狐?出会い?
とりあえず,色々と確かめることにした
先ず足を運んだのは,八百屋だった
「これは、なに?」 キャベツを差し呟くと 店の者は「キャベツだ…買うか?」と言ってきた
言葉は通じる だが文字は全くもって読めない
次はこちらのお金が使えるかだ とても大事なことだ 「使える?」 小銭三百円を差し出したが,顔を歪め 「どこの国の金だよ…ここじゃ使えんよ」 そういった
「それなら,私はお金を持っていないから立ち去るよ」 そういって八百屋をでた 八百屋はお世辞でも小綺麗とは言えずどちらかというと小汚ないが一番しっくり来る店だった
街を見渡したりしていると 裾をちょんちょんと捕まれ後ろを振り返ると…
10歳くらいの男の子がいた 飴色の艶のある髪に幼さな残る顔立ち 大きなクリクリとした金色の瞳 白いはだ 身に纏っているのは,フリルのあしらわれたブラウスに 黒いサスペンダー 黒いキャロット いわゆるゴスロリってやつのような服装だった
しかも美少年
「っと…どうしたのかな?」
訳がわからず聞くと、美少年は硬く閉ざしてきた口を開いた 「お姉ちゃん…狐のお気に入りにされちゃったね?」
「えっと…どういう…ことかな?」
狐というワードには覚えがあった
宮ノ下神社に祀られている狐
その狐となにか関係しているのか分からないが,とりあえず男の子の目線に腰を下ろし,男の子を見つめる
「君、名前は?」
「僕は、リエ・アラーナ」
名前も異世界っぽいな等と考えながらリエのサラサラした髪を撫でる
「私の名前は,ヒメノ リセお金も持っていない凡人さ!!」
「絶望的だね」
ここから私の異世界生活が始まるのだ