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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
二章:癒し手の魔法少女
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30話:ぶれーん

遂に、30話。思えば遠くへ来たもんだ。

 それから放課後までは、適当に過ごした。

 途中、三堂麗葉に絡まれたりした。

 が、勇者の元気がない事。精神が弱っている時ほど、男は脆いとアドバイスしておいた。

 そんな傷心につけこむ真似とかほざいていたが、俺からすると意味がわからん。


 傷ついている時に、傷を癒すきっかけを与えてくれるかもしれない女がありがたくない訳がない。

 確かに、そっとしておいてほしい時もあるだろう。

 理由はどうあれ、好意を持って接してくれるのだ。嫌っている相手でもない限り、嬉しくない訳がない。

 

 ただ、もう一つアドバイスしておいた。


 求めるな、と。


 ただ、相手のことだけを思ってやれ、と。


 傷ついた心に、その気遣いは染みる。求めない事が、勇者の心に残るだろう。

 

 まあ、あくまで俺の感性だから間違っていたらすまないが。


 そんな感じで、三堂麗葉にはアドバイスをした。

 一宮と二見も頷いていた。


 近くで四葉も頷いていたのが印象に残った。


 残念ながら、勇者の様子は芳しくなかったが……。


 仕方ない。時間もかかるだろう。骨折と同じだ。時間はかかるが、治れば強くなる。最悪、厳しいようなら少し手を貸してやろう。


 そんな感じで一日を過ごした。


 そして、放課後になった。

 俺は、まっすぐに音楽室に向かう。


 大暮先生や、四葉より先に出る。

 念の為だ。罠を張られている可能性もなくはない。


 事前に調べておくつもりだ。


 音楽室に鍵はかかっていなかった。


 俺は、警戒する。


 罠を。

 それと、中から人の気配がした。


 そっと、音もなく扉を開き中を伺う。


「っ!!」


 そこに居たのは、予想していなかった人物だった。

 観察して、問題がない事を確認し、扉を開く。


 俺に気付いたそいつが、はにかみながら言う。


「えへへ、来ちゃった……」


「きもい。何故、ここにいるんだ?」


 音楽室に居たのはカルマだった。

 何が、来ちゃっただ。彼女か。


 それに、その台詞にはいい思い出がない。

 昔、ある女が言ったことがある。


「証拠見せるなら、手っ取り早いでしょ? 僕が来た方が」


「馬鹿か。お前は、仮にも(ブレーン)だぞ? それが、のこのこと……」


「まあねえ。色々理由はあるんだけどね。あれから、四葉ちゃんの魔法を解析して、弊害を排除してから調べるとちょっとわかった事もあってさ。見ときたかったんだ。」


「だが……」


「軽率だとは思うけどね。あの基地に次いで、君の傍が僕にとって安全地帯だし? それに……」


「……それに、なんだ?」


「はっはー。スペードの為だ。僕だってなにかしたいさ。」


「っち……。卑怯な言い方だ。まあ、いい。手っ取り早いのは確かだ。」

 明の為だと言われれば、大人しく引き下がるしかない。


「……四葉の『情報解析(ステータス)』に惑わされた……わけではないんだな?」


「………………そ、そんな、訳がないじゃあないか」


「…………」


「いや。だって、ねえ? それも、確認したいことの一つだよね。」


 ……しょうがないやつだ。まあ、スペードを思ってというのも嘘ではないだろう。

 広い、心で許そう。


「基地に戻ったら、灰に……ハイにしてやるからな?」


「…………」


「おい。誰が黙っていいと言った? 返事はどうした?」


「はい!喜んでぇ!!」


居酒屋かよ。


そんなやり取りをしていると扉が開いた。


間に合えば、間話入れるかもです。

海原光明の昔に出会った女のエピソード。まあ間に合えばです。


次回『31話:邪眼』

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