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灰の夜空  作者: 小鳥遊
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Ash night sky〜その2

 村は角灯の光で所々明るくなっている。

俺は息を整えながら周りを見渡す。

ちらほらと人がいる、誰かにこの世界のことや、あの化け物のことなど聞きたいことがあるが、言葉が通じるかわからない。

「ねぇ...大丈夫...?」

どうしようかと悩んでいると声が掛かった。

顔を上げると髪の長い少女がいた。日本語だった。

「あぁ、草原を歩いていたら牛みたいな生物に襲われて...」

「牛...?あぁ、【クルタス】のことね、確かに今の時期は少し凶暴だしね...。じゃあ、今から狩りに行きましょうか。」

「い、今から?昼に行ったほうが...」

「昼?この世界は太陽が謎の灰に包まれていて、1日中、1年中夜なの。」

と、少女に説明された。

「そうなのか...じゃあ、誰かを呼んできてクルタスとやらを倒すのか。」

「?...いやいや、クルタス一匹くらい私一人で十分よ?弱いし。」

「よ、弱い!?」

「どうかしたの?」

「い、いや、なんでもない...」

あの化け物が弱いって...俺一回殺されてるんだけど?

「それじゃ、行きましょうか。」

「あ、ああ...」

少女は鉄の剣を持ち上げながら言った。

 そして道中、

「私の名前はスズキ。あなたは?」

「俺は佐倉日向。まぁ、ひなたって呼んでくれ。」

「わかったわ。」

少しの間静かになる。

「ねぇ、ヒナタ。」

「なんだ?」

「あなた、どうしてクルタスやこの世界のことを詳しく知らなかったの?」

「あー...じ、実は記憶が無いんだ。今は自分の名前くらいしかわからない。」

「そうだったのね...」

適当な嘘だったが、信じてもらえた。

しばらく進んでいると、左目の潰れたクルタスがいた。草食べてた。

「いたわね。」

「ああ。」

クルタスはすぐに俺たちに気づき、先程と同じように突進してきた。その方向は俺だ。

俺も先程と同じように貫かれ、反撃する用意をしていた。

クルタスが俺に近づき、ぶつかる。

俺が貫かれることは無かった。

クルタスの角が俺の体を貫く前にクルタスの首が飛んでいた。

クルタスの首があった所からは鮮血が吹き出し、地面に倒れ、ビクビクと痙攣し、動かなくなる。

俺が一度殺され、左目を潰し、怯ませ、やっと逃げ出すことができた化け物、クルタスはスズキの一太刀で絶命した。圧倒的な力の差だった。

「さ、帰りましょうか。」

「あ、あぁ...」

死体を引きずって村に戻って行くスズキを俺は立ち尽くして見ていた。

「どうしたの?村に戻らないの?」

「いや、今行く...」

俺は少し俯きながらスズキの後ろを歩き出した。

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