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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
二章:癒し手の魔法少女
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66話:魔王少女ムル

ゆうきちゃん視点

「っ!!?」


「っく!? ムル様!?」


「っち!」


 校庭全土を覆う巨大な魔法陣結界。


 ムルとアレックスがその結界の中に閉じ込められ暴雷に晒される。


「……よし!」


 小さく、だけど会心の手応えに喜びの声を上げる。


「ぐっ……ぁあ!」


 アレックスが苦しむ。


「く……っ」


 ムルが呻く。


 効いている。私が仕掛けた大魔法陣結界は効いている。


 想像以上。いや、想像を絶する出力で結界が構築された。

 これも『電姫(みかさ)』の力だろう。


 これならば。


 このままいけば。


 時間稼ぎだけでなく、手傷を……あるいは倒しきることも……。


 そんな考えが浮かぶ。


 だけど、私は舐めていた。世界の理不尽を。


 『魔王少女』ムルを。


「ムル様……っ! 出来れば早く……」


「っち。しゃあねーなあ」


 パタン。と、開いていた扇を閉じてムルが瞑想に入る。


「我は『暴風』の魔女。我、王を遮しモノを吹き飛ばし道を作らん。」


 ムルの詠唱。


 詠唱と共に、ムルの足元に魔法陣が浮かぶ。


 魔法陣が浮かび、ムルを包み込んでいく。


 ムルの周囲が『風』が集まる。


 着ていた服が変貌していく。


「……ぁぁ……」


 ……意識が絶望に染まっていく。


 『情報解析(ステータス)』を使うのが怖い。


 使わなくても伝わる絶対的な(プレッシャー)


 こんな……これほどの……。


「化け物……っ」


 扇の装飾も煌びやかなものに変貌している。


 不吉な力の気配。


 煌びやかな扇を拡げ、言う。


「『魔王少女』ムル。推して参りまーす」


 気の抜けたセリフ。


 裏腹に感じる重圧。


 まずい。……まずいっ。


 ムルが拡げた扇を前に突き出す。

 にやにやと笑いながら拡げた扇の上空に魔力球を作りだす。


 一瞬で。『電姫』状態の私を上回る魔力が込められた球。


 どっと汗が噴き出す。


 もう結界の雷撃が効いている気配はない。アレックスは相変わらずのようだが。


「ムル様っ!?」


「わかってるちゅーの」


 そう言って、指をパチンと弾く。


 同時に魔力球が割れた。


 解放される魔力。生みだされる『暴風』。


 暴風の前に成す術なく結界は割れた。

次回『67話:折れた心』

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