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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
二章:癒し手の魔法少女
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39話:ホットミルク

 暫く休んで、なんとか動けるようになった俺は、四葉に肩を借りながら大暮先生の家まできた。


「お疲れ様。鳩子ちゃん。着いたよ」


 玄関を潜り、室内を確認する。


 着いた先はアパートの一室。

 随分、可愛らしい部屋だ。部屋が全体的にピンク色だ。

 人形が随分多い。


「先生の趣味みたい。地味な感じの割に、こうゆうのが好きなの。その辺りの人形も全部先生が作ったの」

 四葉が説明してくれる。しかし、大暮先生に地味って。なかなか毒のある言い方だ。


「そこに座ってて」


 そう言って、四葉はどこかに行った。

 暫く待っていると四葉が戻ってきた。


「はい。どうぞ。」


 出されたのはホットミルクだ。


 海原光明の時に出されたらキレていただろう。

 だが、今は明心鳩子だ。ありがたくいただこう。


「ああ。ありがとう。」


 受け取って、一口啜る。


 う。甘い。


「お砂糖入れてるの。どう? 美味しいでしょ。」


 四葉は甘党か。正直、甘いのは得意ではない。別段嫌いでもないが。

 甘いものより、辛いものの方が好みではあった。


 まあでも、甘いものは明心鳩子の体だと馴染む気もする。酒も煙草も受け付けない健康優良な体だ。


 甘いが落ち着く味だ。疲れているからありがたい。


「ああ。美味いな。」


「ふひひ。でしょ?」

 そう言って、四葉は笑って、自分もミルクを飲んだ。


 時間を確認する。19時前といった所だ。


「この後どうする? ご飯にする? お風呂にする? それとも休む?」


 正直、もう休みたい気持ちはある。


 だが、四葉を見る。そわそわとした感じ。この子も10歳の少女だ。

 四葉の事情と合わせて察する。今まで、両親にすら認識されなくなった少女。それが認識できる相手。少し興奮している感じがある。


 単純に寂しかったのだろう。話し相手がほしい感じか。だから、嬉しいのだろう。この子とも少し話しておきたかった。情報も欲しいが、単純に話しておくも悪くない。


 もう少し、付き合おう。


「では、飯にするか。」


「おっけ。任せて♪ 鳩子ちゃんは休んでて!」


「手伝うぞ?」


「無理しないでよ。あんなに頑張ったんだしさ!」


「……すまんな」

 正直動くのはつらい。


「いいよ! ちょっと待っててね」


 鼻歌を歌いながらキッチンのある方に行った。


 その背中を見送ってぼんやりとする。

 気を抜くと意識が飛びそうだ。


 すると、頭に声が響く。

『ハート様! ハート様ぁ!』


 うざい声が聞こえてくる。


次回『40話:SOS』


タイトルだけみるとシリアスっぽいけど、シリアスパートはもうちょっと先です。

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