60話:明日のある幸せ
私は、休憩時間とか事あるごとに腕につけている時計を眺めながら、ニヤニヤしていた。
そんなつもりはなかったけど、ふと窓に映る自分の姿を見て気付いた。
窓の外はあいにくの雨。そこに映る私の顔は、凄い顔をしていた。
駄目よ。駄目駄目。気を引き締めないと。
と、流行語を交えて考えるけど駄目だ。顔が引き締まらない。
だって、幸せなのだ。こんな気分になるのは人生で初めてなのだ。
気付いたら顔が緩んでいる。
だって、仕方がないだろう。この時計はカルマ君がくれた一点ものなのだ。
色んな機能が付いてるらしい。機能については説明を軽くしてくれた。
まずは頭で直接会話する機能。明心さんも出来るらしい。けど、私のは少し違うのだ。
会話をするかは私の応答を待ってくれるらしい。明心さんが持つ機能はもっとアバウトで、相手の都合なんてお構いなしで会話を聞かせる事が出来るらしい。女性だからって気を使ってくれたらしい。
カルマ君に女性扱いされていることが嬉しい。
また、にやけてしまう。
気を引き締めないと。
この会話する機能を使って、カルマ君が教えてくれた。
今日は明心さんはお休みだって。今日の夕方前位までは目覚めないとか。
昨日の今日なのだ。仕方ないかなと思う。彼女はすごい。感じる魔力は、あの魔獣に比べて微弱。でも、倒してみせた。圧倒してみせた。彼女がどういった子なのかはまだ分かっていない。
不思議な子。四葉も変わっているけど、彼女も変わっている。
おかしな喋り方。アンバランスなのに自然。とても安心感のある強さを感じる。
彼女が味方で本当に心強い。カルマ君がいる安心感とも違う。
彼女とも色々と話をしてみたい。
本当に11歳? って思うほどの安心感と安定感。そして戦闘に関するスキル。
私も倒された時、一体何が起こったのかわからない内に倒された。翻弄された。
きっと、私は彼女から学ぶべきことが多いと感じた。
この時計には他にも機能がある。追々試してみる必要があるだろう。
そう言えば菜々草君。彼は今日は休んでいた。昨日の一件が尾を引いているのだろうか。
少し、話をする必要があるかも知れない。次に会ったら少し話を聞いてみよう。
そんな事を考えていた。
放課後になる前ぐらいまで。
明日を考えていた。
今日、最後の授業中。それは突然起こった。
私の張っていた結界。
それを破って、現われた。
本物の『魔王少女』。
次回『61話:教師の仕事』




