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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
二章:癒し手の魔法少女
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59.5話:動き出す影

地下帝国サイドの視点。

誰目線かは本文の後に後書きで。

「ふふ……」


 調査を命じられた私は新たな発見に思わず笑みをこぼした。


 ここにこんな場所があるとは……。


 私が受けた命令は、魔獣クロコッタの捜索。


 一体のクロコッタが地下帝国から行方不明になったのだ。


 他の魔獣なら気にするようなものではない。だが、クロコッタはこの地下帝国にとって、貴重な水源の一つである。地下帝国の管理する魔獣。それが一体忽然と姿を消した。


 所詮は、一体だけ。だが、貴重な資源であることは間違いない。

 その為の捜索命令。


 基本は管理されているのだ。それが消えた。

 レジスタンスとやらの仕業も視野に入れる必要がある。


 だからこそ、まだ立場の弱い私に命令が下された。


 捜索、及び原因の究明。そして対抗勢力がいるならば炙り出して殲滅。


 対抗勢力の炙り出しは私が向いている。私が一人でもいいので男を魅了してしまえばあとは簡単。


「おい」


 調査して、思案していた私に後ろから声がかかった。


「ん? なんだい?」


「何か、わかったのか?」


 っは。これだから、魔力だけ高い馬鹿女は。

 この一緒に同行している女は私よりも魔力が上だ。それは認めよう。


 魔法が支配するこの地下帝国において、魔力は絶対。

 それゆえに、私よりも上の立場にいるのだ。

 私から見れば間違いだらけの構造だが。魔力が絶対ではない。それは、サタン様も理解されているが、中々うまくはいかない所だ。


 さて、どうしようか? 素直に教えるか。誤魔化すか。

 誤魔化してもこの馬鹿なら気付かない。


 でも、正直にいう事に決めた。この女は力はあるのだ。魔王少女の末端。末端とは言え、『魔王少女』の名を冠する女。少女と言うにはギリギリな所ではあるが。

 何があるかわからない。一応この馬鹿女も巻き込もう。


「ええ。わかりましたよ。原因が。」


「何だと!? レジスタンスか!?」


「いいえ。違いますね。これは、自然災害です。」


「は?」


 地形や魔力の流れ。少し見て考えれば分かりそうなものだが……。頭に栄養の回らない奴は嫌いだ。

 虫唾が走る。


「ここを見てください。魔力が溜まってるのがわかりますか?」


「ああ」


「この魔力はあっちに向かって流れています。」


「……ああ。だから、なんだ?」

 若干、苛立ちのこもった声で聞いてくる。

 馬鹿でヒステリー。救いようがないな。


「地脈に沿って進んでいけば、定期的に魔力が吹き出している場所があるはずです」


「魔力が吹き出す?」


「ええ。足跡もある。恐らくそれに乗って飛んでいったんでしょう。」


「飛んでいった? どこに?」


 ため息をぐっと堪える。


「地上にですよ。恐らく、長い年月の魔力の吹き上げで地上と繋がってるはずです。」


「なっ!!?」


「……どうです? 少し、調べてみませんか? もしも、繋がっているならばクロコッタを捕獲して連れ帰らないといけませんし。」


「そ、そんな重要な場所なら先に報告を……」


「確証がないのに? 地下帝国がその情報で浮き足立って、誤報だった場合、サタン様もどう思われるか……」


「っぐ……。そ、そうだな……」


「なので、少し調べてみましょう?」


「わ、わかった」


 もしも、地上に出られるなら久しぶりの地上だ。少し遊ぼう。


 かなり退屈していた所だ。レジスタンスでも出てくるならば少しは遊べたかもしれないが……。

 それも望みが薄いか。この馬鹿女が一緒なのだ。殲滅は容易すぎる。


 さて、繋がってるといいのですが。


 楽しまなくては。退屈はつまらない。

 私の主義に反する。


 快楽。快楽こそ至上。


 快楽主義者。


 それが、私。


 アレックスの主義だ。

 


 

アレックス? どっかで聞いたような・・・。思い出せぬ。


って、なった人は16話にれっつごーです。


次回の60話でちょうど毎日更新2ヶ月が完了ですb


次回『60話:明日のある幸せ』


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