序章
目を開けるとそこには、白髪で髭の長い老人がいた。
その日から俺は地球とは違う異世界で生活することになる。
俺は佐倉日向[さくらひなた]、男子高校生だ。 高校生と言ってもいじめが原因で不登校なのだが。 そして人生に疲れた俺は自殺することにした。
が、ただ自殺するのはなんか嫌なので、さっき拾ってきた『異世界転生する方法』とか言う本に書いてあった方法で転生してみる。失敗したとしても死ぬことはできるのでデメリットは無い。
本に書いてあったものはこうだ。
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方法1
手順①
人形の中に自分の体の一部(爪や髪など)を入れる。
手順②
①に「お前は私の身代わり。」と、4回唱え、燃やす。
手順③
人形が燃えている間に眠りにつく。
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方法2
手順①
道路のそばで目を閉じる。
手順②
自動車が自分の前を通るまで待ち、自動車が通る瞬間に前に飛び出て自動車に轢かれる。(トラックなどの大型車だと成功しやすい。)
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方法3
手順①
10階以上のビルの屋上に立つ。
手順②
空を見ながら落下し、落下中に目を閉じる。
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自殺するとしても、周りに迷惑はあまりかけたくないし、失敗してもちゃんと死にたいので方法3を実践してみる。
近くの高層ビルの屋上に行き、空を見上げると、
「いい天気だな」ふとそんな言葉が口から漏れた。
そして俺は空を見上げたまま何もない空中へ一歩足を踏み出した。
俺の体は地面に吸われるように真下へ向かう。
自然と頭が下になる。
恐怖は無かった。
「あれ、走馬灯みたいのはないんだ。」そんなことを考えながら俺は目を閉じた。
地面にぶつかったような衝撃はない。なんだか体がほんのりと暖かい。
ゆっくりと俺は目を開ける。
すると目の前には、白髪で髭の長い老人がいた。
「ここは...?」
「ここは私たちが住む場所。いわゆる天界だ。」
困惑する俺とめんどくさそうな老人。
「ってことはあんたが俺たちで言う神なのか?」
「そうだ。」
老人もとい神はため息混じりにそう答えた。
「...なんでそんなにめんどくさそうなんだ?」
気になったので素直に質問してみる。
「お前みたいに人生に疲れたやつは何人もいる。その中の何人もが異世界転生を望み、命を捨ててここにやって来る。そいつらの全てを私が対面し、能力を設定して異世界に送り込む。転生先で死んだ者もここにやってきて私がまた設定し、別の世界へ送り込む。
実際お前にこうして話しているのもめんどくさい。
転生先を決めたり能力をつけたりするのは私の担当なんだ。」
と、愚痴を聞かされた。
「大変なんだな...。」
「ああ、そうだ。大変なんだ。だからここに戻って来るやつを減らしたい。ってことでお前には"不老不死"
の能力をつける。あと能力値もカンストさせておく。」
神は光の玉をつつきながらそう言った。
「じゃ、さらばだ。」
「え、ちょ、まだ心の準備が」
「さらばだ。」
周りが光に包まれる。
俺の意識が遠のいて行く。
意識が途切れる瞬間、小声だったが確実に聞こえた。
「あ、やべ」




