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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
一章:覚悟する魔法少女
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1話:O3

思いついた設定のままに投稿。これも武者修行なり。


感想等ありましたらよろしくです。

『聞……かぁ!!……ぉうとぅ…………!!』


 耳元の通信器から聞こえる声で意識をギリギリでつなぎとめた。


「……こちら……O3(おーすりー)

『無事か!? 状況は!!』


「任務は……失敗だ。俺以外は全員全滅。……俺ももう駄目だ」

 己の状態を確認する。左腕は根元から消失し、足は膝から先が既になかった。

 体中についた無数の傷跡。生きているのが不思議な位だった。まあもう長くはないだろう。


『なっ!? 馬鹿な!!』

 驚きもするだろう。俺たちが失敗するなんて考えられてなかった。世界最高のチームだった。

 俺たちが任務に失敗するという事は、このパンドラボックスはまだ人類には開くことができないと言うことだ。


「悪いな。相棒。先に逝く。」


 通信器が回復したのは目標の慈悲・・・なんかではないだろう。

 俺は恐らく、この場所を攻める事の愚かしさを最後に伝える為の、メッセンジャー役に選ばれたのだ。


 いままで死んでいた通信機能が急に回復したのがいい証拠だ。

即死であってもおかしくない傷だ。それでもなお喋ることが出来るのは、気付かないところで何か薬でも打たれたか……。


『ふざけるな! お前が死んだら――』

「いいから……黙って聞け」


 いつまで体がもつのか分からない。

 伝えるべきことを伝えなければ。現代を生きる世界最強の戦士(ソルジャー)と呼ばれる俺の最後の務めだ。


「もう恐らく俺にはいくばくもない。だから聞いてくれ」

『――――っ!!』

「ここでは……この場所では俺達の常識は通用せん。現代兵器ではまるで歯が立たない。まだ……ごふっ。まだここは攻めるべきではなかったのだ」


 俺達のチームですら成す術がなく次々と死んでいった。俺が最後の一人になり、怒りと己が最強であるという誇りを持ってここまで進んできたが……。


「俺は……見たことのない生物兵器と交戦し、敗北した。」


 こっそりとポケットに隠し持っていた煙草を、残り一本になった右手でくわえる。火をつける。

 任務中に嗜好品を持ち込むと五月蝿いやつがいたのだ。だからこっそりと隠し持っていた。

 胸いっぱいに煙を吸い込みながら煙草を味わう。


「――――ふーっ。やつは銃弾を避けた。銃弾を掻い潜って俺に致命傷を与えた。あんな兵器を俺は知らない。」


 ここは地下だ。入口は一つだけ。目標を制圧するには正面から侵入するしかなかった。敵の罠に正面から挑んで勝つことが出来るチームだった。


 ただ相手が想定以上だった。


「ここを目標にするなら、別の経路を作るしかないだろう」


 まあ作れるかは甚だ疑問だが。それぐらいしか手が思いつかない。


「がふっ…………がふっがふっ」


 激しく咳き込む。そろそろ限界のようだ。


『おい!! 応答しろ!!? 急いで帰還するんだ!!』


「馬鹿言うな…………。ごふっ。怒鳴るな…………。最期の煙草が不味くなるだろうが…………」


 こいつは俺のとびっきりの一本だ。死はいつでも覚悟していた。まさにこのような時に吸おうと思ってずっと隠し持っていたのだ。せめて最期の瞬間まで味わいたい。


「じゃあな。相棒。達者でな」


『――!!? ――――――――』


 耳も聞こえない。視界が暗くなってきた。そのまま俺は――――――――


R15と残酷描写は保険です。一応軍人なので。

マミられた!みたいなんは今後の展開次第です。


次回『2話:勝手に改造』

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