3. 転
『偶然』とは、あくまで、その事象の必然性を理解していない者のための言葉に過ぎない。
しかし、あえてこれまで遼一の身に起こった『偶然』をあげると、下記の通りとなる。
偶然、宝の痴漢撃退現場を目撃
偶然、宝が向かいのマンションに住んでいる
偶然、電車で宝の痴漢検挙を見かける
偶然、1限も2限も宝と同じ授業を選択している
偶然、宝の痴漢撃退現場に5回も居合わせる
偶然、スマホの録画停止音を響かせてしまう
偶然、宝の連絡先を手に入れる
偶然、宝を痴漢から助ける
偶然、痴漢の住まいと本名を知っている
偶然、宝が気絶させられる
偶然、宝の手に手錠がかけられる
偶然、自宅に手錠を切れるペンチがある
偶然、宝を自宅に連れ込む理由ができる
偶然、冷蔵庫に宝の好きなチーズがある
偶然、宝の好きな料理を作れる
偶然、宝が男性の接近を怖がるようになる
偶然、女性にうまく近づけない奥手な性格である
偶然、宝のためにクワトロフォルマッジを注文している
偶然、宝やその家族には、あれだけ被害に遭っておきながら痴漢への危機感がなかった
偶然、遼一に会うまでは、宝の痴漢被害はすべて軽いものだった
不穏な雰囲気になってきました・・・