた。

あの2人の事だ。

皇太子であるロザンと宰相の息子であるキールも自分達のものだとでも思っているのだろう。

そのせいで俺たち4人はパトリシアもグレイシアも一番嫌いな女だった。


(謹慎が明けた途端に皇宮か?あいつらの事だ、、皇宮訪問の許可すら取っていないのだろう。きっとアナキスが皇宮に来ていると知ってやってきたに違いない。あいつらは俺とアナキスの動向を気持ち悪い程に把握したがるからな)


俺は呆れた表情を浮かべてそんな事を考えていた。


そんな事を考えていた俺はふとアナベルを見て驚いた。

何故ならアナベルの表情が恐怖で強張り怯えいたからだった。


(アナベル?!一体どうしたんだ?!)


俺はアナベルを見て戸惑い気味にそんな事を考えていた。


そしてアナベルの視線の先を見た。


(アナベルはパトリシアとグレイシアを見て怯えているのか?しかしアナベルはあの2人に会ったこともなければ下手をすれば存在すらも知らないはずだ。アナキスがわざわざあいつらの話をアナベルにすることもないだろうしアナベルはフルート侯爵家の領地からは出たことがなかったくらいだからいくらあいつらが問題児で有名だとしてもアナベルの耳にあいつらの存在が耳に入るとは考えにくい。なのにどうしてアナベルはあいつらを見てあんなにも怯えた顔をしているんだ?)


俺は目を細めながらそんな事を考えていた。


(いや、そんな事はどうでもいい。とにかくアナベルをあの場から離れさせなければ、、)


俺はそんな事を考えながらアナベル達のいる所へ急ぎ向かおうとした。


その時…


アナキスがアナベルの耳元でそっと何かを耳打ちしている様だった。


(アナキスはアナベルの様子がおかしい事に気づいたのか?今アナベルに何と耳打ちしたんだ?)


俺はアナキスの行動を見てそんな事を考えて足を止めた。


するとアナベルが小さく頷くとアナキスが自然な形でアナベルを隠す様にアナベルの前に立った。

そして、タイミングを見計らいアナキスはアナベルをその場から離れさせた。


その場から離れたアナベルは急ぎ皇宮内の方へと小走りで向かった。


俺はそんなアナベルを見て急ぎ皇宮内へと引き返した。


(アナベルどこだ?!)


俺は皇宮内へ戻るとアナベルの姿を探しながらそんな事を考えていた。


するとアナベルを発見した。


アナベルはその場でどこへ行けばいいのか分からず混乱しているようだった。


そんなアナベルを見て俺は急ぎアナベルの元へと向かった。


そして、俺はアナベルの元へ静かに近づくとアナベルの手を掴んだ。


「キャッ、、」


アナベルが急に手を掴まれ驚き声を漏らした。


「しー、、私だよ」


俺はアナベルに優しくそっと声をかけた。


「ルシフェルお兄様、、?」


アナベルは俺を見て安堵した表情を浮かべて言った。


「とりあえずこっちへ」


俺は小声で優しくアナベルに言うとアナベルの手を握りアナベルを連れて歩き出した。


俺はアナベルを中庭から四角になる場所へ移動した。


「アナベル、、大丈夫?」


俺はアナベルにそっと優しく言った。


「は、はい、、」


アナベルは小さく体を震わせながら小さく頷き言った。


(全然大丈夫じゃないだろう。こんなに体を震わせるくらい恐怖を覚えているのだろう)


俺は表情を歪めてそんな事を考えていた。


「ほ、本当に大丈夫ですから、、」


アナベルは声を震わせながら言った。


(ここまで怯える程あの双子に恐怖しているのか?!本能的にあいつらの事を恐怖しているのだろうか、、何にせよアナベルをこの風にさせたあいつを放置するわけにはいかないな。元々目障りな奴らだがアナベルに関わってくるのであれば容赦はしない。それにあいつらの事だから今日ここへアナキスの妹であるアナベルが来ている事を知っている可能性も高い。皇宮に来た理由がアナベルを見に来たのなら絶対にあいつらにアナベルと鉢合わせにさせる訳にはいかないな)


俺は震えるアナベルを見てギリっと歯を食いしばりながらそんな事を考えていた。


アナベルは恐怖が拭えないのか体の震えがなかなかおさまらなかった。

そんなアナベルを見て胸が酷く締め付けられた。


フワッ……


俺はそんなアナベルを見かねて咄嗟にアナベルをそっと優しく抱きしめた。


俺に急に抱きしめられたアナベルは目を大きく見開いて驚いていた。


「アナベル、、大丈夫だ。大丈夫だ、、」


俺はアナベルの背中を優しく撫でながら優しい声で言った。


すると先程まで震えていたアナベルの体から震えが止まったのだった…

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