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愛を、降らせる。

作者: 昼咲月見草

この星には愛が足りないと誰もが言うので


空から愛を降らせてみました。



手のひらからこぼれるように、あふれるように


愛は世界に注がれました。



天から降った愛を見上げて人々は


「痛い、痛い」と泣き叫びました。


怒りもあらわに建物の中に隠れる人も


うずくまって助けを求める人もいました。



愛は、毒なのです



彼らにとっては今はまだ



でも時には


空を見上げて笑顔になる人もいて


感謝の言葉を歌にする人もいて


その届く思いが嬉しくて


わたしはやっぱり愛を降らせるのです。




ねえ、泣かないで。


ねえ、苦しまないで。


ねえ、悪に引きずられないで。




憎まれて、罵られて、疎まれて


でもやっぱり愛を降らせるのです



誰かが、みんなが言ったからではなく


この星には愛が足りないとわたしも思うから。





行かないで、行かないで、


愛のない方へ








わたしは今日も愛を降らせます


嫌われながら、憎まれながら、避けられながら


ああだけど時々


もうどうでもいいと、好きにしたらいいと


何もかもが嫌になるそんな時に限って


誰かが歌を歌うのです


そのか細い声は、わたしへの愛


全てへの愛




だから




愛を降らそう


あなた達のもとへ


愛を求めて拒む、この星へ



ああ今日も歌が聞こえる


それはまるで遠くで響く夜明けの鐘のようで


透き通った音が朝を呼ぶようで




その清らかさにこたえられたらと


わたしは今日も愛を降らせるのです。













挿絵(By みてみん)

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