表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
へたくそ  作者: MO
98/102

第98話 もう一度

練習後、オレは久しぶりに上山と二人で帰っていた。

しばらくお互いに黙って歩いていたが、ふと上山が口を開いた。

「松島。色々悪かったな」

「上山・・・」

「お前と児玉のおかげで、やっと素直になれた気がするよ。

 やっぱり俺は野球が好きで、俺には野球しかないんだ。

 中学の時、お前が戻って来いって言ってくれた時も本当は嬉しかったんだ。

 でも、やっぱりピッチャーができないことがどうしても引っかかってた」


オレはふと上山が辞めた日のことを思い出した。

あの日、最後に上山が投げたボールは間違いなく活きていた。

「お前、もう一度ピッチャーやってみろよ」

「はぁ?何言ってんだよ。俺はもう肩が・・・」

「いや。あの日受けたお前のボールは間違いなく活きた球だった。

 ダメで元々だろ?

 明日、久しぶりにお前の球、受けさせてくれよ」

上山はしばらく黙っていた。


オレ達がコンビニの前に差し掛かると、金子と仲間たちがたむろしていた。

「おっ!上山じゃねぇか。なんだその頭」

金子の連れの一人が声を掛けてきた。

「おう」

上山は金子の方をチラッと見ながら応えた。

金子は黙ってジッと上山を見ている。

「また野球やってんのか?」

「まぁな」

「坊主頭、似合わねぇな。ぎゃはははは」

「うるせぇよ」

「ところで、あの“へたくそ”元気か?」

「あ、あぁ」

「あの試合以来、俺達すっかりあいつのファンになっちゃってよぉ。

 また応援しに行くから頑張れって言っといてくれよ」

「あぁ、わかったよ」

上山と金子の連れが話をしている間も、金子はジッと上山を見ていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ