キャラから作るか、ストーリーから作るか……。
執筆で最初に悩む事、それはどこから創りはじめるかじゃないですかね?
ってことではいさい! 久々にエッセイ書くかと思い至りつつ、長く放置してたカズモリさんがやっと書く書く詐欺を諦めたようです!
なんかこの一文タイトルっぽいな。
さてさて、今回のテーマ「キャラとストーリーどちらから作るべきか」です。
これはなんというか……人によるとしか言いようが無いですね。ってそれで終われねーよ!?
正解なんてないし、そういうのを考える事自体が創作の楽しいトコであり、かつ苦しいトコじゃないですか。だから「こうしたらいいよ」なんて話はしません。
ただ個人的な方法論てほどでもないけど、発想の仕方を書き連ねようかなー、なんて思います。
参考になるとは思わないけどさ、悩んでる人のきっかけになるとイイナーなんてネ。
さて、タイトル通り「キャラ先」か「筋先」かを明示しておきます。
俺の場合「筋」が先にあった方が創りやすいです。
といっても、細かいストーリー全てが最初からある状態ではなく、やる事が箇条書き状態になってる程度が理想です。ただし、最終回だけはきっちり決めた方が良いです。最終回に向かっての大きな流れに身を任せる方が圧倒的に楽という経験則ですね。ちゃんと最終回決めてたのに、延長して迷走した経験があるんですよ……。
それで、ストーリー先行の書き方ってのは、前に書いた「私、クソラノベに召喚されたのであるある展開を制覇します!」(→https://ncode.syosetu.com/n3295fy/)なんかはまさにそれで、「なろうあるある」を15個出された状態から製作がスタートしてます。
その「あるある」を一話ごとに消化してゆき、最終的に話としてまとめる、といった感じね。
あるある自体はここで羅列しないけど、どういう順番で使うか、どういう経緯で「あるある」が出てくるか、それを考えるんです。俺はこの段階が一番好き。ただ妄想してるだけなんだけど、やる事をうまく並べ替え、繋ぎ変えるこの感覚……。なんだろ、パズルゲーで連鎖組んでる時の感覚に近いかな?
実際形にする時はもっと緻密な計算というか、ストーリーにおける必然性と、ツッコミをねじ伏せる辻褄あわせが必要なんで大変なんですけどね。
その段階で色々と考えた末に、主人公が最初男で設定してたのに女になったり、高校生設定が浪人生になったり、元不良の属性が付いたり……。そんな紆余曲折もありました。
細かく言うと長いんだけど、男主人公で考えてたんです。けど、最初仲間になるキャラは前から使ってるキャラにしたかったんですよね。そのキャラがショタ寄りというか、少なくとも主人公よりは(見かけ上)歳下の男の子なんで、男主人公だと違和感が出たんですね。
なので「女主人公ならおねショタ感出るんじゃね?」って発想に至ったのです。そんなおねショタしなかったけど。
そして同時に「女主人公だといきなり異世界で戦うの不自然じゃない?」というツッコミが(脳内で)出てきたので、元不良設定が付いたのです。
喧嘩慣れしてるワケじゃないけど、負けん気が強くていざという時は頼れる姉御的な? それなら違和感も多少減るかなと。
これはなんとなく「ごくせん」に影響されてる気がする。普段は優しいお姉さん、だけどホントはヤバい人。そういうのってイイヨネ!(個人的な好みデス)
ただそうなると、今度は逆に「不良が教科書持ってるのはおかしい」ってなったんです。これは高校生設定の時から考えてた、通学の途中で異世界転移して「教科書がキーアイテムになる」と考えていたから出た違和感ですね。こっちを変えてもいいんだけど、そうなるとかなり大がかりな話の変更になるので、主人公を変えちゃえとなったんです。こういう所も「筋先」っぽいですね。
ならどうするか、考えました。散歩しながら。そしてふと湧いて出たこじつけが「不良やってたけど、一念発起して大学受験することにした浪人生」というものです。
無意識だけど「ビリギャル」からのイメージがあるかも? ああいう「何かのきっかけで変わろうと頑張るキャラ」って好きなんですよね。まぁ、好きうんぬんより、小説に限らず物語って登場人物に変化がなければ退屈なだけですから、当然かもですけどね。
そんな風に、主人公だけで二転三転してたりします。
ただ今回の連載では、周囲のキャラは今まであるストックを使う気だったので、展開に応じて最適なキャラを当てるだけというのもあって、主人公以外はあまり悩みませんでした。
うん、この辺もキャラを新しく立てるのを避けたがる「筋先」の雰囲気が……、と言いたくなったけどめんどくさがりなだけかもしれない。
ともかく最初仲間になるキャラも、途中で出てくる冒険者ギルドの面々も、過去作に出てたのでそのイメージを引き継ぐだけでした。
新しく立てたキャラの獣人奴隷も、あるあるの設定を乗せた上で、チョロインなキャラにならないよう思考をきっちり組み上げたくらいで、設定自体はすんなり出ましたね。
ただ結構それが難しい。奴隷で獣人で王族……。奴隷落ちから主人公に忠誠を誓うまでを、違和感なく進めるにはどうしたものかとは考えました。
と言っても考えるのは俺なわけで、俺とかけ離れた思考パターンではこじつけもできません。なので性格は冷静で物事を分析できる人物にしたんです。なぜかっていえば、俺が理屈っぽい人だから。
でも王族設定があるならあまり違和感ないかなと思うんですよね。突っ走る人物が国のトップに立つ方が違和感あるし、冷静に分析できる人物になるよう教育されてるはず、と考えれば妥当かなと。
そしてそんな彼なら、主人公の些細な様子から真意を汲み取り、忠誠を誓う展開も違和感なく進めてくれたのではないかと思います。
実際ちゃんとできてるかは、読んだ人の印象に委ねるしかないので俺にはわかりません。
あ、獣人である必要性ですか? それは……、俺が好きだからだよ!!
いや、うん。マジでこれだけで決めた設定ではあるんだけど、これものちに理由付けしました。
獣人の国だから人間に滅ぼされ奴隷となった。こういう過去にするのに役立ちましたね。人間同士は表立って戦わない世界観なのは前から決めてたので、獣人にしておいてホントに良かったと思いました。
もふもふさせろ!! 失礼、取り乱しました。
そういう流れで書いて行くのもあって、「ストーリーに合わせてキャラを立てる」という組み方が俺には合ってるかなって思います。あと考える時は色々な「制限」があった方が発想が浮かびやすいんじゃないかな?
何もなしで好きに書いていいっていうのは、自由なようで逆に何も思いつかなくなります。
どういう状況だからどういうキャラクターが必要、そこから広げていくタイプなんですね。つまり「展開による制限がキャラクターを生んでいる」わけです。
逆にキャラから考える人っていうのは、そのキャラを魅力的に引き立てる展開を考える必要があるので、こちらの場合でも「キャラクターにさせたい動きという制限が展開を生む」という状況じゃないでしょうか。結局はどちらを優先させようとも色々制限をかける事が、発想を生んでいるのかもしれません。
うーん、制限と書いたけど、どちらかと言えば「やりたいこと」とか「書きたいこと」とした方が印象はいいな。やりたい事に合わせて周りを組み上げる、それなら書きやすいというか、やりたい事のためには面倒なこまごまとした準備も苦じゃないもんね。
結局は何が一番書きたいのか、それを見つけないとなかなか進まないって事なのかも。
さて、ここまで書いておいて多分入るであろうツッコミを予想しています。「お前世界観は考えねーのか!?」ってね……。いや、世界観大事ですよ? 大事だけど……、それって書きたい事なんですかね……?
えぇ、重厚な世界観を表現したいっていう欲求があるのは重々承知してますが、世界観っていわば舞台装置じゃないですか。つまり映画で言えば背景画、演劇で言えば大道具。そりゃクオリティ高い方が良いですけど、それをメインに据えるのはかなり難しいというか、人を選ぶと思います。
てか、それらを中心に置くなら「映画や演劇じゃなくて美術館行けばいいのでは?」ってなっちゃう所ですからね。
なので小説の場合も世界観は分かりやすく、いわゆる「ナーロッパ」でも十分だと思います。というか、実際俺が書いてるのもほぼナーロッパですし、その辺深く考察するのが難しいです。
それでもただのナーロッパじゃなく、そこにちょっとひとひねり加えないと書いてても面白くないんで、その辺のアレンジとして多少世界観作りにも力入れてもいいかもですけど、それで力尽きて執筆できなかったら意味ないんでほどほどに。
難しいと思う人は、ローファンタジーの能力モノから始めるのがいいんじゃないですかね。
現実が舞台なら書くのはもちろん、読者もイメージしやすいですし。
逆にハイファンタジーは好きに設定を組めるという利点もありますけどね。
でも結局世界観って、歴史やうんぬんを考えていくうちに、物語の展開を考えてる事と同じになったりするんですよね。歴史を組んでいたと思ったら、いつの間にか未来の展開を組み上げていた……なんてね。
そう考えると「筋先」の人は世界観から作り始めるのもいいかもですね。
さて、今回はこのくらいにしておきましょうか。
いかがでしたでしょうか。書き手の数だけ書き方はあると思うんですけど「そういう方向から攻めるのもあるんだー」なんて思っていただけたなら幸いです。
個人的にはこういう話って好きなんですけど、あまり他の人ってこういうの書かないんですかね?
色んな人の物語の作り方って聞いてみたいんですけどね。よかったらエッセイ書いてもらえると俺が喜びます。
もし今回の内容で気になる事などあれば、感想欄へどうぞ!
◆ ◇ ◆ 以下蛇足 ◆ ◇ ◆
実は「筋先」なのはなろうに登録して短編書いてる頃から自分で気づいていたんですけど、それによる弊害も自覚しています。
その弊害ってのが「キャラクター描写が全然できてない!」ってトコなんです。
本気でキャラの事、特に見た目について書いてないんです。絶対ファンアートとか描けないって俺自身が自覚するほどに書いてない。分かってはいるんです。分かってはいるんですけど、なんだか書きづらい。
キャラの容姿の話って、流れを止めてしまうじゃないですか。その見た目が今後に関わってくるならあまり思わないんだけど、何も影響がない場合「無駄じゃない?」って思ってしまうんです。
完全に「筋のためにキャラが存在している」からこその発想なんですけどね……。うーん、直さないといけないなぁと思いつつ、なかなか改善できないんですよね。
逆に、見た目はともかくキャラ設定を細かく作らず、必要な設定しか乗せないので後で取り回しやすいっていう利点でもあるんですけどね。ガチガチにキャラ設定組むと、その後に再登場させたりが難しいですし、情け容赦ない使い捨てをしない限り何人もキャラを立てるのは執筆コストが高いし、読むほうにも負担になりますからね。
ま、この辺は今後の課題って事で……。
長々とお付き合いありがとうございました!
あらすじとは一体……。
エッセイが暴走してるのはいつもの事や。
執筆はゲームと同じ。ずっとヌルゲーじゃ飽きるだけ。
難しいからこそ面白い。難しいからこそクリアしたくなる。
そういう気持ちで続けていきたいと思ふ。