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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
二章:癒し手の魔法少女
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22話:名を思い出せない少女

「――待て!」


 三堂麗葉にランドセルを放る。


「すまん! 頼む!」


「ちょっと! 明心さん!」


 俺は、逃げた少女を追いかけた。

 駆けながら考える。


 三堂麗葉にはこいつが視えていない? 嘘をついているような感じではなかった。

 それに、駆け出す前のこの少女の表情を思い出そうとする。


 ――ぼんやりとして思い出せない。

 ついさっき見た表情(かお)を思い出せない。


 なんだ? これは?


 頭の中でカルマを呼び出す。


 カルマ! カルマ! どうゆう事だ、これは!


『――――マスターは傷心中の為、繋がりません。枕を濡らしながら「童貞ちゃうもん……」と呟いている為、繋がり――――』


「っ! つかえねぇーっ!!」


 苛立ちのあまり、声に出して叫ぶ。

 あいつ、精神(メンタル)が弱すぎる! 豆腐かよ!


 基地に帰還したら、あいつの精神(メンタル)叩き直してやる!


 これだから、チェリーは!


 カルマが使えない今、己の頭で考える。

 

 あの少女の事を考えようとすると、頭に靄がかかる。

 歯を食いしばって、走りながら意識を集中する。


 そもそも、おかしいのだ。

 存在感が希薄。そうゆうやつは警戒してきた。油断してはいけないからだ。

 三堂麗葉の存在感に隠れて、目立たない、一宮や二見の事でも覚えていたのに。

 警戒していた、この少女の事を忘れた。

 ド忘れとかありえない。

 頭を使うのは得意な方ではないが、その程度は訓練している。


 話した事はなかった、と思う。いつも、三堂麗葉にくっついていたイメージはあるが。

 三堂麗葉に良識的なアドバイスをしている所は見た事がある。

 それを聞き入れ、三堂麗葉が返事をしている所は見た事がない。


 ここまでくると、おかしいのが分かる。

 まだぼんやりとする部分はあるが、分かる。


 思いつくことは、魔法。


 だが何故、地上に魔法を使うものがいる? こうゆう時こそ決めればカルマの株も多少上がるのだが。


 だが、あいつも『地上は中心から離れているから魔法を使える人は少ない。意識して使える奴なんているのかすら、わからない。』と言っていた。


 まあ、いい。

 魔法について考えても、俺では答えは出ない。

 ならば、まずは目の前のあいつを捕縛する。


 幸い、あいつの足は早くない。


 だが、捕まえられない。


 気を逸らすと、意識の外側にいるのだ。

 目の前にいるのに、見失う。

 奇妙な感覚だ。五感と勘で補足出来ている。もう少し、足が早かったら巻かれていただろう。


 駆けながら、その奇妙な感覚を御する。


 見失うわけにはいかない。あいつは、手がかりに繋がるかもしれない。


 『癒し手』への手掛かり。


 校舎裏へ逃げ込む、標的を追いかける。


 後、数歩。


 手を伸ばす。


 ――届く――


 「明心さん。HRが始まりますよ?」


 指先が掠る、その瞬間に声に止められる。


 勘だ。


 第六感。


 俺は、手を止めその場を即座に飛び退く。



 ――何も起こらない。



 転身、回し蹴りを放つ。


 そこにいたのは、俺のクラスの担任の女教師。大暮ゆうき。

 俺の反射で放った蹴りを、造作無く受け止めてそこに立っていた。

一章と展開合せてるわけじゃないですが、構成が似ました。

「状況1~3」

「麗葉ちゃんと愉快な仲間たち1~3」


麗葉ちゃんと愉快な仲間たち って話タイトルなのにたいして、愉快な小ネタを挟めませんでした。

改稿作業で、思い付いたらやっちゃうかもです。小ネタ。やらなきゃ駄目です。小ネタ。


次回『23話:VS 女教師』


ひさびさに変身なるか

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