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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
一章:覚悟する魔法少女
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8話:変身講座

「ハート。帰ったら、まずは一緒にDVDを観ましょう。」

 スペードが言ってくる。天凶院は信用ならないが、この娘が言うと、こっちを思いやってくれているのがわかる。素直に頷こう。

「ああ。よろしく頼む。」


 スペードをもう一度見てみる。

 さっきと随分見た目が違う。


 髪型や色はさっきのままだ。一部だけ鮮やかな紫色になっているが。

 違いは頭にティアラ。目元に涙のクリスタルのような模様がある。耳には可愛らしく上品なピアス。

 首元には俺と同じ首輪。まあこれは最初に出会った時から付いていた。

 先ほどと瞳の色が違う。深い黒紫だった瞳が、鮮やかな紫色になっている。

 さっきまでは私服と言った感じの洋服だったが今は随分違う。

 黒と紫を基調とした派手で丈の短いスカートの衣装に変わっている。

 右手には俺のもつものと同じようなゴテゴテした杖。


 変わっているが可愛らしい。この少女自身に似合っているとは思う。変わっているが。


「すぐに変身しましょう。やつらが来る前に。」

そう言って、すっと瞬きにも満たない一瞬で元の服装に戻った。最初にあった時の見た目だ。


「私が実演しますのでマネをしてみてください。イメージを強く持ってくださいね」


 返事を聞かないままに杖を構える。


 そして、呪文が厳かに始まる。


「黄昏よりも暗き存在もの、血の流れよりも赤き存在もの 時間ときの流れに埋もれし偉大なる汝の名において、 我ここに闇に誓わん、我らが―――」


『言わせねえよ!!?』

 天凶院から突っ込みが入る。何か気に入らないようだ。


『え? なんで!? いつもと呪文違うじゃん!? 既にさっきのハートちゃんの所為で呪文ネタはギリギリアウトなんだよ! 魔法少女が闇に誓っちゃ駄目でしょ!? てかなんでドラグスレ――――』


「―――っち。はいはい。すいませんした」

『ええ! なんなの!? 今日のスペードおかしいよ!? なんでそんな勤続年数とプライドだけ高い、時給の上がらないアルバイトみたいな感じなの!!?』


「では。ハート。よく見ておいてくださいね」

天凶院は無視する事に決めたようだ。


「テクマクマヤコン、テクマクマヤ――――」


『だから、言わせねえよ!!?』

 再度、天凶院に止められる。鬱陶しいやつだ。


『また昭和かよ! なんで一旦進んで、戻ったん!? それとも平成の実写版!? まだ引っ張るのかよ! そのネタ!? てか、君が持ってるのコンパクトじゃないでしょ!』


「・・・・・ふーっ・・・・」

『うぇ!? なにその溜息!? 僕が悪いみたいじゃん!!? パワハラ上司の圧政に耐える新人社員みたいじゃん!?』


「おい。いい加減にしろ。」

 こいつらに会って何回目だ。このセリフを言うのは。


「では。ハート。よく見ておいてくださいね」

 スペードが気を取り直してはじめる。


 杖を頭上に掲げ、円を描く。

 そこに魔方陣が浮かび上がった。


「我、闇を切り裂く光とならん!」


 魔方陣がスペードの頭上より落ちていく。

 スペードを包み込んでいく。

 光に包まれながらスペードが変身を遂げていく。

 杖が剣へと変わる。

 くるりと回って、剣を構えた。


「魔法少女キルマ☆カルマ! スペード推参!」


 どやぁ。

 スペードがそんな擬音が聞こえそうな顔をしている。鼻の穴がぷくぷくしている。

 クールな娘かと思っていたが、思った以上に愉快な娘のようだ。


『…………ぇ? キュンキュア…………』


 天凶院が呟いている。スペードが名前に対して既成事実を作った。謀反だ。


 キルとカルマ。つまり天狂院をキルするという意味にも見える。俺もこっちでいい。


 ただ問題がある。

 俺は自他共に認める、ダンディーだ。クールでハードボイルド。たまに感情に任せてヒート。それが俺だ。


 俺があれをやるのか?新手の拷問か。初めて受ける精神攻撃だ。救いは見た目が少女ということだが、それすらも俺には屈辱以外の何ものでもない。


『ハートちゃん、早く! 敵が来ちゃうよ!』

「だが……」

『なにを躊躇ってるの? 夢と憧れの詰まった変身だよ?しかも魔法少女!! 大人の事情がなければ僕がやりたいよ!! ……あ。もしかして感極まってるの?』

「違うわ! ただ恥ずかしいだけだ!!」


「……恥ずかしい……(´・ω・`)」

スペードが呟いてる。


『もう! 早くしなきゃ! あんましつこいとエンドレスで頭に直接、僕の生活をライブ映像で流すよ?』

「やめろ!」

そんな汚物を見せられたらストレスで禿げてしまう。


『あー。もう。めんどいなー。これだからおっさんは。じゃあさ、君にとって有益な取引をしよう』

「あ? 取引だと?」

『そう。君って海原光明だった時って結婚してたんだよね?』

「……ああ」


 こいつの底の知れない技術を見た後だ。素性だとか情報が割れている程度で驚いたりはしない。


『僕は奥さんの情報を知っているかもしれない。それを提供しよう。』


「……っな……!!!」




宣言通りに謀反です。

名前が一番の難産でした。魔法少女の名前はおっさんには厳しいです(´・ω・`)

スペードとキルしたい天凶院(マスター)の関係はその内に。


一応補足。

キルマ☆カルマ


カッコいい名前の由来は『(かるま)をキル』です。


僕という神とスペードがつけた名前の由来は『キルしちゃうぞ♪魔法で♪カルマというマスターを♥』です。


次回『9話:はじめての変身』


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