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11/12

11.♡月♡日

⇢皇宮へ訪れた日、俺に突然チャンスが舞い込んだ。


それはアナベルを俺の腕の中で抱きしめる事だ。


アナベルがアナキス達の元から離れるのを見てすぐに先回りして正解だった。


だが、俺の腕の中にアナベルがいる事は最高の状況だがアナベルの様子がおかしいのはあまりいい状況ではなかった。


明らかに様子がおかしかった。

アナベルがアナキス達の元から離れた時はアナベルの表情が見えなくて俺がアナベルに近づくチャンスだと思ったが草陰から出てきたアナベルはとても怯えていた。

顔が真っ青で明らかに焦っていて誰かに助けを求めようとしていた。


その場にいたのが俺だったから良かったものの他の奴が助けを求められアナベルをなだめていたと思うと俺はその相手をどうにかしてしまっていたかもしれない。


怯えた様子のアナベルを抱きしめたが尋常ではなくアナベルは体を震わせていた。

きっとアナキス達の元から離れたのはこの怯えた様子が関係しているのだと思った。

一先ずアナベルをアナキス達のいる場所から完全に見えなくなる死角の場所へ隠れた。


遠くから見ていただけだがアナキスがアナベルに何か耳打ちしていたのは間違いない。

きっとアナキス達と一緒にいる時からアナベルの様子がおかしかったのだろう。

そんなアナベルにアナキスがいち早く気づきあの場からアナベルを離したに違いない。


その時、俺の腕の中にいるアナベルがもぞもぞして俯き気味になっていた顔を少しだけ上げた。

もぞもぞしている姿だけでも俺の理性をぶっ飛ばして思わず襲ってしまいそうな程に可愛く愛らしいというのにちょっこと顔を上げている姿に俺の理性にトドメを刺されそうになった。

しかし、俺は理性をどうにか保ち疼く体を理性で鎮めてアナベルへ優しく声をかけた。

いつの間にか俺の腕の中でアナベルの震えは止まっていた。

俺がアナベルの怯えていた体を落ち着かせたと思うとまた身体が昂ってしまいそうで仕方なかったがこれも耐え忍んだ。

アナベルは体の震えが止まった事で少し落ち着いたのか自分が置かれている状況を理解してとても照れて困って顔を真っ赤に染めていた。

その顔が何とも言えないほど愛おしくてたまらなかった。

更に強く抱きしめてしまいそうになったが俺はそんなアナベルに優しく微笑んだ。


すると、アナベルは小さな声で恥ずかしそうに謝ってきた。

本当にアナベルの一つ一つの言動や行動に愛おしさが増すばかりだった。


俺が謝るアナベルに"大丈夫だから"と優しく言うとアナベルは恥じらいながらもホッとした表情を浮かべていた。


俺はホッとするアナベルを見て俺の愛しのアナベルをこんなにも不安にさせ恐怖で怯えさせた理由が何なのかが気になった。


皇后に何か酷いことを言われたのだろうか?

それともロビンやキールが何か余計な事を言ったのか?

俺は可能性を考えた。


その時、それはそれは耳障りではしかない声が聞こえてきた。


つい先程姿が見えて不快だと思ったツインズの1人パトリシアが俺達がいる場所へと俺の名前を呼びながら近づいてきた。

あの女に名前を呼ばれるだけで殺意を覚えて怒りで震え立つ体を落ち着かせるのが大変だった。

いつもなら抑えもしないが今は腕の中にアナベルがいるのだから俺のそんな姿を見せるわけにいかなかった。


俺がそんな事を考えていると落ち着いたと思っていたアナベルがまたガタガタと体を震わせ顔を埋めて更に体を小さくする様に縮こまらせた。


その時俺はアナベルが怯えていた原因がツインズのせいだとすぐに察した。


それでなくとも不快な存在だというのに俺のアナベルを怯えさせた原因があの女達だと思うと今すぐにでもあの女達の息の根を止めてやりたいと思った。


パトリシアが1人だという事はグレイシアはアナキスの元へ留まっているのだとすぐに理解した。

グレイシアはアナキスに異常に執着しているからだ。


一先ず俺はパトリシアの息の根を止めたい衝動を抑えてアナベルを守る事に集中することにした。


しかし、パトリシアあの女は異常に勘が優れているというか俺の事に関しては鋭いというか俺が見えなくても俺の居場所を本能で感知するという吐き気がする程の才能を持っているからか俺達がいる場所へ更に近づいてきた。


あの女に見つかればアナベルを隠しきれないと思った。

俺はどうすればアナベルがおの女の視界に入らずに済むかを考えていた時だった。


そこへ皇帝と話を終えた父上が通りかかった。


父上は俺と俺の腕の中で震えるアナベル、俺達の方へと向かってくるパトリシアを見て直ぐ様状況を把握したのか"ここは私に任せておけ"と言わんばかり表情を浮かべた。


そして、父上はパトリシアが来ている方向へと歩き出した。


父上が歩き出してから少しするとパトリシアが父上に気づいた。


するとパトリシアが笑みを浮かべて父上の方に小走りでやってきた。


パトリシアは媚媚の態度で父上に挨拶をするとすぐに俺の居場所を父上に聞いていた。


本当に図々しくて視界に入るのすらおじまい女だと俺はアナベルにバレない様に表情を歪めた。


パトリシアが俺の居場所を父上に尋ねても当たり前だが父上が教える訳がなく父上は圧のこもった冷たい態度と口調でパトリシアへ淡々と話しをした。


父上の言葉にパトリシアはみるみる表情を歪ませると伯爵令嬢が目上の公爵に対してありえない態度で不満気にその場を去っていった。


父上はそんなパトリシアを嫌悪した表情で見ていた。


そして、父上はパトリシアがいなくなるのを見届けると俺の方を見て小さく頷いた。


"後は自分で何とかしろ"


という目をして。


俺はそんな父上に頷いた。


父上に借りが増えてしまったがさすが我が父だ。

カイザー公爵家の男はパトリシアみたいな女を最も嫌っていた。

そんな女が息子である俺につきまとうのだから父上もいい気はしないだろうから。

父上のお陰で一先ずパトリシアにアナベルを見られずに済んだのだから。


パトリシアとグレイシアを見ていると俺をあんな目に遭わせたあの女を思い出してしまうから尚更あのツインズを視界に入れるのは不快でたまらないのだ。


父上がその場を離れた後俺はアナベルにもう大丈夫だと呟いた。


俺の言葉を聞き落ち着いたのかアナベルの体の震えは止まった。


アナベルはどうにか笑顔を作って微笑むと俺にお礼を言った。

本当は平気じゃないだろうに俺に心配や迷惑をかけない様にと必死に平気そうに振る舞うアナベルを見てパトリシアに更なる殺意が湧き上がった。


しかし、俺は殺意が湧き上がった事を隠して王子スマイルを作りアナベルの背中を優しく撫でて優しく声をかけた。


アナベルはそんな俺の服の裾をギュッと小さく握って再度お礼を言ったのだった。


俺はこの時この先もずっとアナベルを守り腕の中で抱くのは俺以外はありえないと強く思った。


その後、アナキスがどうにかグレイシアを追いやりアナベルを探しにやってきた。

アナキスの金魚のフンの様にロザンとキールもいた。


アナキスの声に気づいたアナベルがハッとなりアナキスのところへ向おうとした。


俺はアナベルが俺の腕の中から抜け出す事を名残惜しく思ったがここで抱きしめ続けるとアナキスにまた不信感を与える事になると考えアナベルの体から手を離した。


俺はあえてアナキスに声をかけてアナベルがここにいると教えてやった。


アナベルが無事だった事、パトリシアがこの近くまで来たことをアナキス達へ説明した。


アナベルもまたアナキス達へ状況説明をした。

アナベルは俺が抱きしめた事は話さなかった。

きっと恥ずかしかったのだろう。

だが聡明な判断ではあった。

それに俺とアナベル2人だけの秘密な事がゾクゾクして満足だった。


アナキスは俺に礼を言った。

俺は礼を言われながらアナキスはまさか俺がアナベルを抱きしめていたとは想像もつかないだろうなと優越感に浸っていた。


結局、この時はアナベルが何故あのツインズに対して怯えたいたのかを聞くことができなかった。


その後、アナベルの体調を気遣ったアナキスが早々に帰ろうと言った。

俺的にはもう少しアナベルとの時間

を過ごしたかったが今のアナベルをると早く帰らせてやることが最善だと思い俺もすぐに帰る様に後押しした。


そして、アナベルはアナキスと共に皇宮を後にした。


アナベル達が帰った後にロザンとキールに引き止められたがアナベルに馴れ馴れしくしていた2人とは今は話す気にもれず俺も早々に父上の待っている馬車へ向い皇宮を後にした。


翌日、学園でアナキスにアナベルの様子を聞いた。

幸い、あの後は落ち着いていつも通りに戻ったと聞いて安心した。


アナベルの顔が見たいと思っていた矢先に胸糞悪いツインズが俺もアナキスの元へやってきた。


謹慎が終わり学園にも戻ってきたようだった。


ツインズが謹慎中は静かだったのにまたこの女たちが学園にいると思うと吐き気がした。

横にいるアナキスも俺と同じことを考えているだろうと顔を見てすぐに分かった。


ツインズは相変わらず醜い厚化粧に吐き気がする様な香水の臭いに媚び売声。


本当に見る度に殺意がチラついて仕方ない。

昨日の出来事を思うと尚の事そう思ってしまう。


俺は昨日のことを踏まえてツインズについてアナキスと話し合う必要があると思いツインズなど無視してアナキスと共に場所を移動した。


場所を移動して俺はアナキスへ絶対にアナベルにツインズを近づけさせない方がいいと話を振るとアナキスもやはり俺と同じ考えだった。 

話をした結果アナベルに事前にツインズの話しておこうという結論に至った。

ツインズの話をしてアナベルがまた怯えてしまうかもしれないとアナキスが心配していたがそうならない様に心かげようという話になった。


その時俺はいい事を思いついた。


アナベルにツインズについての話をスルのであれば俺も一緒に話をしようとアナキスへ提案した。

アナキスは"何故俺も一緒に?"という不満気な表情をしていたが俺は昨日の現場に居合わせた事に加えてパトリシアの狂人ぶりを一番理解しているからグレイシアの事はアナキスが。

パトリシアの事は俺から話した方がいいと言った。


するとアナキスは渋々ではあるが首を縦に振った。


俺はどんな理由にしろアナベルに会える事が嬉しくて顔がニヤけてしまうのを必死で堪えた。


学園が終わった後すぐに俺はアナキスと共にフルート侯爵邸へ向かった。


すると向かう途中でアナベルを見かけて馬車を停めるとアナキスが馬車から降りてアナベルを呼び止めた。


俺は馬車の中からアナベルと一緒にいる奴を見て怒りを覚えた。

アナベルの横にいた奴は以前密かにアナベルの後をつけていた時にアナベルが仲良く話をしていた奴だった。


何故アナベルの横にいる? 

何故アナベルと笑い合っている?

何故アナベルと手を繋いでいる?


何故アナキスは奴がアナベルと手を繋いでいても何も言わないのだ?

俺はだめでアイツならいいのか?

気に食わない…


俺は今すぐにでも馬車から降りて奴の首を締めてやりたいと思った。


その時だった。


アナキスから俺も一緒だと聞いたのかアナベルがこちらへ小走りで向かってきた。


俺がいると聞いてわざわざこちらへ向かってくるアナベルが愛らしすぎて俺はすぐにニヤけた。

しかし、すぐに王子スイッチを入れて表情を作った。


俺が馬車から降りるとそこにはアナベルが驚いた表情をして立っていた。


そんなアナベルが可愛くて仕方ない俺は優しく微笑んだ。

アナベルは皇宮での事を思い出したのか少し顔を赤らめた。

今すぐにでもアナベル抱きしめたい衝動にかられるもどうにか耐え忍んだ。


そして俺はチラりとアナキスの横にいた奴を見た。

別にただ見ただけで睨んだわけでもないの奴はビクッと戸惑いの表情を浮かべていた。


何とも情けない奴だとあんな奴がアナベルと手を繋ぎ笑い合ってると思うと余計に腸が煮えくり返りそうだった。


しかし、アナベルの言葉でその怒りは一瞬でおさまった。


アナベルが俺に挨拶をするとアナキスの横にいた奴を紹介してきた。


何と奴は女だった。

見た目は背も高く男よりは遥かに華奢だがアナベルと並ぶとガタイがよく見えた。

髪の毛も短いのでてっきり男だと思ったがどうやら俺の大きな勘違いだったようだ。

俺は奴が女だと聞いて心から安心した。


彼女は平民だがアナベルの一番の友達だとアナベルが嬉しそうに教えてくれた。

彼女はフルート侯爵家に仕える庭師の娘だった。


その後、俺達はフルート侯爵邸へ向かった。


そして、アナベルに俺とアナキスでパトリシアとグレイシアのツインズの話をした。


ツインズの話を聞いたアナベルは顔が強張っていたが俺とアナキスはアナベルをなだめた。

俺とアナキス2人はアナベルをツインズに会わせるつもりはないから安心していいと伝えた。


俺とアナキス2人に話を聞いて始めは表情を強張せていたアナベルも俺とアナキスの言葉に安心したのが表情の強張りがなくなった様で安心した。


話をした後本当はもう少しアナベルと一緒にいたかったがアナキスの目もあるので我慢して潔く帰る俺を演じた。

そうする事でアナキスの俺に対する不信感を更に拭えるからだ。


そして俺はアナベルと離れるのを名残惜しく感じつつ帰ろうとした時…


アナベルが俺に昨日のお礼だと言って小さな箱を渡してきた。


俺が予想外の事に驚いた表情をしているとアナベルが恥ずかしそうに帰ってから開けてくださいと呟いた。


俺は優しく微笑みながら頷いた。

内心はアナベルからのプレゼントに全世界に叫んで自慢したい気持ちだった。


そして、俺はアナベルとアナキスに挨拶を終えると迎えに来ていた馬車に乗り込んだ。


アナベルの帰ってから開けてと言われたが我慢できず馬車の中で箱を開けた。


箱の中には手紙と品が入っていた。


手紙には…


"昨日はありがとうございました。お恥ずかしい姿をお見せしてしまい申し訳ありませんでした。

それに、私の涙や汗のせいでルシフェルお兄様のスカーフが汚れてしまったのでお礼に新しいスカーフをプレゼントさせて下さい。

ルシフェルお兄様の好みなどが分からず私がルシフェルお兄様に似合いそうな物を勝手に選ばせて頂きました。

改めて昨日は本当にありがとうございました"


と書かれていた。


そして、俺はスカーフを手に取った。


そのスカーフは薄紫色に金色の刺繍が施されていた。

その色はまさにアナベルの髪の色を連想させる様な綺麗な薄紫色だった。


俺はそのスカーフ見てニヤつきが止まらなかった。

アナベルからの初めてのプレゼント。

ニヤつかない訳がなかった。


俺はスカーフを寮に戻り大切に保管してスカーフに似合う額縁を頼もうと考えていた。

アナベルからの手紙を入れる額縁も必要だなど色々と1人そんな事を考えていた。


俺はこの日は有頂天に昇る程機嫌が良かった。


そのせいかいつもならば絶対に見逃す事のなかった事を見逃してしまったせいで後に起こる最悪な事態をこの時の俺は考えもしなかった⇠




色々と根回しする為に父上と皇宮へ行った事でまさか俺にとってこの上ない幸せな展開が訪れるなど考えもしなかった。


まさかアナベルを我が腕の中で抱きしめる事ができるとは。


今もこうして俺の腕の中にアナベルがいる。


(あぁ。アナベル、、アナベル)


俺はそんな事を考えていた。


(だが、アナベルがここまで怯えているのは見逃せないな。こうしてアナベルを俺の腕の中に抱きしめている状況は何にも代え難い程幸せな状況だがアナベルがこうも震える程に怯えているのは間違いなく何かあるかだ)


俺は目を細めながらそんな事を考えていた。


(一先ず理由は分からないが咄嗟にアナキス達のいる場所から死角になる場所へ入り込んだのはいいが一体何がアナベルをここまで怯えさせているんだ?草陰から抜けてきたアナベルの顔は真っ青だったからな)


俺は更にそんな事を考えていた。


(だが、あの時に俺のいる場所からすぐそばの草陰から出てきたら良かったもののもしも俺以外がアナベルに助けの手を伸ばしていたと思うとゾッとするな。その相手がたとえ皇帝だったとしても俺は何をするかわからなかっただろうな)


俺は眉間にシワを少し寄せながらそんな事を考えていた。


(アナベルがアナキス達の元からこちらに来る前にアナキスがアナベルに何かを耳打ちしていた様だったがそれがアナキスもアナベルの異変に直ぐ様気づいたから何かを耳打ちしたのだろう)


俺は更にそんな事を考えていた。


俺がそんな事を考えていると俺の腕の中のアナベルが体をもぞもぞとさせた。


(何て可愛いんだ。俺の腕の中でアナベルがもぞもぞと動いている。動く姿がたまらなく可愛いくて俺の体が反応しかけている)


俺は体が昂るのを感じつつそんな事を考えていた。


(あぁアナベル。アナベル。どうして君はそんなに俺の理性を壊そうとするんだ?)


俺は体が反応しない様に理性をきかせつつそんな事を考えていた。


するとアナベルがひょっこっと少しだけ顔を上げて俺を見た。


(まずいぞ。アナベル。その顔は反則だ。そんな可愛い目で見られたら今すぐにでも君を押し倒して襲ってドロドロになるまで君にキスをしたい。そしてドロドロになっても尚君に甘い声を出させたい)


俺は妄想をしつつ下半身が疼きそうになるのを必死で堪えながらそんな事を考えていた。


するとアナベルが急に顔を赤くさせた。


(アナベルの体の震えも止まった様だしきっと今の状況を理解したんだな。この状況を理解したことで一気に恥ずかしさがこみ上げてきたのだろう。言わずとも顔を見ればすぐにアナベルが何を考えているのかわかる。あぁ何て純粋で可愛くて愛らしいのだ)


俺は平然を装いながらそんな事を考えていた。


すると…


「ルシフェルお兄様。ご、ごめんなさい」


アナベルが恥ずかしそうに頬を赤らめながら小さな声で呟いた。


(アナベル、アナベル、アナベル。今すぐこのまま君を思い切り抱きしめてやりたい。本当にアナベルはなぜ1つの1つの行動や言動がそんなにも愛おしいんだ?)


俺はアナベルを見て平然を装いつつ内心はそんな事を考えていた。


「大丈夫だよ」


俺は理性を最大限に働かせて王子モードのスイッチを入れて優しく微笑みながら言った。


するとアナベルは俺の言葉に安堵したのかホッとした表情を浮かべていた。


(俺の言葉に安堵してくれるだけでこんなにも嬉しく満たされるとわな)


俺は満足気にそんな事を考えていた。


(だが、本当に一体何がここまでアナベルを怯えさせたんだ?)


俺はその疑問が拭いきれずそんな事を考えていた。


(皇后がお茶会の席でアナベルに何か嫌味でも言ったのか?それともロザンやキールが余計な話でもしたのか?アナベルは純粋無垢な子だから些細な事でも敏感になる可能性は十分にあるからな)


俺はそんな事を考えていた。


その時だった…


「ルシフェル樣〜。ルシフェル樣〜」


俺にとっては不快以外何者でもない声が聞こえた。


俺はそっと自分のいる場所から声のする方へ目を凝らした。


少し離れた場所にあの女、、パトリシアが見えた。

俺の名前を呼びながら俺達のいる方へ向かって歩いていた。


(チッ。あのクソ女。アイツが俺の名前を呼ぶだけで不快どころか殺意を覚えるというのに)


俺は嫌悪し表情を歪ませつつそんな事を考えていた。


(パトリシアが1人という事はパトリシアだけ抜けてきてグレイシアはアナキス達のとろへいるようだな。グレイシアはアナキスに度を超えた執着心を持っているからな)


俺は更に嫌悪した表情でそんな事を考えていた。


その時…


ブルブル…

ガタガタ…


落ち着いていたはずのアナベルがまた体を震わせていたのだ。


(アナベルが怯えていたのはあのツインズのせいだったのか)


俺はすぐに察しがつきそんな事を考えていた。


(チッ。あいつらの存在だけでも殺意を常に沸き立たせるというにアナベルの事も怯えさせるだと?)


俺は額に血管が浮き出るのを感じながらそんな事を考えていた。


(よくも俺のアナベルに怖い思いをさせてくれたもんだ)


俺は沸き立つ殺意を抑えながらそんな事を考えていた。


(今すぐにでもあの女の息の根を止めてやりたいところだが今はアナベルが俺の腕の中にいるからそうもいかない。きっと俺が怒りをあらわにすればアナベルをも怖がらせてしまい俺の元から離れていく可能性が高いからな)


俺は必死で怒りを抑えながらそんな事を考えていた。


「ルシフェル様〜どこにいらっしゃいますか?ルシフェル様、パトリシアがまいりましたよ」


パトリシアが甘えた声で言った。


(クソ。段々ここに近づいてきてるな。あの女は俺の事に関しては異常なほどに鋭い勘を働かせるからな)


俺は段々とパトリシアの声が近づくのを感じつつ少し焦りながらそんな事を考えていた。


(このままではパトリシアにアナベルが見つかってしまう。パトリシア達に怯えているであろうアナベルが見つかる訳にはいかない)


俺はそんな事を考えていた。


(どうすればアナベルをあの女に見つからずに済むんだ?!これ以上アナベルに辛い思いをさせる訳にはいかないというのに)


俺は必死でそんな事を考えていた。


その時だった…


「ルシフェル?」


皇帝と話が終わったのか父上が通りかかり俺に声をかけてきた。


(父上?)


俺は少し驚きながらそんな事を考えていた。


すると父上は俺の状況と近づいてくる声を聞きすぐに何かを察したのか小さく頷いた。


(ここは私に任せておけ)


と言わんばかり。


そんな父上に俺も小さく頷いた。


(父上助かります)


俺はホッとしてそんな事を考えていた。


そして少しするとパトリシアが父上に気づいた様で父上の方に小走りで向かってきたのが見えた。


「カイザー公爵様」


パトリシアはあからさまな媚媚声でカイザー公爵であるアレクサンダーに近寄り言った。


俺は父上に近寄ってきたパトリシアの声に耳をかたむけて耳を凝らした。


「公爵様。お久しぶりでございます。とてもお会いしたかったです」


パトリシアは続けて言った。


アレクサンダーは黙って聞いていた。


「ところで公爵様、ルシフェル様とご一緒ではなかったのですか?今日はルシフェル様が皇宮へ訪問されると聞きこちらへ来たのですが」


パトリシアは困った表情で言った。


(何?!俺達が今日皇宮へ訪問する事をあの女が知っていただと?!そんな情報を誰から聞いたんだ?!)


俺はパトリシアの言葉に思わず驚愕しそんな事を考えていた。


「それでルシフェル様が今どこにいらっしゃるか知りませんか?ルシフェル様にお会いしたいのですが」


パトリシアは更に媚媚の猫なで声で言った。


すると黙ってパトリシアの言葉を聞いてい父上が口を開いた。


「アードン令嬢。君は一体何を言っているのだ?」


アレクサンダーが無感情な表情で淡々と言った。


「え?それは一体度言う意味でしょうか?」


パトリシアはアレクサンダーの表情に一瞬戸惑いつつ言った。


「アードン伯爵は娘をこんなにも無礼に育てているのか?たかが伯爵令嬢ごときが誰に向かってその様な口をきいているのだ?」


アレクサンダーは更に淡々と更に冷たく言った。


アレクサンダーの言葉にパトリシアがグッと表情を歪ませた。


「将来カイザー公爵家に嫁ぐ身としてお話させて頂いているのですが?」


パトリシアは負けじと笑みを浮かべて言った。


「カイザー公爵家に嫁ぐだと?」


アレクサンダーは眉をひそめて冷たく言った。


「はい」


パトリシアは勝ち誇った様な表情で言った。


(あのクソ女の妄想癖は異常だな。今すぐにでもあの女の口を裂いて二度と口のきけない状態にしてやりたいものだな)


俺は苛立ちながらそんな事を考えていた。


「何を勘違いしているか知らないがお前の様な令嬢を我がカイザー公爵家の嫁として迎える事は今後死ぬまでないという事を心に留めておけ」


アレクサンダーは冷たい目をして淡々と言った。


「はい?今何と?」


パトリシアは表情を歪めて言った。


「何度でも言ってやろう。お前の様な全てが醜い女が我がカイザー公爵家に嫁ぐという事にはお前が死ぬまでない。その醜い妄想癖もどうしたものか。病気か何かなのか?そうでなければ説明がつかない程に醜い言動と行動だ。我がカイザー公爵家はお前の様な全てが醜い女が大嫌いでな。お前の様な女がカイザー公爵家の名前を出す事自体反吐が出て仕方ない」


アレクサンダーは嫌悪した表情で淡々と言った。


(我がカイザー公爵家は代々1人の女性を生涯愛する家系だ。逆にあの様な女達を生涯嫌悪する。代々あの様な女が何人我がカイザー公爵家の手によって葬られたことか。その内容は貴族ならば知っていて当然だというのにそれでもあの様な女達がいる事自体虫唾が走る。もちろん父上もカイザー公爵家の当主だ。パトリシアみたいな女は一番嫌いだろう)


俺はそんな事を考えていた。


「アードン伯爵には同情するな。伯爵も夫人もまともな人間だというのにどうしてこうも子に恵まれなかったのか。伯爵が手を焼くのもわかるな。本当に親不孝な娘だな。まずは自分が異常で醜い人間だという事を理解する為に療養施設にでも入ったらどうだ?謹慎を言い渡されていにも関わらずこの様だからな」


アレクサンダーは更に淡々と言った。


アレクサンダーの言葉を聞いて限界だったのかパトリシアは顔を歪ませ真っ赤にしてアレクサンダーを思い切り睨みつけると何も言わずにその場から足早に去って言った。


「はぁ」


アレクサンダーはパトリシアの態度に呆れた表情を浮かべてため息ついた。


「本当に醜い女だな」


アレクサンダーは更に呟いた。


(さすがのパトリシアも父上にあそこまで言われたら言い返す事もできないか。ざまあないな。父上のお陰で助かった。しかし、あのパトリシアの態度はたかが伯爵令嬢ごときが公爵である父上にする態度ではないだろうに。本当につくづく愚かで醜いクソ女だな)


俺はざまあみろといわんばかりの表情でそんな事を考えていた。


パトリシアを見て呆れていた父上が後ろを向き俺と目が合った。


"後は自分で何とかしろ"


という表情で父上は俺を見た。


俺は了解したという意味で頷いた。


(父上がたまたま通りかかってくれたお陰であの女にアナベルを見られずに済んだな。父上にはまた借りが出来てしまったな。まぁ父上なら俺の気持ちを理解してくれるだろう。父上も昔は母上の為ならどんな手段を使っても母上を自分のものにようとしていただろうし母上に害のあるものは相手が女だろうが何だろが容赦などなかっただろうからな)


俺はそんな事を考えていた。


そして…


「アナベル、もう大丈夫だよ」


俺は優しくアナベルに声をかけた。


すると、アナベルは安堵したのか体の震えが止まった。


するとアナベルが顔を上げた。


「ルシフェルお兄様ありがとうございます。お見苦しい姿を見せてしまい申し訳ありません」


アナベルが俺を心配させない様にと一生懸命笑みを作り言った。


(アナベル声が震えてるじゃないか。本当は平気なんかではないはずなのに一生懸命笑みを浮かべて俺に迷惑かけない様にしているんだな)


俺は胸が締め付けられのを感じつつそんな事を考えていた。


(アナベルをこんな目な遭わせたあのツインズの事は絶対許さない)


俺はツインズに怒りと殺意を抱きつつそれをアナベルに悟られない様に平気な顔をしてそんな事を考えていた。


「本当に助かりました。ありがとうございました」


アナベルは俺の洋服の裾を少しだけギュッと握りながら小さな声でもう一度俺に礼を呟いた。


(そしてアナベルの事はこれから先どんな事があろうとも俺が生涯守ってやる)


俺は俺の洋服を握るアナベルの姿を見てこの時そう強く思い考えていた。


「アナベル〜!アナベル!」


その時アナキスがアナベルを呼ぶ声が聞こえた。


(アナキスの奴グレイシアをどうにか切り離してきたのか。まぁパトリシアもあの状態だったしな)


俺はそんな事を考えていた。


(それで何故ロザンとキールまで一緒なんだ?お前らは関係ないだろうにアナキスの金魚のフンみたいについてきやがって)


俺はアナキスと共にロザンとキールの姿もあり苛立ちながらそんな事を考えていた。


「お兄様?!」


その時アナベルがアナキスの声に気づきハッとなり言った。


(あぁアナベルをこのまま離さないといけないのか?離したくない。このままアナベルを俺の腕の中に閉じ込めておきたい)


俺はアナキスに気づいたアナベルを見て名残惜しくそんな事を考えていた。


(だがここで俺がアナベルを離さなければアナキスにまた不信感を与えてしまいし下手をしたらアナベルにも嫌われてしまうかもしれないからここは名残惜しいが離すしかないようだな)


俺はアナベルを離すのを残念に思いつつそんな事を考えていた。


そして、俺は手を離してアナベルの体を俺から離した。


「アナキス、アナベルはここにいる」


俺はあえて自分からアナキスに向かって声をかけた。


俺の声を聞いたアナキス達が俺達の元へ急ぎ走り向かってきた。


「アナベル」


アナキスは凄く心配そうな表情でアナベルを見て言った。


「お兄様、心配かけてごめんなさい」


アナベルは申し訳なさそうにアナキスへ言った。


「そんな事は気にしなくていい。それより大丈夫なのか?」


アナキスが心配そうに言った。


「はい。ルシフェルお兄様のお陰で助かりました」


アナベルが笑みを浮かべて言った。


(アナベル、アナキスの前で無理に笑う必要なんてないというのに)


俺はアナベルの表情を見てそんな事を考えていた。


「アナキス、俺から説明しよう」


俺が真剣な表情で言った。


(アナキスが不信感を抱く前に俺から説明しておいた方がいいだろうからな)


俺は今後の事を考えてそんな事を考えていた。


「私は今日父上と陛下に会う予定だったから皇宮へ来ていたのだが陛下と父上の話が終わるまで馬車で待っていようと思って馬車へ向かっていた時にアナベルが草陰から出てきて驚いたよ。まさかアナベルが皇宮へいるなんて思わないからね。アナベルだと気づいた時にアナベルに声をかけようと思った時アナベルの様子が何だかおかしいと思いアナベルを連れて一先ず近くのこの場所でアナベルが落ち着くまでいようと思ったんだ」


俺は事情をアナキス達に説明した。


「アナベルが少し落ち着いたと思い場所を移動しようとした時に厄介にもアードン伯爵令嬢が私を探し歩いていてその場から離れようにも離れる事が出来なかったんだがちょうど陛下と話が終わった父上が通りかかったお陰でアードン伯爵令嬢と私達は遭遇せず済んだというわけだ。アードン伯爵令嬢に遭遇してもいいことなどないからな」


俺は更に説明した。


「ルシフェルお兄様の仰る通りです。ルシフェルお兄様が私の様子を見てここの場所に一緒にいて下さいました。少し気分が悪くなっていたので助かりました」


アナベルも俺に続けてアナキス達へ説明した。


「私1人だったら皇宮の事など全く分からず途方に暮れていたと思うのでルシフェルお兄様が声をかけて下さって本当に助かったのです」


アナベルが更に説明した。


「そうだったのか」


アナキスが真剣な表情で言った。


「ルシフェル、ありがとう。本当に助かったよ。君がいてくれなかったらアナベルが今頃どうなっていたか」


アナキスは真剣な表情で言った。


「当たり前の事をしたまでだ。アナベルはアナキスの大切な妹なのだからな」


俺はフッと笑みを浮かべて言った。


(よしよし。今回アナキスはどうやら俺に不信感を感じてはなさそうだな)


俺はそんな事を考えていた。


(それにしてもアナベルは俺に抱きしめられた事は話さないんだな。確かにそんな事は話せないか。アナベルはとても恥ずかしがっていたしな。だがそのお陰で俺がアナベルを抱きしめた事は俺とアナベルだけの秘密になって気持ちが昂るな。2人だけの秘密という響きがたまらない。まさかアナキスは俺がアナベルを長い時間抱きしめていたなど想像もしていないだろうな。あの恥ずかしそうにする顔を今思い出すだけでもたまらなくなるな)


俺は内心は優越感を感じつつそんな事を考えていた。


「本当にありがとう」


アナキスが改めて俺に礼を言った。


「カイザー公爵にも感謝しなければならないな。アードン伯爵令嬢がこの場所までたどり着かなくて本当に良かった」


アナキスは安堵した表情で言った。


(そりぁアナキスもそう思うよな。俺と同様にパトリシアとグレイシアとアナベルを遭わすなど嫌なはずだからな)


俺はそんな事を考えていた。


「アナベル。うちに帰ろう。帰ってゆっくり休むといいよ」


アナキスが心配そうに言った。


(もう少しアナベルと一緒にいたかったがアナベルの体調がこれ以上悪くなるのは俺も嫌だから今日のところはこれでアナベルとはお別れだな)


俺は残念に思いつつそんな事を考えていた。


「アナベル、アナキスの言う通りだよ。今日は帰ってゆっくり休んだ方がいい。まだ顔色もどこか悪い気がするからね」


俺はとても心配した表情で優しく言った。


「分かりました」


アナベルは小さく頷きながら言った。


「では行かうか」


アナキスが言った。


「はい」


アナベルが頷きながら言った。


「では、我々は先に失礼するよ」


アナキスが俺達に言った。


「お先に失礼します」


アナベルも俺達に言った。


「あぁ。気を付けて」


俺は心配そうに言った。


「ゆっくり休むんだよ」


ロザンが優しく言った。


「しっかり食べてしっかり寝るんだぞ」


キールが心配気に言った。


「はい。ありがとうございます」


アナベルが頷きながら言った。


そして、アナベルとアナキスは帰って行った。


(アナベル。本当に今日はゆっくり休んでくれ)


俺は去っていくアナベルを見て寂しさを感じつつそんな事を考えていた。


(しかし、結局のところ何故アナベルがあのツインズに怯えていたのか理由が分からなかったな)


俺はふとそんな事を考えていた。


「ルシフェル、良かったら私達とお茶を飲みながら話でもしないか?」


ロザンが俺に言った。


「そうだよ。一緒にお茶でも飲もうぜ」


キールは笑顔で言った。


(呑気なやつらだな。あれだけアナベルに馴れ馴れしく距離を縮めていたくせに。今はこいつらとお茶なんて飲む気分にはとうていなれないな)


俺は不満気にそんな事を考えていた。


「すまない。馬車の中に父上を待たせているんだ。だから今日のところは遠慮しておくよ」


俺は淡々と言った。


「そうか。それなら仕方ないな」


ロザンが困り笑みを浮かべて言った。


「そうか。じゃあまた明日学園でな」


キールが残念そうに言った。


「あぁ」


俺は頷きながら言った。


そして、足早にその場から離れたのだった…



翌日…


学園でアナキスを見つけて声をかけた。


「アナキス」


俺は言った。


「ルシフェル」


アナキスは俺に気づき言った。


「ルシフェル、昨日は本当に助かったよ。ありがとう」


アナキスが改めて俺に言った。


「気にするな。アナベルが大事にならなくて良かったよ。昨日はあれからアナベルは大丈夫だったのか?」


俺が言った。


「あぁ。お陰様でな。食欲もあるみたいだったし熱などを出すわけでもなく顔色もすぐに良くなったから心配ないだろう」


アナキスが安堵した表情で言った。


「そうか。それなら良かったよ」


俺は安心して言った。


(良かった。あれからアナベルが更に体調でも悪くしてしまったらと心配していたが回復したようで良かった)


俺はそんな事を考えていた。


(昨日会ったばかりだというのにもうアナベルに会いたい。今日も明日も明後日も毎日アナベルに会いたい。今でも腕の中にアナベルのぬくもりを感じているからな)


俺はそんな事を考えていた。


そこへ…


「ルシフェル様〜」


「アナキス様〜」


向こうからパトリシアとグレイシアが俺達にいるところへ向かってきたいた。


(チッ。今アナベルの事を考えていい気持だったというのに。アイツら謹慎が解けて学園にも来れる様になったのか。一緒謹慎で良かったのにな)


俺は不満気にそんな事を考えていた。


「朝から気分が悪いな」


俺が不満気に呟いた。


「あぁ。そうだな」


アナキスも同じく不満気に呟いた。


(アナキスもグレイシアが嫌で嫌で仕方ないだろうな)


俺はアナキスの表情を見てそんな事を考えていた。


(それにしても相変わらずの汚い厚化粧にこの距離でも臭う強烈な香水の臭いにあの媚びた声。本当に反吐が出るな)


俺は苛つきながらそんな事を考えていた。


(本当に存在自体に殺意を覚えて仕方ない)


俺は更にそんな事を考えていた。


「アナキス。あのツインズの事で話しておきたい事があるから場所を変えよう」


俺が言った。


「あぁ」


アナキスは頷きながら言った。


そして、俺達はツインズの事など無視してその場から場所を移した。


「お待ち下さいルシフェル様〜」


「アナキス様〜おいていかないで下さい〜」


後ろからパトリシアとグレイシアのゾッとする声が聞こえた。


(本当にくたばってしまえばいいのにな)


俺はそんな事を考えながら足早に歩いた。


そして、俺とアナキスは学園の屋上へ移動した。

周りに聞かれない場所ならば屋上がうってつけだった。


「それであのツインズについての話とは?」


アナキスが言った。


「ツインズの謹慎が解けてこうして自由に動ける身になった今かなりあの2人には注意の目を向けておいた方がいいと思ってな。我々だけならば問題ないがツインズをアナベルに会わせる訳にはいかないだろう?」


俺は真剣な表情で言った。


「確かにな。あの2人の執着ぶりは異常だからな。謹慎前にグレイシアの方がフルート侯爵邸に何度も無断で訪れた時はアナベルにグレイシアの存在がバレない様に徹底していたからな。幸いアナベルにはバレてはいなかったが恐らくアナベルが以前学園に来たという話を耳にするだろうからアナベルに接触してくる可能性がないとも言えないからな。あのツインズは平気で異常行動するからアナベルには絶対近づけさせる訳にはいかないな」


アナキスは深刻な表情をして言った。


「その通りだ。これまでも公私ともにあのツインズは平気で人を傷つけあざ笑う様な奴らだからな。アナキスの妹であるアナベルに接近してくる可能性は十分にありえる。アナベルに近づいたらアナベルに何を吹き込むかわからないからな」


俺は目を細めて言った。


(あんな異常者達がアナベルに接触していいことなど一つもないからな。アナキスに執着しているグレイシアからしたら妹であるアナベルの存在は色んな意味で接触したい人物だろうからな)


俺はそんな事を考えていた。


「そうだな」


アナキスを表情を歪めつつ言った。


「これを機にアナベルにあのツインズの事を話しておいたらどうだ?その方が色々と未然に防げるのではないか?」


俺が言った。


「アナベルに?!」


アナキスが驚き言った。


(確かにアナベルにツインズの話をするのは少しリスクがあるかもしれない。昨日のアナベルは明らかにツインズに怯えていたからな。会ったことも聞いたこともないツインズに対してあそこまで怯えていたんだ。もしも何も聞かされないまま万が一にでもツインズと接触する事があったのならとんでもないことになりそうだからな)


俺はそんな事を考えていた。


「あぁ。アナベルに事前に話す事でツインズの存在をアナベルに知っておいてもらっておく方がいいだろう。この先アナベルもデビュタントを迎えたら少なくとも今より人前に出る事が増えるだろう?そうなるとツインズと顔を合わせてしまう時だってあるだろうからな」


俺は真剣に言った。


「確かに言われてみればそうだな」


アナキスは真剣な表情で言った。


「そうだな。一先ずツインズの存在を話しておくだけ話しておいた方がいいかもしれないな」


アナキスは少し考えたのちに言った。


「あぁ」


俺は頷きながら言った。


「分かった。今日学園が終わったらフルート侯爵邸に寄ってアナベルに話をしてくるよ」


アナキスが言った。


「ならば俺も一緒に行こう」


その時俺は名案を思いつき言った。


「ルシフェルも?」


アナキスは眉をひそめて言った。


(何故俺も一緒に?って顔をしているな)


俺はアナキスの表情を見てそんな事を考えていた。


「あぁ。パトリシアの情報に関しては俺の右に出る者はいないだろう?お前も知っての通りパトリシアの俺への執着は異常の度合いを超しているんだぞ?パトリシアの事を話すのならばアナキスより俺の方がいいだろう。グレイシアの事はアナキスがよく知っているからアナキスが話せばいい」


俺は真剣な表情で言った。


「確かにパトリシアに関しては君の他に知るものはいないな」


アナキスは何かを思い出したのかゾッとした表情で言った。


「わかった。では一緒にフルート侯爵邸に行き2人でアナベルに話をしよう」


アナキスは渋々言った。


(よし。これで今日もアナベルに会えるな)


俺はアナベルに会える事が嬉しくてニヤいてしまいそうなのを必死で堪えてそんな事を考えていた。


「あぁ」


俺は頷きながら言った。


そして、学園が終わると俺とアナキスは馬車に乗り込みフルート侯爵邸へと向かった。


(あぁ。今日もアナベルに会えるなんて嬉しくてたまらない。早くアナベルに会いたいな)


俺は馬車の中でそんな事を考えていた。


フルート侯爵家の領地に到着するとアナキスが何かに気づいた。


「アナベルだ」


アナキスが窓の外を見て言った。


(何?アナベルがいるだと?)


俺はアナキスの言葉に驚き窓の外を覗いた。


だが、俺は窓の外を覗いた見えた光景に一瞬にして怒りがこみ上げてきた。


アナベルが男と一緒に楽しそうに歩いていたのだ。


するとアナキスが馬車を停めて馬車から出るとアナベルのとこらへ掛けよって何かを話し始めた。


(あの男は前にアナベルの後をつかていた時に見た奴だな。前もアナベルと笑い合って楽しそうにしていた奴じゃないか)


俺は額に血管が浮き出るのを感じつつそんな事を考えていた。


(何故アナベルの横にいる? 何故アナベルと笑い合っている?何故アナベルと手を繋いでいる?)


俺は怒りが爆発しそうになりながらそんな事を考えていた。


(何故アナキスは奴がアナベルと手を繋いでいても何も言わないのだ?

俺はだめでアイツならいいのか?

気に食わない…)


俺は更に怒りを覚えつつそんな事を考えていた。


(今すぐにでも馬車から降りて奴の首を締めてやりたいとこだ)


俺は更にそんな事を考えていた。


その時だった…


アナキスから俺も一緒だと聞いたのかアナベルがこちらへ小走りで向かってきた。


俺がいると聞いてわざわざこちらへ向かってくるアナベルが愛らしすぎて俺はすぐにニヤけた。

しかし、すぐに王子スイッチを入れて表情を作った。


(アナベルは今日も愛らしいな)


俺はそんな事を考えていた。


そして、俺が馬車から降りるとそこにはアナベルが驚いた表情をして立っていた。


(俺が一緒だと聞いて驚いているんだな。可愛いな)


俺はニヤけてしまうのを抑えつつそんな事を考えていた。


そんなアナベルが可愛くて仕方ない俺は王子スマイルで優しく微笑んだ。


そんな俺を見てアナベルは皇宮での事を思い出したのか少し顔を赤らめた。


(あぁ、あの顔は昨日の抱きしめられた時の事を思い出してるんだな。恥ずかしがって可愛いにも程がある。俺をおかしくさせる気か?)


俺は今すぐにでもアナベル抱きしめたい衝動にかられるもどうにか耐えつつそんな事を考えていた。


そして俺はチラりとアナキスの横にいた奴を見た。

別にただ見ただけで睨んだわけでもないの奴はビクッと戸惑いの表情を浮かべていた。


(別に睨んだわけでもないというのに何とも情けない奴だ。あんな奴がアナベルと手を繋ぎ笑い合ってると思うと余計に腸が煮えくり返りそうだ)


俺は呆れと怒りでそんな事を考えていた。


しかし、アナベルの言葉でその怒りは一瞬でおさまった。


「ルシフェルお兄様こんにちは」


アナベルが俺に挨拶をしてきた。


「やぁ、アナベル。昨日ぶりだね」


俺は優しく微笑みながら言った。


「はい」


アナベルは少し恥ずかしそうに言った。


(わざと昨日という言葉を使ったが更に昨日の事を思い出したのだな)


俺は満足気にそんな事を考えていた。


「あ、ルシフェルお兄様。紹介しますね。お兄様の横にいる子はアイナといって私の一番のお友達なのです」


アナベルが笑顔でアナキスの横にいた奴を紹介してきた。


何と奴は女だった。

見た目は背も高く男よりは遥かに華奢だがアナベルと並ぶとガタイがよく見えた。

髪の毛も短いのでてっきり男だと思ったがどうやら俺の大きな勘違いだったようだ。

俺は奴が女だと聞いて心から安心した。


(アイナだと?!あいつは男ではなく女だったのか?あぁ、だからアナキスはアナベルとあいつが手を繋いでいても何も言わなかったんだな)


俺は安心してそんな事を考えていた。


アナベルの話によれば彼女は平民だがアナベルの一番の友達だとアナベルが嬉しそうに教えてくれた。

彼女はフルート侯爵家に仕える庭師の娘だった。


(俺の勘違いであやうくアナベルの一番の友達を殺してしまうところだったな。危なかったな)


俺はそんな事を考えていた。


「お兄様から聞いたのですが今日はルシフェルお兄様も一緒に私に話があるのだとか」


アナベルが言った。


「そうなんだよ」


俺は困り笑みを浮かべて言った。


「そうなのですね。でしたら少し馬車の中でお待ち下さい。アイナに帰ると挨拶をしてくるので」


アナベルが慌てて言った。


「あぁ、わかったよ」


俺は微笑みながら言った。


するとアナベルはアイナに帰ると挨拶をしに行った。


アナベルとアナキスがアイナに挨拶を済ませると馬車に戻ってきて3人で侯爵邸に向かった。


侯爵邸に着くとアナキスの部屋へ向かった。

アナベルが3人分のお茶を淹れてくれた。


「それで今日はお2人は私に何のお話が?」


アナベルが不思議そうに言った。


「話というのはアナベルも昨日少しばかり声だけは聞いたと思うのだがアードン伯爵家の双子の令嬢についてなんだ」


アナキスが少し言いづらそうに言った。


「アードン伯爵家の双子のご令嬢の話ですか」


アナベルは一瞬表情を強張らせながら言った。


(やはりアナベルはツインズに対してかなり恐怖を抱いているようだな。だがそれが何故なのかはわからないが)


俺はアナベルの表情を見てそんな事を考えていた。


「あぁ。彼女達は貴族の中では少し有名な双子でね。有名といってもいい意味ではなくむしろ悪い意味でだ」


アナキスが話を続けた。


「双子の1人である妹のグレイシアは私に異常に執着していてな。公私ともに常に異常な程に私に対しての執着を見せているのだ。少し前まで双子が問題を起こして謹慎処分を受けていたのだが最近になり謹慎が解けた様でまた自由に動けるようになったのだ。昨日もどこから情報を得たのは知らないが私が皇宮にいることを知り無断で皇宮へと訪れてきたようなんだ」


アナキスは嫌悪した表情で続けた。


「方や姉のパトリシアは私に執着していてね。私がどこで何をしていようとも異常に付きまとってくるんだ。アナキス同様どこから情報を得たのか知らないが私が父上と皇宮へ訪問していると知りやってきた様だ。アナベルも昨日パトリシアこ声だけ聞いたと思うけども」


俺は表情を歪めて言った。


(昨日に関しては特に存在が許せなかったがな)


俺はそんな事を考えていた。


「お兄様とルシフェルお兄様にそんなにも執着されているという事はその双子のご令嬢はこれまでお兄様達の近くに寄ったりいる女性に対してあまり良い印象をお持ちではないとうことですか?」


アナベルが少し声を震わせながら言った。


「その通りだ。正直に話あの双子はこれまで学園内外で関係ない者だったとしても思い込みと勘違いと妄想から女性に容赦なく手を出していたんだ」


アナキスは表情を歪めて言った。


「では、お兄様の妹である私もご令嬢達にとってはあまりいい印象ではないのでしょうか」


アナベルは凄く不安気に言った。


「アナベルが心配することは何1つないんだ」


アナキスがアナベルの不安そうな表情を見て慌ててアナベルに駆け寄り優しく肩に手をやり言った。


「しかし」


アナベルは不安でたまらないという表情を浮かべて言った。


(アナベルが双子を恐れているというのもあるだろうが前に首都の街で学園の虫けら以下の女達に色々と言われた事があるからその時の事もあり余計に不安になるのだろう)


俺はアナベルを見て表情を歪ませて言った。


「アナベル。アナキスの言う通りアナベルは何も心配しなくていいんだよ」


俺は優しく微笑み優しい声で言った。


(アナベルを悲しませたり苦しめたり傷つける奴がいたら俺がひとり残らずこの世から葬り去るから大丈夫だよ。アナベルは何も心配することない。俺が絶対に守ってやるから)


俺はそんな事を考えていた。


「そうだぞ。アナベルは何の心配せずいるといいさ。それに私達は双子にアナベルを会わせるつもりはまったくないのだから」


アナキスが真剣な表情で言った。


「この先、アナベルがデビュタントを済ませ人前に出る数が増えるとしてもあの双子、、いやアードン伯爵家の人間には会わせるつもりはないのだから」


アナキスが更に言った。


「だから安心していいんだよ」


アナキスはアナベルの頭を優しく撫でながら優しく微笑み言った。


「はい」


アナベルは少し安心したのかホッとした表情で頷きながら言った。


(少しは安心できただろうか)


俺はアナベルの表情を見てそんな事を考えていた。


それから少ししてツインズに関する話は終わった。


俺はせっかくアナベルに会えたのだからもう少しアナベルとの時間を過ごしたいと思ったがアナキスの不信感を少しでも取り除く為にもこの日はすぐに帰る選択を選んだ。


「話も終わった事だから私はこの辺で帰るよ」


俺は平然を装い言った。


「そうか。わざわざ出向いてくれて話をしてくれた助かったよ」


アナキスが言った。


「力になれて良かったよ」


俺は頷きながら言った。


「では帰るよ」


俺が言った。


「あぁ。送るよ」


アナキスが言った。


そして、アナキスとアナベルが俺を玄関先まで送ってくれた。


(あぁ、やはりアナベルの離れるのは寂しいな)


俺はアナベルをチラりと見ながらそんな事を考えていた。


「あ、そうだ。ルシフェルちょっと待っていてくれ。前に借りた本を今日ついでに返すよ」


アナキスがハッとなり言った。


「あぁ」


俺は頷きながら言った。


そして、アナキスは急ぎ足で自室に本を取りに向かった。


アナキスがその場から離れると…


「あの、ルシフェルお兄様これを、、」


アナベルが急にアイナと一緒にいた時から持っていた手提げ鞄から箱を俺に差し出しながら言った。


(何だ?)


俺は驚きそんな事を考えていた。


「か、帰ってから開けてください」


アナベルが恥ずかしそう言った。


「ん?あぁ」


俺は驚いた言った。


(これはアナベルからのプレゼントだと思っていいのか?)


俺は箱をじっと見てそんな事を考えていた。


「ルシフェル悪い待たせたな」


その時、アナキスが急ぎ戻ってきて言うと俺に本を渡してきた。


「あぁ」


俺は咄嗟にアナベルからもらった箱を洋服のポケットに入れてアナキスから本を受け取った。


「ルシフェルの言った通り面白い本だったよ」


アナキスが笑顔で言った。


「気に入ってもらえて良かったよ」


俺は頷きながら言った。


「では、また」


俺はアナキスとアナベルへ言った。


「あぁ」


「はい」


アナキスとアナベルが言った。


そして、俺は迎えの馬車に乗り込んだ。


俺は馬車に乗り込むやいなや帰るまで待ちきれず箱を開けた。

箱の中には手紙と品が入っていた。


手紙には…


"昨日はありがとうございました。お恥ずかしい姿をお見せしてしまい申し訳ありませんでした。

それに、私の涙や汗のせいでルシフェルお兄様のスカーフが汚れてしまったのでお礼に新しいスカーフをプレゼントさせて下さい。

ルシフェルお兄様の好みなどが分からず私がルシフェルお兄様に似合いそうな物を勝手に選ばせて頂きました。

改めて昨日は本当にありがとうございました"


と書かれていた。


(アナベルは字まで愛らしいのだな)


俺はニヤニヤしながら手紙を見てそんな事を考えていた。


(俺の為に、俺を思って書いてくれた手紙。アナベルが俺の為に)


俺は段々と興奮してきてそんな事を考えていた。


そして、俺はスカーフを手に取った。


そのスカーフは薄紫色に金色の刺繍が施されていた。

その色はまさにアナベルの髪の色を連想させる様な綺麗な薄紫色だった。


(まるでアナベルの髪の色だな。このスカーフを見るだけでまるですぐそばにアナベルがいるみたいだ)


俺はスカーフを見てニヤつきながらそんな事を考えていた。


アナベルからの初めてのプレゼントと手紙。

ニヤつかない訳がなかった。


(このスカーフは使えないな。使えるわけがない。国中探してもこんなにかけがえのないスカーフなどないからな。これはアナベルコレクションに追加しなくてはな)


俺はスカーフを寮に戻り大切に保管してスカーフに似合う額縁を頼もうと考えていた。


同時にアナベルからの手紙を入れる額縁も必要だなど色々と1人そんな事を考えていた。


(あぁ、スカーフを見るだけで身体が昂ってきてしまったな。寮に戻ったら真っ先に抜かねばいけなさそうだな。この喜びと興奮は当分はおさまりそうにないな)


俺は下半身が疼くのを感じながらニヤつきながらそんな事を考えていた。


俺はこの日は有頂天に昇る程機嫌が良かった。

寮に戻るまで何度も手紙を読み返しスカーフを眺めていた。

そして更にアナベルに対する想いが強くなっていった。


そのせいかいつもならば絶対に見逃す事のなかった事を見逃してしまったせいで後に起こる最悪な事態をこの時の俺は考えもしなかった…

ご覧頂きありがとうございます★


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