Ash night sky〜その3
俺は村の中心にある噴水に腰掛けスズキの帰りを待っていた。スズキの両親にクルタスの肉を渡し、昼飯の用意をしている。
とくに何も考えずに薄暗い灰色の空を見上げていると声が掛かった。
「おじちゃんなにしてるのー?」
幼女がいた。おじちゃんって、俺17歳なんだけど。そんなに老けて見えるのか...?
「なにしてるって聞かれてもなぁ...」
「おうちないのー?」
「いや、確かに無いけど...」
幼いから、すごい躊躇なく聞いてくる。
なんかちょっと傷つく。
「あ、こら!ユウカ!ほら、家にかえるぞ。」
幼女の父親らしき男が近いてくる。
「ユウカが何か失礼なことを言いませんでしたか?」
「いえ、大丈夫ですよ」
「そうですか...」
「ヒナター?あ、いた。ご飯の用意できたわよ」
すると、スズキから声がかかる。
「あぁ、わかった。今行く」
「パパ、ママ、この人がさっき言った記憶喪失してるヒナタ君だよ。」
少し後に家に入った俺はスズキの隣に立ち、両親と会う。
ー息を呑む。
目の前にあったのは、スズキの両親と思われる男性と女性の写真が貼られた"壺"だった。
「これは...」
「私の両親。3年前にこうなったの。」
そう言い、スズキは壺の中に手を入れ、中の灰色の砂を持ち上げる。
「なんでそんな砂みたいに...?」
「わからない。太陽が灰に包まれたときにこんな姿に...」
「別場所でもその現象は起きているのか?」
「ええ...この村は40人くらいの村だったんだけど、灰に包まれだとき25人が灰になったわ。」
驚いた。この村の灯りが少なかったのは3年前から半分以上の人が減っていたからか。
「あ、突然だけどあなた、自分の能力値は覚えてないの?」
「の、能力値?」
「わからないのね。能力値って言うのは、あなたの力の強さや足の速さを数値化したものよ。」
「この紙で測れるのよ。さっき家の中を探してたら出てきたの、15歳から20歳までなら全部の数値が80前後なのが一般的よ。」
「なるほど」
「はい、この紙に手を置いてみて。」
「あ、ああ」
言われるがまま紙に手を置き、力を入れる。
すると、白かった紙が段々と黒くなっていく。
「もういいわ、手を離して。」
どれどれ...とスズキが紙を見て、段々と驚愕の顔へ変わっていく。
「こ、これは...」
「?どうした?なんかおかしかったのか?」
「これはおかしいなんてものじゃないわ!み、見てみて!」
なにをそんなに驚いているんだろう。俺も80前後だと思うけど。
「...?.....!?」
紙を見て俺も驚愕する。
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名前 佐倉 日向
能力 ・不老不死 ・反転強化
能力値
力・・・2
防御・・・1
素早さ・・・5
魔力・・・0
魔法防御・・・1
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能力値が全て一桁だった。
「弱いなんてものじゃないわ!むしろどうやって今まで...」
そこで一旦言葉が途切れる。
「不老不死...これね。」
「ねぇ、ヒナタ」
まだ状況が飲み込むことが出来ていない俺にスズキが話しかけ、
目の前が強い光で包まれる。
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ー
・・・目を覚ますと、周りには何も無かった。
そう、なにも。
数秒前まで村があった場所には大きなクレーターができていた。




