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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
二章:癒し手の魔法少女
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19話:麗葉ちゃんと愉快な仲間たち1

明心(みょうじん)さん!」

 玄関で俺は、山堂麗葉(さんどうれいは)とその取り巻き達に、捕まった。

 俺の、大体は快適になったであろう環境で、大体に含まれない、元凶みたいなやつだ。


「……おー。おはよう。」


「おはようございます。……って、そうじゃありませんわ!」


「じゃあ、なんだ? 陰険なお前が直接来るなんて珍しいじゃないか」


「……ふん。なんのことだか」


「指先が真っ赤じゃないか? 大丈夫か?」


 俺はニヤニヤしながら聞いてみる。


「っ! なんでもありませんわ! ただ、これは、その!」


 こいつらは、最近俺に嫌がらせのようなものを仕掛けてくるグループだ。

 勇者が俺にちょっかいをかけるのが気に食わないらしい。

 

 まあ、正直俺からみると可愛らしいものばかりだ。

 罠も罠と呼べない稚拙なものだ。


 ただ、調査中は学校に持ち込んだもの、要は教科書や、ノート、靴といったものには注意を払わない。

 その辺りに仕掛けてきたことがあった。

 俺のものに手を付けるのだ。大げさだが、殺すものは殺される覚悟がないといけない。

 俺が靴箱に仕掛けた罠にでもかかったのだろう。そんなところに、上履きも置いてないし散々だろう。


 そんな目に何度もあっているはずなのに、懲りない。

 それだけでも、いい根性している。


 歪んではいるが、根性だけは認めてやっている。可愛らしいものだしな。

 山堂麗葉(さんどうれいは)は思っていることが、わかりやすい。実に子供らしい。

 

 女の嫉妬は怖い。

 アメルでそれは理解している。あいつは本当に、激しい女だった。

 苛烈で、過激。出会った時の最初のセリフが「あんた、あたしの奴隷になりなさい! 」だったか。

 「世界最強の戦士」に向かってそんな事を言った、女はあいつくらいだ。

 あいつの嫉妬と恨みは大変だった。


 まあ、いい。今はこいつらだ。


「ただ、これは、その何だ? 転んだか?」

「そ、そうですわ! ただ転んだだけです!」

麗葉(れいは)ちゃん……。そんな事より……」

 取り巻きの一人が、麗葉(れいは)に耳打ちする。

「っ! そうですわ! 明心(みょうじん)さん!」

 

『この娘も懲りないね』

 そうだな。可愛らしいもんだ。こうゆう娘は好きではないのか?

『いや。好きだよ。真っ直ぐで。顔も割と可愛いし。まあ性格がきついけど。ただ、好きな男がいるのはどうもビッチ臭くて。エロゲだったら後回しにするタイプ。乙女ゲーだと敵役で最後にひどい目に遭う噛ませ犬ポジション。』

 顔はいいからな。勇者のやつは。基本性能もそこそこいい。変態だが。……お前も、同じ変態なのにな。性能もいいのに……。ここまで、差が出るとは。やはり顔――――

『おっと。それ以上言うな! 僕が傷ついて、自殺を図っても、困るのは君だぜ?』

 お前の方が性格もクソだな。

『それ以上言うなって言ったじゃん! ほんとにもう。まあでも、麗葉ちゃんみたいなのも好きだけど、趣味ではないかな。』

 だが、好きな男がいるやつをモノにするのもいいものだぞ?

『……その鳩子ちゃんの見た目と声で、そうゆう下衆で残念な思考はやめてくれます?』

 その程度で、ごちゃごちゃ言うなよ。童貞じゃあるまいし。

『……………………………………』

 ……。お前、まさか……

『…… ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!――――――ぷっ――――通信回路が切断されました』

 最後にアナウンスみたいな声が届く。

 ――あいつ、チェリーか……。悪いことをした。歪んだ性癖だし、仕方ないか。

 むしろあの性癖(ロリコン)で童貞じゃない方がまずいのか?

 いや、しかし。変態(ロリコン)に成り下がるのも、何か理由があると思っていたんだが。

 初体験が、悲惨だったとか。

 


「――――――――!! 聞いてますか!? 明心(みょうじん)さん!!」

 忘れていた。聴いてすらなかった。どうせ、言っている事はいつもと同じことだろう。

「ああ。聞いてない。もういいか?」

「なぁ! 貴方は!」

「はあ……。どうせ、勇者の事だろう?」

「っ!」

「なあ。何故、正面から行かない?待っていても向こうから来てくれるような、都合のいい展開は中々ないもんだぞ?」

「貴方に何が……」

「わかるさ。男の事なら。」


 ざわり……。


 山堂麗葉とその取り巻き達が、息を飲む気配がした。



次回『20話:麗葉ちゃんと愉快な仲間たち2』

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