スロウ
暮れはじめているのに頭の上はまだ青空
そこに白線が続かない飛行機雲ひとつ
彗星みたいだね
夜になる間際
深いみなぞこのような世界につつまれる
蒼に染まる空気も人もなにもかも
蒼い世界は頭の芯を静寂にした
それは時間が止まったみたいに感じるから
息をしなくても生きている
そんな「生き物」になれた気がして
ずいぶんと考えていた「終わり」がしずんでゆく
いつの間にか闇が蒼を溶かして
空には瞬く間に星が撒かれ
ひとつがふるえて流れた
それが合図のように
さっきまで思っていたことを忘れてしまった