コント 「家族でキャンプ」
ボケ「毎度毎度!今日も暇人どもが群れやがっておりますなぁ!」
ツッコミ「おまえド頭からなにご無礼かましてんねん!お客さんやぞ、お客さん!」
ボケ「ちゅーても、俺らのギャラは会社から出てる訳やし…」
ツッコミ「会社に金払うてんのはお客さんやろ!水は高いとこから低いとこに流れてんのや!俺らはお金の流れの下流におんの!」
ボケ「下流いうたら、俺、こないだ家族を連れて川縁でキャンプしたんよね」
ツッコミ「おまえまだ独身ちゃうかったか?」
ボケ役はツッコミの胸ぐらを掴む。
ボケ「オトンやオカンとキャンプしたらアカンのか!ええ!アカンのかい!」
ツッコミ「アカン訳やないけど、まだあったかいのにお寒い話やろ。手ぇ放せや。これ、貸衣装やぞ? アホなんはしゃあないけど、気まで短いから彼女の一人もでけへんのや」
ボケ「大きなお世話じゃ!彼女おらんのはおまえもやろがい!」
ツッコミ役、客席に向かってヒソヒソ声で囁く。
ツッコミ「ここだけの話、コイツ、短いのは気だけやのうて、アソコも短こうおまんねんで?」
ボケ「いらん事までバラすなや!そんでな、川沿いのキャンプいうたらまず釣りやろ?」
ツッコミ「せやな。釣った魚を焚き火で焼いたら、これぞキャンプって感じになるわな」
ボケ「そやねん。せやさかい、オレは自慢の海竿を…」
ツッコミ「場所は川やろ。なんで海竿やねん。それに自慢の海竿て、ナンボ自前の竿が自慢できひんからゆうてそんなモン自慢するか?」
ボケ「うるさいわ!弘法は筆を選ばずいうやろ」
ツッコミ「おまえの筆降ろしはまだやけどな」
ボケ「そうなんや。俺、いつになったら彼女出来るんやろって、もう下ネタはいいんだよ!話をキャンプに戻すぞ。オトンとオカンにテントを張らせながら、俺は釣りに勤しんでみた訳よ」
ツッコミ「サラッというとるけど、おまえ、最低やな」
ボケ「誰がこんなワガママなボンに育ててもうたんやろなぁ」
ツッコミ「オトンとオカンや。せやけどガンジーとマザーテレサに育てられたっておまえはどうしようもなかったやろ。生ゴミはどう細工したって生ゴミなんやし」
ボケ「あ、生ゴミはちゃんと持ち帰ったで? キャンプのマナーやからな」
ツッコミ「当然やけど、ええ心掛けやないかい。せやけどそれ、ホンマの話なんやろな?」
ボケ「ホンマやって。それに不燃ゴミはちゃんとコンビニのゴミ箱に捨てて帰ったで」
ツッコミ「それがアカンちゅーんや!コンビニに家庭ゴミは捨てたらアカン!キャンプのマナーだけやのうて、社会のマナーも守らんかい!」
ボケ「人間のクズになにいうてるんや。俺の事、生ゴミいうたんはおまえやろ」
ツッコミ「開き直んなや!後でコンビニに謝りにいくぞ!ええな!」
ボケ「しゃあないな。一緒に頭下げたるわ。この度はウチの相方がとんだご迷惑を…」
ツッコミ「なにしれっと俺のせいにしてんねん!捨てたんはおまえやろ!」
ボケ「まあ、今のはジョークや。不燃ゴミもちゃんと持ち帰ったで。……ウチのオカンが」
ツッコミ「なんや、ジョークかいな。それならええんや。って持ち帰ったのオカンかーい!」
ボケ「ちなみに焚き火の後始末はオトンがやった。行き帰りの運転もや。こういうのをなんていうんやったかな。え~と、大便旅行?」
ツッコミ「大名旅行だよ!下品かおまえ!俺もさんざん下の話をしといてなんやけど!」
ボケ「大便やのうて大名か。半分は合うてたな」
ツッコミ「一字違えば大違いだろ!なんだよ、大便旅行って!」
ボケ「クソ野郎が旅行したんだから大便旅行でよくねえ? あ、旅行やのうてキャンプやったか」
ツッコミ「また開き直りかい!それよりおまえ、送迎から準備、後片付けまで全部親任せやないか!親をなんやと思うとるんや!家政婦かなんかか!」
ボケ「アホやなぁ。オトンは男やさかい、家政婦な訳ないやろ。頭、沸いてはりますぅ?」
ボケ役、自分の頭の上で人差し指でクルクル回す。
ツッコミ「湧いてんのは怒りだよ!こんだけ怒りが湧いてきたんは生まれて初めてやわ!」
ボケ「頭から湯気出てるで? ヤカンをのっけたら湯が沸きそうやな?」
ツッコミ「おまえにムカついてんだよ!それぐらいわかれよ!」
ボケ「まあまあ、雑用やらせたお詫びに、親には俺が釣ったカツオをご馳走したからええやないか」
ツッコミ「ウソはもっと上手につかんかい!川でカツオが釣れるかい!」
ボケ「それが川にもカツオはおったんや。"磯野、野球しようぜ~"って中島君に誘われとったらしい。ほれ、河川敷で野球やってる少年はぎょうさんおるやろ?」
ツッコミ「カツオはカツオでも磯野カツオ君かよ!カツオ君食うなや!サザエさんのレギュラーやぞ!」
ボケ「実は俺、磯野ファミリーに入ろうかと思てんねん。せやったら空席がないとアカンやろ?」
ツッコミ「おまえが仲間入りしたクズい磯野家なんか誰も見たないちゅーねん!もうええわ!」